feminismArchive for the Category

「バックラッシュ!」(2006)収録『「ブレンダと呼ばれた少年」をめぐるバックラッシュ言説の迷走』全文公開

2015/04/17 金曜日 - 21:37:31 by admin

昨日に続いて、ハードドライブで眠っている古い原稿を公開します。以下に掲載するのは、双風舎から2006年に出版された「バックラッシュ!なぜジェンダーフリーは叩かれたのか」に収録された『「ブレンダと呼ばれた少年」をめぐるバッ […]

反ポルノ・売買春団体「エスケープ」十年前の方向転換と、暴力をふるう「反暴力」活動家たち

2011/07/10 日曜日 - 22:54:10 by admin

最近、反ポルノ・売買春運動をしている人や、そういった人たちに反発している人たちの発言がよく目に入ってくる。反ポルノ・売買春派のなかでもやっぱり一番充実しているのは、老舗の反ポルノ・反売買春団体「反ポルノ・買春問題研究会」のサイト。今回エントリを書こうと思ったのは、その「反ポルノ・買春問題研究会」の活動報告に掲載されたある記事を読んで、気になった点があったから。あ、いや、気になる点はほかにもたくさんあるんだけど、とくに気になったのが、反ポルノ・反売買春派のフェミニスト法学者として有名なキャサリン・マッキノンを「研究会」メンバーが訪れた、というこの記事。

ウィキリークスのジュリアン・アサンジ逮捕をめぐる流言、そして「強姦」と「『強姦』」のあいだ

2010/12/26 日曜日 - 21:30:34 by admin

二〇一〇年秋頃より米国の軍事・外交文書をインターネットや既存メディアを通して大量に暴露し、世界中の話題をさらったウィキリークスの責任者、ジュリアン・アサンジの英国での逮捕劇については、確かな情報がごく限定的にしか伝えられていないにも関わらず、ウィキリークスやアサンジの行動を支持する側、またそれらを非難する側の双方の論者により、憶測やうわさ話をまじえて、さまざまな意見が交わされている。
この問題に関心を持つ多くの人が知るように、アサンジの逮捕用件は、実のところウィキリークスの活動とはまったく関連がない。英国滞在中のかれに対する逮捕状がスウェーデンで出され、国際刑事警察機構によって国際指名手配されたのち出頭・逮捕、そして保釈された容疑は、二人の女性に対するレイプ、性的暴行、不法な性行為の強要というものだ。

労働争議でグダグダになってるWANを再生させる5つのアイディア

2010/03/03 水曜日 - 22:05:28 by admin

NPO法人WAN(ウィメンズ・アクション・ネットワーク)における<労働争議(労働者に対する労働条件の不利益変更の一方的通告からはじまり、それに労働者が組合を作って抵抗したところ、組合員二名に解雇勧奨通知)に関連して、普段あんまり署名活動とか参加しないわたしも労働争議を支援する署名の呼びかけ人にまでなってしまっているのはご存知の方も多いと思う。てか呼びかけ人なのにこれまで全然自分のブログで呼びかけてなかった、ごめんなさい。

「女性学部」の名称変更をめぐる論議、あるいは「ジェンダー」を掲げることの限界

2010/01/24 日曜日 - 21:02:10 by admin

米国ではここ5〜10年くらい前より、各地の大学で女性学の学部やプログラムの多くが女性とジェンダー学や単にジェンダー学のように名称変更されている。これは、もともと女性学としてはじまった研究領域の中から、ジェンダー理論やクィア理論を含め、「女性」というカテゴリを自明としない研究、「女性学」というフレームワークからはみ出るようなジェンダーとセクシュアリティの研究が行われるようになったことを主な理由とするが、むろんそれだけではない。「女性学」という名前はそもそも、それ以外のこれまでの学問すべてが、学問的客観性や政治的中立性を装いながら実は女性を制度的に排除したものであったことへの批判を込めた呼称であり、その存在を快く思っていない関係者も少なくない。

在特会と通じる性質を見せる「反在特会」の取り組みと、「上から目線のエセインテリ」

2009/12/22 火曜日 - 01:37:54 by admin

某秘密主義メーリングリスト(フェミニズムやジェンダー系の運動情報を共有するという目的で超有名な大学教授たちによって設置され、千人を超える参加者を集めているにも関わらず、その存在を明示的に言及することすら禁止されているという、おそろしいメーリングリスト)で議論となっているある問題について、大切なことだと思うのだけれど、時間がないからブログに書くのは厳しいかなぁ、と思っていたところ、思わぬところから突然メーリングの外で批判されたので、返答を兼ねて書く。ただでさえ少ないわたしの睡眠時間を削ることになるけれども。
議論の発端は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)という排外主義団体が朝鮮学校に押し掛け、「スパイの子どもたち」「朝鮮学校を日本から叩きだせ」と騒いだ問題に対して、在特会に反対すると称する人々が東京しごとセンターの施設を借りて開いた緊急報告会についての投稿。というか、秘密主義ではない別のメーリングリスト(CML)に投稿された記事の転送だったので、秘密主義MLではなく公開MLの記事をリンクすると、こちらの記事だ。また、事件の概要などは、同じくCMLにいくつか記事があるのでそちらも紹介しておく。

日本女性学会「『ジェンダーフリー』と『バックラッシュ』を再考する」での発言要旨その他

2009/07/01 水曜日 - 00:05:46 by admin

日曜に日本女性学会大会で行なわれたワークショップ「『ジェンダーフリー』と『バックラッシュ』を再考する」にコメンテータとしてネット経由で参加した。コーディネータは山口智美さん、斉藤正美さん、そして荻上チキさんという、わたしと一緒にシカゴのアジア学会で発表した面々で、コメンテータはわたしの他に伊田広行さん、金井淑子さん、細谷実さん、そして井上輝子さん。

北米社会哲学学会報告5/売買春、フェミニズム哲学、承認をめぐる闘争

2008/09/30 火曜日 - 20:33:45 by admin

だんだんネタの鮮度がさがってきた北米社会哲学学会報告、今回はともにキャサリン・マッキノンの思想とフェミニズム法哲学に関連した発表二件について。「Toward a Feminist Theory of the State」などの著作を読んでマッキノンの主張を理解している人は別として、彼女の主張を「反ポルノ、反売買春」の文脈だけで見聞きして、そのおかしな主張がどういう理屈で成り立っているのか不思議に思っている人には、簡単なマッキノン入門編になるかも。あと、フェミニズム法哲学の弱点を乗り越えるものとしてアクセル・ホネットの承認理論を元にした「承認の法哲学」なるものも登場する。

北米社会哲学学会報告3/フェミニズムによる中立国家リベラリズム批判

2008/09/05 金曜日 - 00:35:22 by admin

例によって病気になって数日寝込んでいたのと、ファイトバックの会の泥沼に足を踏み入れてしまったのと、地元ポートランドで怪しげな事態が進行中なのでそっちに関わっていたのと、まぁいろいろあってしばらく報告が中断されてしまったのだけれど、いい加減自分の記憶が怪しくなりつつあるので北米社会哲学学会レポートを再開する。今回は、フェミニズム哲学によるリベラリズム批判の発表について。

DVシェルター廃絶論−−ハウジング・ファーストからの挑戦

2008/08/30 土曜日 - 02:51:59 by admin

ドメスティック・バイオレンスを、私的な関係における私的なトラブルではなく、社会的な対策・介入を必要とする社会問題であることがはじめに主張されたのは、とくに英米両国における第二波フェミニズムの盛り上がりの中においてだった。当初は「バタード・ウーマン」(殴られた女性)という言葉で呼ばれていたそれが、広く社会問題として認知されるにつれ、より範囲の広い「ドメスティック・バイオレンス」(DV)という言葉が採用されるようになった。