シンポ「フェミニズムと障害」で再生産された「障害者役割」

2006年3月10日 - 10:15 PM by admin

もう1ヶ月以上もずっと病気中。高熱・咳・呼吸困難みたいな症状がでているのだけれど原因が分からず(血液検査してもX線検査してもどこも悪いところは見つからない)、もしかしたらわたしがブログや講演で医療のイデオロギーを叩いているのをどこかで聞いて医者がいじわるしてるんじゃないかという気もしないではない。わたしのお医者さん、日本人だし。でもずっと寝ているわけにはいかないので、ビョーキが全快しないまま、某大学でシンポジウムにパネリストとして出席。「フェミニズムと障害」がテーマだったので、先日当ブログに載せた「インターセックスからDSDへ」の内容に近いことを短くまとめて早口でしゃべる。 Read the rest of this entry »

リストカットなどの自傷行為を「防ぐ」ことは望ましいのか

2006年2月4日 - 4:28 AM by admin

会津里花さんのブログ「セクマイ(Sexual Minority)雑感」経由で朝日新聞記事「幼少期の精神的暴力、自傷行為の危険9倍 鹿児島大調査」(2006/01/21) を読む。内容はまさにタイトルの通りだけれど、リストカットなどの自傷行為は境界性人格障害とともに幼少時のトラウマ体験と一般的に関連付けられているわけで、それを確認するデータを出したところで「なんで今さら」と言う会津さんの反応は圧倒的に正しい。記事では専門家とやらが「疫学的調査は少ない」と言っているけど、PubMed で「self-harm」「trauma」をキーワードにして検索したらたくさん出て来る。国内の研究では珍しいという意味なのかな。 Read the rest of this entry »

「インターセックス」から「性分化・発達障害」へ

2006年2月3日 - 2:42 AM by admin

BBC のプロデューサから電話。英国で昨年放映したシリーズで、子どもにビデオカメラを渡して自分自身や周囲の人との会話を撮影させる『My Life As A Child』というドキュメンタリがあるのだけれど、それのインターセックス版を作れないかという相談。大人が編集するとはいえ、ナレーションを付けたりせずに子どもが撮ったままの映像で子ども自身の「現実」を映し出すというコンセプトは素敵だけれど、インターセックスに限って言えばかなり無理。 Read the rest of this entry »

「完璧な愛」が隠蔽する国際養子制度の帝国主義的歴史

2006年1月28日 - 3:35 AM by admin

ここのところ林道義氏とのくだらないやり取りが続いてしまって、以前からの読者が離れてしまったのではないかと心配になってきたのだけれど、今回以前別ブログで少し触れたところリクエストがあった「国際養子縁組問題」について取り上げる。とはいえ、日本は国内の子どもを海外に送り出すことも海外の子どもを養子として引き受けることもほとんどしていないのであまりピンと来ないかも知れないので、ハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーの話からはじめてみたい。以下は、少し古いのだけれど映画情報サイトの「FLIX ムービーサイト」に掲載されたジョリーの半生についての記事から引用。 Read the rest of this entry »

追いつめられて訴訟をちらつかせた林道義氏の醜態

2006年1月26日 - 12:46 PM by admin

えー、どうやら林道義氏がまだ何やら言っている。というか、このブログのコメント欄で読者が林道義氏のセクハラ疑惑について書き込んだことと、わたしが林道義氏を「バカ」と論評したことについて、「法的措置」とやらを考えているらしい。セクハラ疑惑についてはただの噂でしかないものを広めるのは不当だと思ったので注意して撤回してもらったけれど、議論の中でさんざん矛盾したことを言っておいて「バカ」と呼ばれたから訴えるというのはそれこそバカみたい。そもそも、その程度の罵倒なら林氏だってわたしに対してその何倍も侮辱的な発言をしているけれど、もしわたしがそれに過剰反応して訴訟をちらつかせていれば「フェミニストは批判を許さない、ファシストだ」などといって大騒ぎしていたに違いない。自分勝手な人だ。 Read the rest of this entry »

自分自身を更なる窮地に追い込む林道義氏の爆笑反論

2006年1月22日 - 6:14 AM by admin

ここ数日のあいだ遠方から友人がたずねてきたので後回しにしていたけれど、少し時間ができたので先日の記事に対する林氏の反論「単なるハッタリ屋」に答えておく。林氏の論旨を短くまとめると、上記の批判においてわたしが林氏による「洗脳」「性同一性障害」といった言葉の用法を批判したことに対して、逆にわたしこそがそれらの言葉を「極端で大袈裟な意味」で解釈したうえで林氏の用法を「本来の意味から逸脱している」と決めつけているのであり、林氏の用法が大袈裟であるというのは間違いであるというものだ。 Read the rest of this entry »

タネのばれたトリックを繰り返す林道義氏の空虚な議論

2006年1月19日 - 1:56 PM by admin

やれやれ。なんのことかというと、前回わたしが掲載した林道義氏への再反論に、林氏がまたもや「幼稚で非良心的な学問の方法」として批判を寄せてきたことだ。林氏は大学も退職して毎日がヒマでヒマで仕方がないのかも知れないけれど(もっとマシな余生の過ごし方ないのかなー)、わたしの時間は林氏のトンデモ論法に延々と反論していられるほど無価値ではない。このブログの読者だって、そんなの望んでいないだろう。そうは言っても、一応自分が行った批判への直接の反論くらいには真摯に対応するつもりはあるので、あんまり元の論点からどんどん議論を逸らしていくのは勘弁して欲しいと思う。前回のエントリよりさらにくだらなさ50%アップでお届けします。 Read the rest of this entry »

思いつきでしかない「ジェンフリ教育の弊害」/林道義氏への返答

2006年1月15日 - 1:33 AM by admin

ずいぶん前に書いた「生物学基盤論を唱えながらジェンダーフリー教育の弊害を叫ぶ矛盾」というエントリに対して、林道義氏から無謀にも反論があった。さっそく読んでみたところ、あまりにバカらしくて再反論する価値も無さそうだと思ったけれど、一応礼儀としてお答えしておこうと思う。大した内容はないので、論壇プロレス的なバトルを楽しみたい人以外はこの項目飛ばし読みしていいです。 Read the rest of this entry »

夫婦別姓を選ぶ権利「だけ」を求める団体の無規範なシニシズム

2006年1月9日 - 5:04 PM by admin

「外部での引用禁止」をポリシーとしているあるフェミ運動&学究系メーリングリストで関わっている議論について報告。ここはクローズドなリストだとはいえ、公的な運動や学究が目的のリストなんだから引用禁止にするのはおかしいんじゃないかと思うんだけど、ルールに違反したとして追い出されたら嫌なので固有名詞の使用や直接の引用は避けます(括弧でくくっている部分は引用ではなくすべて要約です)。問題となっているのは、夫婦別姓を選択できるような民法改正を目指している団体。これまでの同種の団体が民法上の婚外子の差別撤廃を夫婦別姓の実現をともに主張してきたのに対し、ここは夫婦別姓のみを訴える点が特徴なんだそうだ。 Read the rest of this entry »

クルーグマン:「自己責任化」によって健康保険問題が解決しない理由

2006年1月5日 - 12:51 AM by admin

牧波昆布郎さんのこんぶダイアリー経由で毎日新聞記事「縦並び社会・格差の現場から 患者になれない」を読む。国民健康保険料を払えない人が、医療費が全額自己負担になってしまうために相当病状が悪化するまで我慢して医療を受けられなくなっている問題(この記事は、「縦並び社会 第1部 格差の現場から」という連載の一部のようです)。患者や病院のソーシャルワーカーや保険料集金に回る国保推進員がそれぞれの立場で発しているコメントが痛々しい。そこで今回は、珍しく日本の政治に関係したエントリ。 Read the rest of this entry »