ラスベガスとネバダ州の売買春についてメモ

2008年1月13日 - 3:47 PM by admin

前エントリ「レヴィット&ヴェンカテッシュの『街頭売春の経済学』報告」へのはてなブックマークにこんなコメントを見かけた。

2008年01月13日 nichijo_1 売買春 ネバダ州のラスベガスとかはどうなっているのだろう.

どうなっているのだろう、の対象が不明瞭なんだけど、エントリの主題は街頭売春についてだから「ネバダ州のラスベガスの街頭売春はどうなっているのだろう」という意味に解釈してみる。で、さらにこれも解釈になるんだけど、なぜネバダ州ラスベガスなのかという部分もよく分からない。まぁ一般のイメージとして、ネバダ州と言えば米国で唯一合法的な売春が認められている州だから、それに関連してのことだと想像してみることにする。間違っていたらごめん。 Read the rest of this entry »

レヴィット&ヴェンカテッシュの「街頭売春の経済学」報告

2008年1月12日 - 3:59 PM by admin

ヤバい経済学』でも紹介された研究においてシカゴの麻薬ギャングのビジネスモデルを分析した経済学者スティーブン・レヴィットとスディール・ヴェンカテッシュ(数日前に『Gang Leader for a Day: A Rogue Sociologist Takes to the Streets』が発売されたけれどまだ手元に届いていないので未読)のコンビが、こんどは先週開かれた Allied Social Science Associations コンファレンスでシカゴにおける街頭売春の分析を発表した様子。面白いのでちょっと紹介しておく。 Read the rest of this entry »

慰安婦「否定論」の信憑性を高めてしまうVAWW-NET Japan抗議声明

2008年1月3日 - 4:45 PM by admin

先月、米国に続いて欧州議会においても第二次世界大戦時における日本軍「慰安婦」問題に関する決議が出たが、それを受けての12月15日付けの読売新聞の社説「慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だ」(リンク先はウェブ魚拓)がけしからんとの抗議声明が VAWW-NET Japan(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)から回ってきた。っていきなり分かりにくい文ではじまってしまったけど、欧州議会が日本に抗議していて、その抗議に読売新聞が抗議して(というか懸念していて)、さらにそれに VAWW-NET Japan が抗議しているということ。で、「読売新聞の社説に抗議し、謝罪・訂正広告を掲載するよう強く求めます!」と書かれたその抗議声明を読んでみたのだけれど、なんだかなぁという感じ。 Read the rest of this entry »

反売買春系フェミニスト団体を見学して感心したこと

2007年12月18日 - 1:18 PM by admin

フェミニズムにおける激しい論争のひとつに、売買春に代表される性労働/性産業をどう評価するかというものがある。その大まかな分類は以前「売買春とフェミニズム理論4分類」で紹介したし、わたし個人の立ち位置は過去エントリ「『性労働者のためのクリニック』をめぐる論争」や『バックラッシュ!』キャンペーンブログ内エントリ「性労働者コンファレンス@ラスヴェガス報告」に詳しい。
反売買春をかかげる女性団体やフェミニスト団体ーー必ずしもすべての女性団体がフェミニスト団体ではないーーは昔からあったけれども、1980年代には法学者キャサリン・マッキノンらが中心となってポルノグラフィや性産業を厳しく規制する条例を作るなど法律を使った活動が活発になった。わたしの住むポートランドでも、性産業の撲滅を掲げるフェミニスト団体がいくつか設置された。そのうちの一つの活動を見に行く機会が最近あり、とても驚かされたので、紹介したい。 Read the rest of this entry »

トランスジェンダー追悼イベントの不愉快

2007年11月21日 - 8:52 PM by admin

11月20日、ポートランドステート大学においてヘイト・クライム(人種やセクシュアリティなど被害者の属する社会集団への憎悪によって動機づけられた犯罪)によって殺害されたトランスジェンダーの人たちを追悼するイベントに参加。このイベントは毎年各地で同じ日に行なわれている。実際、毎年恒例にしなければいけないほど、米国内だけでも月に1件に近いペースでこうした犯罪は報道されているーー報道されていないものも多数起きていると思われる。 Read the rest of this entry »

経済学本ブームを生んだ『ヤバい経済学』類書ガイド

2007年10月31日 - 6:38 PM by admin

数年前にレヴィット&ダブナー『ヤバい経済学』が出版されて以来、経済学界隈ではちょっとした類書出版ブームが起きている。それぞれ、日常のちょっとした疑問に応えてくれたり、一般常識を覆すような指摘があったりと、なかなか面白い。というわけで、今回のエントリはそれら類書や便乗書をまとめて紹介&比較。と言いつつ、実は「『ヤバい経済学』読んでも経済学の勉強にはなりません!」と訴えるエントリかもしれない。
比較のポイントとして、「経済学の基礎を理解できるかどうか」(Y軸)「主張や論法に意外性があるか」(X軸)という二つの軸を選んだ。これは、ここに挙げた五冊はどれも読み物として面白く書けている本なのだけれど、経済学の基礎をどれだけきちんと解説しているかという点でかなりのバラつきがあったのに加え、方向性として「日常のちょっとした疑問に応えてくれる」タイプと「一般常識を覆す」タイプの二つのパターンが見られたから。それらの軸を使い、わたしの主観による判断で分類したのが以下の図。 Read the rest of this entry »

チェス研究論文のデータの扱いについて/pompomさんへのお返事

2007年10月15日 - 10:46 PM by admin

昨年末に書いたエントリ「『日本将棋連盟から女流棋士会が独立』報道を巡って」のコメント欄に、将棋好きな物理屋さんを名乗る pompom さんのコメントをいただいた。古いエントリで誰も見ていなさそうだし、回答が長くなりそうなので、新しいエントリでお応えします。 Read the rest of this entry »

「直線的程度の差としてイメージされている」伊田広行氏の「中間派」解釈

2007年10月13日 - 2:48 PM by admin

山口知美さん(わざと誤記)が「『ようやく名指し批判が!』と思ったらぬか喜び」で伊田広行さんの論文における山口さんへの批判(のようなもの)にコメントしてるけど、それに関連して。といっても伊田さんの文章はダラダラと締まりがなく唐突に話題がズレるなど論文としての体を成していないし、ちょっと長過ぎて全体を批評していられないので、山口さんが参照している伊田氏による「性における多数派と少数派」についてだけコメント。 Read the rest of this entry »

市民運動の閉鎖性と公共性についてのメモ

2007年10月1日 - 9:49 AM by admin

ファイトバックの会問題のつづき、ただしメモ程度。これまでの経緯は Kodakana さんがまとめてくださっているのでそっち参照。
チキさんの新刊やサンスティーンの『Republic.com 2.0』についていろいろ考えていたわたしは、ブログから垣間見えるファイトバックの会の内部が「カルトのよう」になったことが集団分極化によって説明できると考え、そう書いた。続いて他の方が同会の閉鎖性を問題とされ、その一例として同会ブログにコメント欄がないことが挙げられた。 Read the rest of this entry »

実質マイナーアップデートだったサンスティーン『Republic.com 2.0』

2007年9月21日 - 3:45 AM by admin

先に別ブログで紹介したように、シカゴ大学の法学者キャス・サンスティーンが、2001 年に発表した代表作『Republic.com』(邦題『インターネットは民主主義の敵か』)をアップデートした、その名も『Republic.com 2.0』を出版した。実は前々回のエントリで集団分極化の話をしたのはこの本の話をする伏線というか、この本の話自体が来月発売の chiki さんの著書を応援するための伏線だったりするのだけれど、そういう大人の事情はさておき早速『Republic.com 2.0』を購入して読んでみた。というか『2.0』を注文してから届くまでの間に『1.0』の方を再読したうえで、『2.0』で新しくなった箇所だけさらっと読んだ。 Read the rest of this entry »