20年遅れで輸入された「チャレンジド」の問題——あるいは「ジェンダーフリー」の再来

2009年12月15日 - 10:49 PM by admin

あんまりブログ更新を休みすぎると、「ブロガー」というわたしが唯一持っている肩書すら無くしてしまうよ!と思ったので、久しぶりに更新。ていうか、わたしは日本の政治をそんなに真面目にフォローしていないのだけれど、鳩山首相が障害者差別禁止法の整備を訴えたというニュースにおいて、首相の「障害者という言葉よりもチャレンジドの方が望ましい」という発言が紹介されていたので、その件について。 Read the rest of this entry »

政権交代、米国オバマ大統領の場合 (αシノドス36号配信記事)

2009年10月9日 - 12:41 PM by admin

おともだちの荻上チキさんが編集しているメルマガ「α-Synodos」の36号(9月1日配信)に掲載された「『政権交代』は日本に何をもたらすのか!?−−『民主党圧勝/自民党惨敗』を分析する」という特集において、シノドス代表の芹沢一也さんから「アメリカ目線で何か書いて」というお題をいただいたので、寄稿させてもらいました。
とはいえ、アメリカ目線で言うなら「何それ、そんな外国の政権交代なんて興味ねーよ」で終わりになってしまうので、米国における共和党から民主党への政権交代について書くことで、日本の読者に「米国では政権が変わってこうなっているんだ」というのを説明しよう、と思い、「200字以上でアンケートにお応えください」という注文にその10倍くらいの文字数で書いてしまいました。あー雑誌じゃなくてメルマガで良かった。 Read the rest of this entry »

米国トンデモ保守ブロガーその2によるオレゴン公的保険制度へのバッシングについて

2009年8月4日 - 8:34 PM by admin

MikeRossTkyさんのブログは、苺畑カカシさんのブログと並んで「日本では滅多に聞けないような、米国のトンデモ保守の主張をそのまま日本語で読める」貴重な情報源だと思うのだけれど、昨日付けでオレゴンの健康保険制度についての記事があったのでこれだけ反応しておく。 Read the rest of this entry »

ポートランドの活動家、ボニー・ティンカーさんからわたしが学んだこと

2009年7月4日 - 8:39 PM by admin

わたしの尊敬する活動家の一人で、わたしと同じオレゴン州ポートランドに住んでいたボニー・ティンカーさんが、旅行先のヴァージニア州で交通事故にあい、61歳という年齢で亡くなった。彼女は西海岸で最も歴史の古いドメスティックバイオレンス(DV)シェルター、Bradley-Angle Houseの創設者であり、ゲイやレズビアンをはじめとする性的少数者の人たちが作る家族を支援する団体Love Makes A Familyの代表としても長年活動を続けてきた。また、社会的公正と非暴力主義を掲げるクエーカー教の信仰者として、ポートランドにおける平和運動や人権運動でも中心的な活躍をしてきた。追悼にかえて、わたしが彼女から学んだことをいくつか記録しておきたい。 Read the rest of this entry »

日本女性学会「『ジェンダーフリー』と『バックラッシュ』を再考する」での発言要旨その他

2009年7月1日 - 12:05 AM by admin

日曜に日本女性学会大会で行なわれたワークショップ「『ジェンダーフリー』と『バックラッシュ』を再考する」にコメンテータとしてネット経由で参加した。コーディネータは山口智美さん、斉藤正美さん、そして荻上チキさんという、わたしと一緒にシカゴのアジア学会で発表した面々で、コメンテータはわたしの他に伊田広行さん、金井淑子さん、細谷実さん、そして井上輝子さん。わたし的には、どうしてわたしがそっちのグループなのよ!という思いなのだけれど、まあジェンフリ問題について特に発表することもないし、コメンテータとして入れてもらっただけ良かったと言うべきか。ていうか、自分の名前が入った案内が出回るまで登場することすら知らなかったし。 Read the rest of this entry »

同性愛に比較的寛容な黒人社会が、選挙では同性愛者の権利に反対する理由

2009年6月18日 - 3:12 AM by admin

以前別ブログのエントリ「どうでもいい米国憲法学トリビア」で取り上げた、ワシントンDCにおける同性婚のステータスについて、ひきつづきいちかわゆうさんのエントリにコメントしてみる。
ここで問題となっているのは、DCで同性婚を認めるかどうかというのとは別の問題として、同性婚を実現させた他の州で結婚した同性カップルがワシントンDCに移住してきたとき(あるいはDC住民の同性カップルが他州で結婚した場合)、法律上既婚カップルとして認めるかどうかという話。もちろん、他の州で結婚した人が既婚者として認められるのであれば、DCで同性婚が実現されたのとほぼ同じと言っていい。 Read the rest of this entry »

警察がDV現場で加害者と被害者を区別することの困難/米国司法省報告メモ

2009年6月15日 - 11:06 AM by admin

米国司法省から「Making Arrests in Domestic Violence Cases: What Police Should Know」という報告書が公表された。ドメスティックバイオレンス(DV)における警察の逮捕の記録を分析したもので、著者はマサチューセッツ大学ローウェル校の犯罪学者。内容は、これまで多くの人が指摘してきたことが公式に確認された内容となった。 Read the rest of this entry »

クレタ島でのバケーションが超うらやましいカカシさんへ

2009年6月1日 - 6:56 PM by admin

エントリ「米国トンデモ保守の主張を日本語で読んで楽して痩せる」に対して、さっそくカカシさんから反論があった。わざわざクレタ島(クリートは英語読みで現地語ではクリティに近いらしいのだが、日本語ではクレタで定着しているのでそう表記する。現地語読みするのも日本語として定着した読みをするのも良いと思うけど、第三国の発音でカタカナ表記するのは変だと思う)でバケーション中にわたしの相手なんてしなくていいのになぁ。クレタ島で過ごせる貴重な時間がもったいないでしょ? わたしがもしクレタ島に滞在できたなら、絶対ブログでの議論なんてやらないな。まぁそれは人それぞれだけど。でもわたしは実際にはポートランドの自宅で暑い夏を過ごしているので、以下にぐだぐだ議論を続けてしまったりする。てゆーか健康保険改革や薬価規制についてちょっと経済学ネタも書いているので見て見て。 Read the rest of this entry »

同性婚論争を連邦裁判所に持ち込んだ弁護士の私利私欲

- 12:49 AM by admin

いろいろなところで既に話題になっているけれど、米国の法制度というか法文化がちょっと分かりにくいと思うので、同性婚禁止をめぐる先週のカリフォルニア最高裁の判決の周辺をちょっと解説。というのも、ゆうさん(id:calibaby)の「Prop 8の舞台は連邦裁判所へ」というのを読んで、これ違うんだけど、詳しく事情を知らなければこう受け取るのが普通だよなぁと思ったので。 Read the rest of this entry »

米国トンデモ保守の主張を日本語で読んで楽して痩せる

2009年5月31日 - 2:27 AM by admin

オバマ大統領が就任してしばらくたち、民主党議会やホワイトハウスにもそこそこ失策や慢心が目立つようになってきたけれど、その失策に乗じて反攻に出なければいけないはずの共和党が、最近かえって以前より劣化していて目も当てられない。たとえば、最近開かれた共和党全国委員会の会合では、民主党のことを「民主社会党」と呼ぶべきだという提案がなされ、いや民主党は社会主義というよりは国家社会主義(ファシズム)だとか共産主義だとかいうような、本物のネオナチや共産主義者が聞いたら怒り出しそうな意見まででてきたりしている。
民主党を別の呼び方で呼べば国民が民主党に嫌悪感を感じて共和党に寄ってくると考えたのであれば国民をバカにしているとしか思えないけれども、共和党内ではこのような極端かつくだらない印象操作や陰謀論に過ぎないようなものが、トークラジオやFOX News、そして一部の保守ブログなどの極右メディアを通して広まり、かえって中間層の支持を失っている。最近の世論調査を見ても、民主党やオバマ大統領の支持率はやや下降しているものの、共和党の支持率はそれよりはるかに低いところからまったく上昇していない。
とはいえ、米国のトークラジオやFOX Newsを視聴する機会のない人には、どれだけ無茶苦茶なことになっているのか分かりにくいと思う。その点、それらの論調と同じことを日本語のブログで発表している(信じ込んでしまっているのだけれど)苺畑カカシさんの存在はとっても貴重だと思うので、彼女のブログの最近のエントリを、解説付きで楽しく紹介したい。てゆーかもっとちゃんとしたエントリ書く余裕ないし。 Read the rest of this entry »