慰安婦問題についての自分の認識や考えをせっかくまとめたので掲載しておく。
2014/10/19 日曜日 - 22:39:02 by admin慰安婦問題についてある保守派の方とメールでお話をしていて、いろいろ質問していたのですが、聞くだけではフェアではないと思い、長々と自分の考えを説明しました。内容はいつもツイッターで書いていることと同じですが、せっかくまとま […]
慰安婦問題についてある保守派の方とメールでお話をしていて、いろいろ質問していたのですが、聞くだけではフェアではないと思い、長々と自分の考えを説明しました。内容はいつもツイッターで書いていることと同じですが、せっかくまとま […]
世界経済活動の中心地であるニューヨーク市ウォール街において発生し各地に広まった「占拠」運動がはじまって二ヶ月近くがたつ。すでに広く報道されているようにこの運動は、不景気や失業難のなか経済格差が拡大していることに抗議するためにおこった運動であり、大手金融機関への規制強化や「1%」と呼ばれるようなごく一部の富裕層への累進課税などを掲げつつ、各地で経済や政治の中心部に近い広場を占拠し泊まりこむなどしている。
この記事は、この運動の政治的背景や今後の動向、来年の大統領選挙に与える影響などは扱わない。わたしが今回報告したいのは、白人・中流階層・異性愛者・男性たちが主導する「ウォール街占拠」運動の現場において、「運動内運動」を起こしている、あるいは起こさざるをえない立場に置かれている、性的少数者・クィアやトランスジェンダーの参加者たち、ホームレスの人たち、性暴力被害に取り組む人たちから聞いた、「運動内部からの証言」だ。
前エントリ「『当たり前のこと』が『当たり前である』ことの不当性/『性犯罪者が手を出しにくい女性になるために』的アドバイスについて」への反応のなかに、被害者非難は性暴力に限った話ではなくほかの犯罪においても起きることであり、とくに性暴力に限って騒ぐのはおかしいという、まあ呆れるほどありがちなタイプの反論があった。前エントリを読んでそういうレベルの文句を言う人に何を言っても無駄という気もするけれども、ちょっと整理をしてみたい。
以前、双風舎社長の谷川茂さんが「夕刊ガジェット通信」で週三回掲載している連載において、「性感染症『天国』の実態」という記事を公開したが、その内容が世の中に溢れているような同性愛者や両性愛者に対する偏見に無批判に加担するだけのものだと感じたので、批判する文を書いた。その後も谷川さんの記事を読んでいていろいろ疑問を感じるところもあったのだけれど、今週掲載された「性犯罪者が手を出しにくい女性になるために」という記事は、度を越してひどいというか、前に性感染症の話題に関連して同性愛者・両性愛者への偏見に加担したのとまったく同じかたちで、女性差別や性犯罪の被害者非難(暴力などの被害を受けた人に、その暴力に関する責任があるとする言説)に加担するものだと思う。
七月一日、米国系の化粧品店ザ・ボディショップと、子どもの権利を守る活動をしている民間団体が、文部科学省や国会議員などを訪れ、児童ポルノの個人所有を処罰することを含めた法改正を求める二十一万人分の署名を提出した。ところがそれが報道されたるとインターネットでは、ザ・ボディショップの店頭などにおいて署名に参加した人たちのあいだから、自分たちは「子どもの人身売買に対する法整備を求める」という声明に署名したのであって、児童ポルノ禁止法の改正を求める署名だったとは知らなかった、という声があがった。しかし、問題を「不誠実な署名集めの手法が用いられた」だけだと認識してしまうと、その背後にあるより大きな問題が覆い隠されてしまう。ここでは「人身売買」(ヒューマン・トラフィッキング)という言葉が広まった背景や、その社会的な影響を解説してみたい。
最近、反ポルノ・売買春運動をしている人や、そういった人たちに反発している人たちの発言がよく目に入ってくる。反ポルノ・売買春派のなかでもやっぱり一番充実しているのは、老舗の反ポルノ・反売買春団体「反ポルノ・買春問題研究会」のサイト。今回エントリを書こうと思ったのは、その「反ポルノ・買春問題研究会」の活動報告に掲載されたある記事を読んで、気になった点があったから。あ、いや、気になる点はほかにもたくさんあるんだけど、とくに気になったのが、反ポルノ・反売買春派のフェミニスト法学者として有名なキャサリン・マッキノンを「研究会」メンバーが訪れた、というこの記事。
ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジにかけられている性犯罪容疑について、過去二回の記事でも紹介しているように、ジャーナリストの上杉隆・小西克哉・高濱賛各氏、評論家の山形浩生氏ら、そうそうたる人たちが、あろうことか容疑の深刻さを矮小化するような「誤報」を繰り返している。わたしが書いた批判を読んだ読者のなかには、わたしの記事の趣旨を理解しなかったり、あれだけそれは誤報だと書いているのに間違った「事実」を提示してくる人もいた。そこで今回のエントリでは、わたしの記事に対する「よくある反応」や、それ以外にもよく聞かれる「性的暴行容疑への疑問・異論」に対して、まとめて応答してみたい。
ジュリアン・アサンジが英国で逮捕されて二ヶ月近くたった。既報のとおり、かれの逮捕容疑はウィキリークスの活動とは表向き関係なく、講演のため訪れたスウェーデンで複数の女性に性的暴行をはたらいたというものだ。ところがウィキリークスの活動を支持する一部の論者らは、アサンジを擁護しようとするあまり、かれにかけられた容疑の深刻さを誤魔化すような言論キャンペーンを展開してしまう。
シノドスに寄稿させていただいた「『テロ戦争』化しつつある、反『セックス・トラフィッキング=性的人身売買』運動」という記事において、米国の政治論議やメディアなどで広く流布しているある数値について書いた。それは「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」というものであり、同記事中で明快に指摘した通り、事実に反する。
ところがシノドスとの提携により記事の提供を受けたライブドアニュースは、この記事へのリンクに「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という扇動的な見出しを付け、逆にパニックを煽ってしまった。そしてさらに2ちゃんねるにおいてそのライブドアニュースの記事を紹介するスレッドが立てられた。そのスレッドのタイトルは、さらに扇動的なトーンを増した「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす……初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」というもの。結果として、まるでわたしが記事において「初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」と主張しているかのようになってしまった。
二〇一〇年秋頃より米国の軍事・外交文書をインターネットや既存メディアを通して大量に暴露し、世界中の話題をさらったウィキリークスの責任者、ジュリアン・アサンジの英国での逮捕劇については、確かな情報がごく限定的にしか伝えられていないにも関わらず、ウィキリークスやアサンジの行動を支持する側、またそれらを非難する側の双方の論者により、憶測やうわさ話をまじえて、さまざまな意見が交わされている。
この問題に関心を持つ多くの人が知るように、アサンジの逮捕用件は、実のところウィキリークスの活動とはまったく関連がない。英国滞在中のかれに対する逮捕状がスウェーデンで出され、国際刑事警察機構によって国際指名手配されたのち出頭・逮捕、そして保釈された容疑は、二人の女性に対するレイプ、性的暴行、不法な性行為の強要というものだ。