米国トンデモ保守ブロガーその2によるオレゴン公的保険制度へのバッシングについて

2009年8月4日 - 8:34 PM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

MikeRossTkyさんのブログは、苺畑カカシさんのブログと並んで「日本では滅多に聞けないような、米国のトンデモ保守の主張をそのまま日本語で読める」貴重な情報源だと思うのだけれど、昨日付けでオレゴンの健康保険制度についての記事があったのでこれだけ反応しておく。

アメリカは今、医療の国有化を検討している。オレゴン州ではすでに健康保険の国有化を行った。そして、政府が医者が立ち会う自殺も承認している。
下記のURLでのビデオの女性はオレゴン州からがん治療は許可しないが、自殺補助については援助を行えると言う内容の手紙を。
http://www.katu.com/news/26119539.html
政府が医療に直接携わるとこのような問題が。
リベラルの方々はこの様な判断を行う事をエリートの特権と。
エリートの方々には制限が無い事は共産主義の国々で立証されている。
オレゴン州 − がん治療は与えない、自殺補助は与える

わたしはオレゴン州の住民だけれど、MikeRossTkyさんはオレゴンの健康保険制度について何も分かっていない。というより、健康保険をめぐる議論についてまったく理解していない。かれがオバマや民主党の主張に反対するのは自由だけれども、相手の主張くらい理解したうえで反対してほしいものだ。
紹介されている記事の内容はというと、癌の治療のための薬を医者が患者に処方したところ、オレゴン州における公的保険制度「Oregon Health Plan」がその支払いを拒否したばかりか、医師による自殺幇助のためのお金なら出しますよ、という手紙が届き、患者が激怒しているという話。
オレゴンでは全国に先駆けて「尊厳死法」が住民投票によって成立しており、一定の条件のもとで「死の自己決定」が権利として認められており、医者が自殺するための薬を処方することが合法化されている。Oregon Health Planの事務局によれば、最新薬の支払いはできないけれども、末期の苦しみを緩和するための薬の代金なら支払いますよ、という中で、「尊厳死」というオプションにも触れていただけで、生きて高額の治療を受けるよりは死んでくれと言ったわけではない、とのこと。
もちろん、そう言ったつもりでないというのは事実その通りなのだろう。けれども、いったん「自殺幇助」が医療の一部として認められてしまえば、誰も「殺せ」「死ね」と意識しなくても、あたりまえの医療のプロセスとしてそういう方向の圧力がかかってしまうのは避けられない。「尊厳のある生」が保証されない時点で「尊厳死」という制度がどのような危険をもたらすかという点は、「死の自己決定」をめぐる議論の中でさんざん論じられてきた。
ところがMikeRossTkyさんがこの記事を紹介するのは、尊厳死や生命倫理についての議論をするためえはなく、ただ単に公的保険制度の悪口を言うためだったらしい。このあたりが、かれが「保守思想の概念を伝えたい」と言いながら、書いている内容に思想と呼ぶだけの深みに欠ける点なのだけれど、それをかれに求めるのは酷かもしれない。より問題なのは、どうして今回起きた問題が、公的健康保険に特有の問題だと言えるのか、かれが何の説明もしていないことだ。
Oregon Health Planというのは障害者や低所得者を対象とした公的健康保険制度だが、これらの層は同時に医療費が高くかかる層であり、当然のことながら予算が常に足りない状況。どれだけ足りていないかというと、2004年から2008年までの数年間ものあいだ、新規に加入を希望する人は(収入その他の要件を満たした上で)「くじ」のようなものに名前を登録して、当選しなければ加入できなかったほど(当時この話は、教育予算不足で公立学校の夏休みが1ヶ月延びた話とともに、オレゴン財政危機ネタとして全国的に嗤われた)。当選したのは希望者の1割にも満たず、それ以外は健康保険がないまま待ち続けなければならなかったくらいで、制度としてかなり問題があるのは確実。
ただ、そんなに問題が起きているのは、公的保険のせいではない。そもそもOregon Health Planが出来る前、民間の保険会社は比較的健康で医療費がそれほどかからない層だけに保険を売り込み、それ以外の人は保険に加入することができなかった。しかし保険のない人だって病気や怪我はするので、病状を悪化させたうえで救急医療室に駆け込んだりする。その結果、必要な医療を早い段階で受けていれば本来かからないはずだった多額の費用がかかることとなる。そうした費用を本人が支払えない以上、税金で補填するか、あるいは他の患者の医療費に上乗せするかという形で、最終的には社会全体で負担していた。また、早い段階で治療していれば安い医療費で完治して働き税金をおさめているはずの人が、長期入院して逆に福祉受給を受けた場合、州財政は二重で打撃を受けることになる。
このように、「健康保険に加入できない人」を放置することの社会的コストはあまりに大きい。オレゴン州がOregon Health Planを作ったのは、どうせ社会全体で貧困層の医療費を負担するのであれば、早い段階で医療を受けられるようにした方が、本人も健康に長生きできるし、社会全体にとっても安上がりだから、良いに決まっているという考え方。もちろんそれだけでは不十分だけどね。
Oregon Health Planが民間保険と比べて資金面で問題を抱えているのは、それが基本的に「民間保険から見放された人たち」を対象としたものだからだ。民間保険は利益になりそうな客だけを相手に商売をすることができるが、Oregon Health Planはそうではない。利益になりそうな層だけごっそりと民間企業に取られたあとの、どうやってもお金がかかるばかりの層だけ押し付けられる。限られた予算の中で出来る限り医療を行き渡らせるために、様々な方法で治療法の優先順位付けを行い、ある一定の基準より優先度が低い治療法や医薬については、支払いを拒まざるをえない。その結果、今回の件のようなことも起きる。
MikeRossTkyさんは、記事の女性が最新の薬を使えないのは公的保険だからだ、みたいに決めつけているけれど、そのことには全く根拠がない。仮にOregon Health Planが存在しなければ、彼女は薬を入手できないどころか、それを処方した医者にすら診てもらえなかった可能性が高いもの。また、仮に彼女が公的保険ではなく民間の健康保険に加入していたとして、公的保険が支払いを拒否するほど高価な薬を、民間保険なら支払ってくれると、どうして思えるのだろうか。そのあたりの論理をふっとばして、「ほらみろ、公的保険はこんなに問題がある」と提示されても、MikeRossTkyさんが健康保険問題について真面目に考えたことがあるとは思えない。
健康保険を完全に市場に任せるという選択肢は、現在の社会においてそもそも存在しない。重病や重症の患者が救急医療室に担ぎ込まれても支払い能力がなければ追い返す、病気や怪我や障害で仕事ができない人は見殺しにする、ということを当たり前にするような社会でない限り、かれらに対する医療のコストや、かれらが医療を受けないために発生するその他のコストは、何らかの形で社会で負担していることになる。もしそれが社会主義だというなら、当たり前の倫理感覚を持つ人間はみんな社会主義者だ。
どんな形であれ社会的にコストを負担することを受け入れるのであれば、あとはどのような形で負担するのが良いかという方法論の問題だ。もし全ての人に最低限の(救急)医療を受ける権利や最低限の生活をする権利を認めるのであれば、全ての人が健康保険に加入していることが望ましい。なぜなら、保険に加入していない人が病気になった場合、救急医療室で治療を受けるなり、治療を受けずに病気を悪化させるなりしたとき、社会にかかるコストがあまりに膨大だから。ではコストを抑えつつ、全ての人が健康保険に加入できるためにはどのような制度にすべきか−−と、ここから先の話が、現在の健康保険をめぐる議論に繋がるのだけれど、その詳しい話は今回はしない。それより先に原稿書けよ、というチキさんの顔が浮かんだから。
とにかく、オバマは社会主義だ!だとか、公的保険はこんなに怖い!とかいう、昔のサヨクがやってたみたいな扇動的な宣伝をやることがMikeRossTkyさんの「保守思想」だというのは、かなりがっかりな話。Oregon Health Planに問題はあるけれども、それは公的保険だから悪いんじゃなくて、民間企業による公の簒奪を許容した現行制度の問題がしわ寄せされているだけだもの。もし健康保険制度改革について何か本当に主張したいことがあるなら、もっとちゃんとしたこと書いてね。

14 Responses - “米国トンデモ保守ブロガーその2によるオレゴン公的保険制度へのバッシングについて”

  1. MikeRossTky Says:

    <<昔のサヨクがやってたみたいな扇動的な宣伝をやることがMikeRossTkyさんの「保守思想」だというのは、かなりがっかりな話。
    リベラルの方々は他人をこけにしないとお話ができないようですね。他のリベラルの方には”Racist”だとか言われた事も。でもこれがリベラルの方々のやり方ですから。それにとらわれない形で・・・
    <<紹介されている記事の内容はというと、癌の治療のための薬を医者が患者に処方したところ、オレゴン州における公的保険制度「Oregon Health Plan」がその支払いを拒否したばかりか、医師による自殺幇助のためのお金なら出しますよ、という手紙が届き、患者が激怒しているという話。
    記事はそれだけでしたか?
    The Oregon Health Plan simply hasn’t kept up with dramatic changes in chemotherapy, said Dr. David Fryefield of the Willamette Valley Cancer Center.
    Even for those with advanced cancer, new chemotherapy drugs can extend life.
    Yet the Oregon Health Plan only offers coverage for chemo that cures cancer – not if it can prolong a patient’s life.
    “We are looking at today’s … 2008 treatment, but we’re using 1993 standards,” Fryefield said. “When the Oregon Health Plan was created, it was 15 years ago, and there were not all the chemotherapy drugs that there are today.”
    1993の医療の標準で2009年の医療を評価。これって政府レベルやり方ならOKかもね。そして:
    Patients like Wagner can appeal a decision if they are denied coverage. Wagner appealed twice but lost both times.
    すでに二回再審理を要請した。その上でいただいた手紙。(ちなみにオバマ政権が押す法案では再審理については一言も書かれていない。)
    そして、政府の役人は:
    “If we invest thousands and thousands of dollars in one person’s days to weeks, we are taking away those dollars from someone,” Saha said.
    1993年の基準で判断された上に、ゼロサムの世界で動いていると明記。
    But the medical director at the cancer center where Wagner gets her care said some people may have incredible responses to treatment.
    医者は2009年の基準で対応が考えられれば、治療を行えるはずだと。
    これが記事の趣旨ですよね。
    <<オレゴンでは全国に先駆けて「尊厳死法」が住民投票によって成立しており、一定の条件のもとで「死の自己決定」が権利として認められており、医者が自殺するための薬を処方することが合法化されている。
    この記事に出ている方は死の自己決定をまだ必要としていない人です。生きたいと制度に対して訴えている人です。オレゴン州の「尊厳死法」が成立されたとき、色々課題があると。すでに、医者は尊厳死を行っていた。その医者を司法から守る、そして患者にその選択肢を与えるのが賛成論の一番強い議論だった。反対論の一つは病院、遺族などにとって”都合が悪い”患者にこの選択肢が強制される環境ができるのではだ。
    役人は反対論を語っている。この人の命にお金をかければ他の人が必要とする治療に対してお金が足らなくなると。
    役人はこの人に最終的な”治療拒否”を通告する手紙にわざわざ「尊厳死」に使うお金なら出しますよと書いている。
    医者と患者が決めるはずの「尊厳死」の決断に役人が土足で入ってきたのでは?
    (ちなみにオバマ政権が押す法案内では全く同じような形で役人が決めた法則に基づいて「尊厳死」の適用を医者ではなく、役人が勧告すると書かれている。法案を読んでませんよね?)
    <<全ての人が健康保険に加入していることが望ましい。
    問題はすべての人が同じ保険に加入しないといけない事に問題がある。
    保険=リスクへの対応だ。 若くてお金の少ない人は最初の10万円までの医療は自腹で払える保険に入れば、コストダウンができる。骨を折る、若くて難病にかかるなどレアケースに対しての保険を購入する事が出来れば、リスクに見合った費用を払い、保険に加入することができる。
    家族ができ、子供をカバーする必要があれば、そのリスクに応じた保険に入れば良い。生命保険の場合は加入が早ければ早いほど月額費用は下がるかも知れないが、健康保険はリスクに応じてコストは上がる。保険の性質が違うからだ。
    そして、”保険”の定義も間違っていると思う。自動車保険では事故をカバーする。車のメンテナンスは保険でカバーしない。リベラルの方々はすべての”医療”を保険でカバーするプランにしか合意しない。結果として保険のコストが高くなる。それどころか、不妊治療とかハリとか漢方薬など、なんでもカバーする保険では無いと保険会社に保険を販売させないのもリベラルのやり方。結果として保険のコストは高くなり、コストコントロールもできない事になる。
    アメリカの医療コストのコントロールができない理由の一つが政府だ。結果として保険のコストが上がり、若い人は保険に加入しない。
    貧困層向けの保険は?すでにMediCaid,Medicareでカバーされている。緊急医療室に貧しい人たちは行く必要はない。彼らが医療コストを膨らませているわけではない。
    簡単な問題を指摘した記事を紹介したら、リベラルの方に馬鹿にされた。そんな感じですね。きちんと記事を紹介してからこけにされるのなら良いのですが・・・ 
    MikeRossTky

  2. macska Says:

    ああ、やっぱり呼び出してしまったか。

    1993の医療の標準で2009年の医療を評価。これって政府レベルやり方ならOKかもね。

    その医者の発言はいわゆるレトリックというもので、実際には1993年の標準が今も残っているわけではないですよ。Oregon Health Planの基準は、頻繁に改訂されています。民間の保険会社だって、画期的な新薬に支払いをしなかったりすることがあるのは同じですよ。

    医者と患者が決めるはずの「尊厳死」の決断に役人が土足で入ってきたのでは?

    だから、そのような形になってしまうのは尊厳死法を導入すれば必然おこる事であり、尊厳死法の問題点である、とわたしも言っているんですよ。

    (ちなみにオバマ政権が押す法案内では全く同じような形で役人が決めた法則に基づいて「尊厳死」の適用を医者ではなく、役人が勧告すると書かれている。法案を読んでませんよね?)

    ウソつき! よくもこうウソだらけのデタラメを書けますね。恥知らずが。
    ウソその1。オバマ政権は、特定の法案を推進していません。健康保険改革が実現すべきいくつかの要件を示したうえで、具体的な仕組みについては議会にまかせるという態度を取っています。実際のところ、上院と下院でそれぞれ違った内容の法案が通過して、それからその調整に大統領が出てくるというシナリオになるでしょう。まあこの程度のウソはまだいい方です。
    ウソその2。議会民主党が推進している法案では「尊厳死を役人が勧告する」とあなたは書いていますが、これはラッシュ・リンボーをはじめとするトンデモ右翼によるまったくの言いがかりです。この主張についてのきちんとした報道は、こちらにあります: PolitiFact.com
    実際に法案に何が書かれているかというと、高齢者は五年に一度、末期医療についてカウンセリングを受け、意識不明に陥った時にどのように扱って欲しいかの意思表明をするための補助を受けることができる(そのための費用を公的保険が負担する)、ということです。リンボーその他は「高齢者を殺すための条項だ」と批判していますが、この条項は実際にはAARP(高齢者の権利と利益を守るために活動している、かなり強力なロビー団体)が率先して民主党に要求して法案に取り入れられたものです。
    カウンセリングを受ける機会がない場合、自分の意志を表明しないまま意識不明に陥ってしまい、家族が決断を迫られることがありますが、それは本人にとっても家族にとっても不幸です。また、家族と仲が良くなかったり、経済的な負担になるからと「尊厳死」を押し付けられたりする不安もあるでしょう。そうした状況から、高齢者の権利を守るためにこの条項は存在しているのであり、だからこそ高齢者の権利を擁護する団体がこの条項を支持しているのです。
    それなのに、あなたは事実をまったく無視しています。ウソその2を詳しくみていくと、次のようにいくつものウソが積み重なっていることが分かります:
    ウソ2−1:尊厳死という言葉の意味がオレゴン州の「尊厳死法」と連邦法ではまったく違うのに、それを区別せず同じものであるかのように扱っている。オレゴン州の「尊厳死法」は、薬を使った自殺に医者が直接加担するという active euthanasia ですが、連邦法では active euthanasia はまったく議論されておらず、ここで取り上げられているのは「延命治療を断念し、死ぬ際苦しまないようにする」という passive euthanasia です。
    ウソ2−2:医者ではなく役人がと書いていますが、役人ではなく専門に訓練された医療従事者です。
    ウソ2−3:尊厳死を「勧告する」と書いているのが、まるっきりのウソです。そもそも、この条項は本人がカウンセリングを希望したときに「公的保険が費用を負担する」と定めたものであり、患者の側に何の義務も責任も生じません。
    ウソ2−4:「法案を読んでませんよね?」と書いている当人が、絶対に法案を読んでいるとは思えない件。
    もしわたしに何か反論する場合は、この点について「わたしの間違いでした」と最初に書いてからにしてください。そうしない場合、次に書いた内容が仮に妥当なものであったとしても削除します。

    保険=リスクへの対応だ。

    はい、基本的に保険はそういうものだと思います。しかし健康保険に限っては、一般の保険と同等に扱うことはできません。なぜなら、経済的な理由により保険に加入できない人がいた場合、救急医療室における治療のコストや、かれらが治療を受けないために生じる社会的なコストが、社会全体で無視できないほと膨らむからです。
    自動車保険なら、保険料を支払えない人は運転しなければいいんです。実際に、基本的な保険なしで運転することは犯罪になります。しかし、健康保険に加入しない人はどうすればいいんでしょうか。車なら運転しなければ自動車事故を起こすことはないですが、生きていればいつかは病気になったり怪我をしたりして、医療が必要になります。
    もし仮に健康保険を自動車保険と同じように扱えというなら、健康保険のない奴は生きるな、自分で払えないような医療費が生じる前に死ね、ということになってしまいます。

    リベラルの方々はすべての”医療”を保険でカバーするプランにしか合意しない。

    よくそんなにウソつきまくって恥ずかしくないですね。保守思想ってのは、そんなにウソをつきまくっても良いという思想なんですか。

    貧困層向けの保険は?すでにMediCaid,Medicareでカバーされている。緊急医療室に貧しい人たちは行く必要はない。彼らが医療コストを膨らませているわけではない。

    あの、Oregon Health Planというのは、そのMedicaidの一種なんですが… Medicaid加入の要件がいろいろ厳しい(収入が低いだけでなく、子どもや障害者など)のを緩和して、より多くの人が医療を受けられるようにしたものです。あなたはOHPをあれだけ否定しておいて、Medicaidはいいんですか? OHPはMedicaidとほぼ同じで、違いは「MedicaidよりOHPの方が複雑な要件に縛られずにより多くの貧しい人が加入できる」(その分、救急医療室に行く必要性が減る)というだけ。
    もしあなたがMedicaidを支持するなら、だったらあのOHP叩きは何だったの?ということになるよ。いっそのこと、貧困層に限らず希望者は誰でもMedicaid(あるいはMedicare)に加入できるようにした方がいいんじゃないの? そして、希望すればMedicaid/Medicareではなく、民間の保険に加入するのもOKということにすれば?…って、これほぼ民主党案の内容と同じなんだけど、もしあなたがMedicaid/Medicareを肯定するのであれば、それにどうして反対するのかまーったく意味不明です。

  3. macska Says:

    しかしまぁ、このMikeRossTkyという人は限りなく恥知らずだなぁ。
    かれのブログの新しいエントリでは、健康保険改革を支持しているAARPが開いた集会で、異論が排除されている、という内容のビデオを紹介しているのだけれど、その集会のことを「リベラル」集会と決めつけたり、「オバマ氏が行なった」集会であり、「民主党が選んだ人だけが」発言を許された、と書いている。
    でもAARPというのは高齢者を代表する利益団体であって、特にリベラルなわけではない。オバマ大統領が開催したわけでもなければ、民主党が人選をしたということもあり得ない。このビデオの言い分が正しかったとしても、それはAARPが異論を排除しているというだけの話であって、民主党やオバマに責任をなすりつけるのは不誠実もはなただしい。
    もっとも、AARPは高齢者の代弁者だから、高齢者のための医療や福祉といった問題ではいわゆる「リベラルな」政策を支持しがち。けれど、それ以外の問題で特にリベラルな主張をすることはないし、AARP自体は特定の政党や候補を支援せず、全ての政治家に対して高齢者の利益を擁護するように働きかけている。
    それにしても、MikeRossTkyさんという人が、こういうウソをわざと言っているのか、それとも本当に自分の気に入らないものは何でも全部民主党とオバマの責任と思い込んでしまっているのか、判断が付かない。もし意図的なウソではないというなら、せめて指摘を受けた時くらいは「間違いました、ごめんなさい」と表明してくれればいいんだけどな。

  4. goldbug Says:

    ペイリンさんが「死の委員会(death panel)」という言葉を生み出しましたね。オバマケアが実現すれば、彼女の年取った両親や、ダウン症の息子さんはその委員会の前に引き出され、オバマの官僚達が彼等の「社会的な生産性のレベル」を主観的に判断し、医療を受ける資格があるかどうか判断するそうです。ナチスがユダヤ人を強制労働に回すか、ガス室に送るか選別したことを思い起こさせますね。
    それにしてもこの death panel というのは、オバマの Yes we can に匹敵するくらいキャッチーなフレーズだと思いますね。無表情で同じ顔をした委員たちの前にお年寄りや体の不自由な人達が連れてこられて、官僚が親指を上に向けるか下に向けるかで、その人の生き死にが決まってしまう。これは人々を怖がらせ、オバマケアを攻撃するのに、もってこいの図柄だと思います。
    各地で開かれているタウンミーティングが荒れまくってるみたいですね。8月の休会前に法案を通したいとオバマがあせったのは、やはりこれを予期していたんでしょうね。夏休み明けに法案通過の票がまだ残っているかどうか、興味深く見ています。共和党のどなたかが、これはオバマのワーテルローだと言ったそうですが、オバマはもしこの戦いの敗れたら、セントヘレナ島にでも、長期休暇に出たほうが良いかもしれませんね。ペイリンさんにならって、任期終了一年半前には、レームダックになるのを避けるために、大統領を辞任するのも潔くて良いかもしれません。

  5. (削除) Says:

    *** 上のコメントでお願いした約束事を無視していたので、このコメントは削除しました。 ***
    念のため言っておきますが、わたしは、異論を排除したいわけではありません。むしろ逆に、意見の異なる相手と議論をしたいと思っています。
    しかし、明白に事実に反することを書いておきながら、その間違いを指摘されてもまともな対応(間違った部分を撤回する、あるいは間違いではないと反論する、など)を取らずに話題を逸らしていくのであれば、あなたは議論の相手とはなりそうにありません。異論は大歓迎ですが、わたしのブログのコメント欄を利用してウソを一方的に垂れ流すのはやめてください。

  6. goldbug Says:

    削除とは穏やかじゃありませんね。
    まるで医療改革のリベラルと保守の対立の深さを鏡に映したみたいですね。読んでいれば、どっちが説得力があるか、自ずと明らかですよ。削除などという手段は、タウンホールミーティングで暴力(に近いもの)に訴えるのと、何も変わらないと思いますよ。言葉の力で勝ってください。

  7. macska Says:

    削除とは穏やかじゃありませんね。

    穏やかじゃないと言いますが、最初から「この点についてウソを認めて撤回しなければ(あるいはウソではないと反論するのでもいいんですが)削除する」と言っているじゃないですか。

    まるで医療改革のリベラルと保守の対立の深さを鏡に映したみたいですね。

    それはまったく関係ありません。保守にも尊敬できる相手はいるし、リベラルにだってウソつきはいます。わたしは前者となら議論をしたいし、後者に対してはきちんと批判をします。
    問題は、MikeRossTkyさんが、明白なウソを平気で垂れ流した挙げ句、そのことを指摘しても何ら撤回もせず、反論もしない(できるわけがないですね)ことです。かれが保守の立場から医療改革に反対するのであれば是非議論したいですが、単なる「病的なウソつき」のウソを垂れ流す場を提供するつもりはありません。保守でもリベラルでもそれは同じです。

    読んでいれば、どっちが説得力があるか、自ずと明らかですよ。

    読んでいれば、MikeRossTkyさんが思想の是非とは無関係に、「まともに政治的な議論を行なう能力も意志もないヒト」であることは自ずと明らかでしょう。

    言葉の力で勝ってください。

    コメントを削除することを「暴力に近いもの」とあなたは表現しましたが、わたしの考えでは「何のためらいもなくウソを垂れ流し、その発言に対する批判に応答しないこと」こそが、「暴力に近いもの」なのです。なぜならそれは、暴力と同じように、議論を破壊するからです。
    わたしは、そうした「暴力に近いもの」を止めるために、仕方がなく別の「暴力に近いもの」=削除を持ち出しました。そのために、事前に「こういう事が続くなら削除する、こうすれば削除しない」と表明していますし、今後もしMikeRossTkyさんがまともに議論する意志を見せるならば議論に応じるつもりでいます。
    MikeRossTkyさんのウソの垂れ流しを放置することは、議論ではありません。議論が通用しない、暴力の横行を放置することと同じです。それに対してわたしは、議論を成り立たせるために必要最小限かつ限定的な力の行使をしています。
    そもそも、この件では言葉の力でとっくに勝ってるでしょ。役人が老人を殺すための仕組みが法案にあるというかれの主張は、常識的に考えてあるわけがないですし、高齢者の権利を擁護する団体がそんな条項をわざわざ要求する訳がありません。普通ならそこでかれが「この点については自分が間違っていた」と言うなり、わたしの指摘した事実のどこかが間違っていると反論するなり、どちらかの対応をするべきです。
    それができないなら、せめて恥じ入って議論から退場するべきで、かれに延々と発言の責任も取らずにウソをつきまくる機会を与えよ、というのはおかしくないでしょうか。かれが別に発言する場を持たないわけでもないですしね。

  8. macska Says:

    MikeRossTkyさんが「オバマ政権が押す法案内では全く同じような形で役人が決めた法則に基づいて『尊厳死』の適用を医者ではなく、役人が勧告すると書かれている」と、まったくのウソ・デタラメを書き込んだ件について、当人から釈明がありました。内容はさておき、MikeRossTkyさん、批判への応答をしてくださって、ありがとうございます
    そのうえで内容なんですが、結論から言うとウソの上塗りにしかなっていません。以下に釈明の全文を引用します。

    <<ウソその2。議会民主党が推進している法案では「尊厳死を役人が勧告する」とあなたは書いていますが、これはラッシュ・リンボーをはじめとするトンデモ右翼によるまったくの言いがかりです。この主張についてのきちんとした報道は、こちらにあります
    ではワシントンポストのCharles Laneもその一人ですか?http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/08/07/AR2009080703043.html
    Ideally, the delicate decisions about how to manage life’s end would be made in a setting that is neutral in both appearance and fact. Yes, it’s good to have a doctor’s perspective. But Section 1233 goes beyond facilitating doctor input to preferring it. Indeed, the measure would have an interested party — the government — recruit doctors to sell the elderly on living wills, hospice care and their associated providers, professions and organizations. You don’t have to be a right-wing wacko to question that approach.
    ワシントンポストも同じように役人がなぜ、このような場に立ち入る必要があるのかを疑問視している。
    あなたは他人の言葉を”嘘”呼ばわりしている。このコメントもその嘘呼ばわりを否定するから削除されるのかな?

    Charles Laneはワシントンポストの編集委員であり、もしかれが「オバマ政権が押す法案内では全く同じような形で役人が決めた法則に基づいて『尊厳死』の適用を医者ではなく、役人が勧告すると書かれている」と言っているのであれば、それはわたしの主張に対する有効な反証となるでしょう。しかし、Laneはそんなことは全く書いていません。すなわち、
    ・Laneは、法案に取り上げられているものがオレゴンの「医師による自殺幇助」と同じとは書いていない。
    ・Laneは、その法案を「オバマ政権が推している」とは書いていない。
    ・Laneは、役人が法則を決めるとは書かれていない。
    ・Laneは、尊厳死の適応を誰か第三者が勧告すると書いていない。
    つまり、MikeRossTkyさんは、自分が言っていることはリンボーなどトンデモ右翼だけでなくワシントンポストの編集委員も言っている、という反証例としてこの記事を引用したのですが、実際のところ、ワシントンポストの編集委員が言っていることは、MikeRossTkyさんのウソ・デタラメとは全然違うことです。
    実際にLaneが何と書いているか、よく読みましょう。

    On the far right, this is being portrayed as a plan to force everyone over 65 to sign his or her own death warrant. That’s rubbish. Federal law already bars Medicare from paying for services “the purpose of which is to cause, or assist in causing,” suicide, euthanasia or mercy killing. Nothing in Section 1233 would change that.
    極右勢力のあいだでは、この条項が65歳以上の人々全員に死刑宣告をするようなものだと宣伝されている。これはまったくデタラメだ。連邦法ではすでにMedicare(公的保険)の資金による自殺幇助を禁止する規則があり、この条項でもそれはまったく変わらない。

    Laneも同じ条項について批判しているけれども、それは、事実に即した、もっとまともな批判。それはたとえば、アドバンス・ディレクティブ(事前指示)を作成するかどうかは本人の意志に任されるというけれども、医者の側から「作りますか」と呼びかけるのはやんわりとした押し付けになりはしないか、そういうのができるという情報だけ配布して、本人が作りたいと言い出した時だけ支援すればいいのではないか、というもの。
    わたしはこの点についてそれほど新たな問題があるとは思わないけれども、懸念としては理解できる。たとえば、わたしの知り合いの人で首以下全身マヒの障害がある人が、軽い感染症で入院したのだけれども、たった数日間の入院生活のあいだに何人もの医者や看護士らに繰り返し「もし意識不明になって回復の見込みが薄いとされた場合、治療継続を希望しますか?」と聞かれた。彼女はその度に「いや絶対生きたい、殺すな」と応えたそうなのだけれど、あなたみたいに重い障害のある人はどうせ生きていてもロクなことないんだから無理して生きることはないんじゃないのか、というメッセージを言外に感じて非常に不快だったという。
    そういう事から考えると、医師が善かれと思ってアドバンス・ディレクティブを作成するかどうか聞いているのだとしても、特に病状の重い人や障害のある人などは、医者に会うたびに何度も何度も聞かれて不快に感じたり、精神的に追い込まれて不本意ながら作成させられたりすることもあるかもしれない。にもかかわらずわたしが「それほど新たな問題があるとは思わない」のは、そういう問題は既にいまあるし、法案が成立してもそれほど変わるとは思えない、という意味なのだけれど、Laneの批判はそのような問題を指摘していて、とても有意義だと思う。
    同じ条項を批判するにしても、事実に基づいて(賛否はともかく)考えるに足る批判を寄せるLaneと、何を言ってもウソばかりしか出て来ないMikeRossTkyさんとは、ものすごーーーく差があるってこと。
    今後も、MikeRossTkyさんがウソを撤回するか、ウソではないというちゃんとした釈明をするまで、MikeRossTkyさんの発言は(仮にその発言自体がまともであったとしても)削除します。

  9. goldbug Says:

    尊厳死の話に加えて、不法移民に無料の医療を提供するとか、妊娠中絶の費用を出すとか、いろいろな噂が広がっているようですね。ほとんど嘘だろうが、でまかせだろうが、でかい声を出した方が勝つみたいな話になってきましたね。
    しかし実際はそれほど単純でもなさそうですね。議会予算局はオバマケアが実現しても、コスト削減には全くならないと調査結果を発表しましたよね。そもそも爆発的に増える医療費の伸びを抑えることが大きな目標でしたよね。それができないとなれば、一体何のための医療改革だという話にならないのでしょうか?今現在医療保険に加入している人たちにとって、オバマケアは何をもたらすんですか?この人たちは今の医療保険にほとんどが満足してますよね。そしてオバマケアはコスト削減にならないことが明らかにされたわけです。オバマケアは今保険に入れない人たちを保険に入れるということですが、もちろんその人たちにとっては間違いなく恩恵があると思います。しかしその他の大多数の人たちにとっては、医療のコストは下がらない、つまり自分が払う保険料が下がるわけじゃない、そして今現在保険未加入の人たちを保険に加入させるため、税金が増えるわけですね。ガイトナー長官が医療改革のコストを賄うために、中流層の増税が必要だと言いました。つまり自分の医療環境は何の変化もない、医療費が下がるわけでもないのに、保険に入れない人のために税金を取られるわけです。
    このようなことに国民の賛成を得ようというのがそもそも無理じゃないかと思います。確かにたくさんの人が医療保険に入れず、ほとんど人道問題と言ってもいいほど悲惨な目にあっているという話は聞きます。国民をそんな目に合わせているのは、文明国として恥ずかしいことであるのもその通りでしょう。しかしそれを改善することが必要だとしても、今現在自分の稼ぎの中から保険料を払うことが出来ている人たちに、そうではない人たちの保険料を払わせるのは、富の再配分、社会主義に他ならないでしょう。彼等に対し、辛い目にあっている人たちのために犠牲を払って欲しいとお願いしても、そうおいそれと賛同は得られないでしょう。みんな必死で生活しているわけですから。政権は民間の保険に入っている多数派の国民にとって、改革がいかに得になるかという説明が出来ていないと思いますね。CBOの話を聞くなら、彼等に得は無いわけですから。

  10. macska Says:

    goldbugさん:

    今現在医療保険に加入している人たちにとって、オバマケアは何をもたらすんですか?

    医療保険が仕事に付随しているために、仕事を辞めたら(あるいは失業したら)医療まで失うという問題があります。そのため不本意な仕事でも無理矢理続けなければいけないし、起業したくてもできません。また雇用者の側にとっても社員の医療保険のコストが負担になり、また保険を提供できないような中小企業は有能な人材を確保できません。転職したら一時的に保険を受けられなくなったり、一部の医療が適用外になる恐れがあるということは、労働力市場を硬直化させ、非効率のもととなります。
    …とまあ、いくつか「今現在医療保険に加入している人たちにとって」の直接の利益を挙げましたが、実際のところ「今現在保険に加入している人たち」にだって家族や親戚や親しい友人に「加入していない人たち」がいるわけで、他人のことは全く無関心というわけではないでしょう。

    かしその他の大多数の人たちにとっては、医療のコストは下がらない、つまり自分が払う保険料が下がるわけじゃない、そして今現在保険未加入の人たちを保険に加入させるため、税金が増えるわけですね。ガイトナー長官が医療改革のコストを賄うために、中流層の増税が必要だと言いました。つまり自分の医療環境は何の変化もない、医療費が下がるわけでもないのに、保険に入れない人のために税金を取られるわけです。

    自分が今払っている保険料が今すぐ減るという話ではないですが、上に書いたように利点はあるので「自分の医療環境は何の変化もない」というのは間違いです。とくに起業を考えている人や、さまざまな理由で転職しなければいけない人にとっては、かなり大きな変化になるでしょう。また、今現在保険に加入している人は、保険料への税控除をはじめ、既に自分の医療費の大きな部分が税金によって提供されていることを忘れてはいけないと思います。「なんで保険に入れない人のために税金を払わなくちゃいけないんだ」という質問に対する答えは、「あなたの保険にも、あなたが必要とする政府のさまざまなサービスにも、税金が使われているから」です。

    このようなことに国民の賛成を得ようというのがそもそも無理じゃないかと思います。

    もしそうであるなら、なんで反対派があれだけウソ・デタラメを宣伝しているんですか? 事実だけをもとに議論すれば分が悪いからでしょう。わたし自身、かなり強硬な反対意見を言う人と議論したこともありますが、事実を一つ一つ説明していくと最終的には「なんだ、そういう改革なのであれば、改革に反対ではない」というところに行き着きます。

    しかしそれを改善することが必要だとしても、今現在自分の稼ぎの中から保険料を払うことが出来ている人たちに、そうではない人たちの保険料を払わせるのは、富の再配分、社会主義に他ならないでしょう。

    そんな単純な話ではないんですが。そもそも、保険に加入していない人だって税金は払っていますし、その税金の一部は保険に加入している人たちに分配されているんですよ。貧しい人からお金を取って中流層に配るのは良いけれど、その逆は許さないという論理が、わたしには理解できません。

  11. goldbug Says:

    macska さん
    みんなにメリットがあることは理解しました。しかしそれでもそれにどれだけの説得力があるのだろうと思ってしまいます。これで膨大なコストがかからず、将来の借金にもならない、自分の税金が上がるのでなければ、賛成する人がたくさんいるかもしれません。しかし多額のコストと増税、そして医療改革のメリットを秤にかけたときに、果たして十分な国民の支持が得られるかどうかだと思います。
    アメリカ人は税金が大嫌いですよね。もちろん世界中税金が好きな人はいないでしょうが、アメリカの場合は政府が嫌いという考え方に結びついていますねよ。政府はろくなことをしない、非効率で、自分達の生活には出来るだけ口を出して欲しくないという考えが、国民の間に深く浸透していると思います。クリントン大統領ですら、大きな政府の時代は終わったと言ってましたよね。ですから何よりも、大きな政府に対する抵抗感が、改革のメリットを上回ってしまうのではないかと思います。
    医療改革に対する支持率がじりじりと下がっているのは否定しようのない事実で、その原因はやはりこの辺りにあるんじゃないでしょうか。最初の頃はきっと何らかの法案が通るんだろうなと思っていましたが、最近の様子を見ていると、ひょっとしたらまたまた失敗する可能性もありそうだなと思っています。
    そして推進派にとっては反対派のうそやでまかせも大きな敵でしょう。今日のニュースでも安楽死の問題が大々的に取り上げられていましたね。もちろんどのニュースでも、こんなことは法案には書いていないと言うのですが、この状況は、反対派の嘘を否定するために時間がとられ、肝心のメリットを国民に売り込む方にエネルギーを割けない状態だと思います。これではなかなか国民の支持を取り付けるのは大変でしょう。しかもこういう嘘はいくら否定しても、相手は嘘をつき続けるのはやめないですしね。あとペイリンさんの death panel、誰かこれをテーマにビデオを作って、ユーチューブに投稿したら、大ヒット間違い無しだと思います。戦いは厳しいと思います。

  12. AAA Says:

    何か削除がどうしたと少し話しがややこしくなってるみたいですが、macskaさんの本業の世界のルールを他の素人の人に求めるのは相当無理あるんじゃ無いですか?
    最初は人権等難しい問題に普通の人でも興味を持てるよう解説してるいいBLOGだと思ったのですが、最近感じるにmacskaさんの「上から目線」がどうも目に付くように感じます。
    人権問題や環境問題に取り組んでる人でそういう人多いですよね? でもそういう物ってより多くの人から賛同得られないと目標が実現出来ない問題。
    普通の人が専門家並みにそういう問題に興味を持ち実際取り組む事は日々の生活過ごしながらだと、興味を維持するだけでも大変なのが普通。
    それを人を馬鹿にしたような意見書かれるのは本末転倒に思うのですが?
    間違った意見目にした時は専門家系なら「それはこういう事が理由で実際はこうなんです」くらいの普通に誤解や勘違いしてる点を喧嘩腰じゃ無く指摘するユトリ、無い物なのかなと思ったり?

  13. macska Says:

    何か削除がどうしたと少し話しがややこしくなってるみたいですが、macskaさんの本業の世界のルールを他の素人の人に求めるのは相当無理あるんじゃ無いですか?

    本業の世界というのがどういう世界のことなのか分かりませんが、「うそついたらいけません」「まちがいはみとめましょう」というのはどの世界でも当たり前のことでは。
    削除したのは、マイク・ロスさんが延々と嘘ばかりをまき散らして、それに対する応答を一切しない(嘘であると反論されても、撤回も再反論もせずに、また次の嘘をつく)というパターンがあり、議論をする意志が全くないと判断したからです。そういう人にも言論の自由はあるのかもしれませんが、嘘をまき散らす場をわたしが提供する義理はないので。ただし、もしロスさんが議論をするつもりになって、行動を改めるというのであれば、再び書き込みを認めるつもりはあります。
    ロスさんは違いますが、議論をする意志があるけれども、議論に慣れていないために、「議論になっていない」主張をしてしまう人(「素人の人」?)というのはいるでしょう。そういう人の発言は削除していません。

    最初は人権等難しい問題に普通の人でも興味を持てるよう解説してるいいBLOGだと思ったのですが、最近感じるにmacskaさんの「上から目線」がどうも目に付くように感じます。

    それは、多分ずっと昔から「上から目線」だったのを、あなたが気付いていなかっただけじゃないかと思いますが。

    それを人を馬鹿にしたような意見書かれるのは本末転倒に思うのですが?

    だってブログは趣味で書いているんだもの。趣味でももちろん「伝えたいこと」みたいなのはあるし、それが伝わるような努力をしていないわけでもない。でも、所詮は趣味なんだから、どうしても合わないという人にまで読者になってもらうために無理矢理合わせる意味ないじゃん?
    仕事として「伝えなくちゃいけない」時は、心配していただかなくても、それなりの工夫はするよ。ときにそれが自分の本当の考えを押し殺すことになってもね。でも、個人が趣味でやってるブログに、それを要求するのはおかしいでしょ。

    間違った意見目にした時は専門家系なら「それはこういう事が理由で実際はこうなんです」くらいの普通に誤解や勘違いしてる点を喧嘩腰じゃ無く指摘するユトリ、無い物なのかなと思ったり?

    えー、ものすごく丁寧かつ親切に応答していると思いますが。
    ちょっとAAAさんは誤解しているのだと思いますが、「誤解や勘違い」と「ウソ」は違います。誤解や勘違いしている人に向かって「うそつき」と言うのは、たしかに喧嘩腰であり、よくないことだと思います。でも、ウソをついている人に向かって「うそつき」というのは、事実をそのまま言っているだけであり、「誤解や勘違い」と言い換えるのは間違いです。
    もっと細かく言うと、ロスさんのあれは誤解や勘違いじゃなくて、事実に対する徹底した無関心です。すなわち、イデオロギーによって事実をねじ曲げるどころか、そもそも事実なんてどうでも良く、イデオロギーだけがあるという姿勢です。リベラル系ジャーナリストのRon Suskindは、あるブッシュ政権高官が言った言葉として、その象徴的な発言を紹介しています。

    The aide said that guys like me were “in what we call the reality-based community,” which he defined as people who “believe that solutions emerge from your judicious study of discernible reality.” … “That’s not the way the world really works anymore,” he continued. “We’re an empire now, and when we act, we create our own reality. And while you’re studying that reality–judiciously, as you will–we’ll act again, creating other new realities, which you can study too, and that’s how things will sort out. We’re history’s actors…and you, all of you, will be left to just study what we do.”
    http://en.wikipedia.org/wiki/Reality-based_community

    この発言では、「現実を基盤としたコミュニティ」という表現が、リベラルに対する揶揄として使われています。なぜ「現実基盤」が揶揄になるのかというと、当時のブッシュ政権は「われわれは現実に縛られない、なぜならわれわれ自身が現実を作っていく側だからだ」と信じていたからです。
    当時はまだ、ブッシュ政権が作り上げた「現実」−−たとえば911事件にイラクが関与している、イラクは大量破壊兵器を保有している、イラク戦争は2ヶ月で終わり解放軍として歓迎される、など−−が決定的に破綻しておらず、それらが「現実と異なる」というリベラルの批判は届きませんでした。ここで重要なのは、当時のブッシュ政権や保守派のコメンテータが「事実を知らなかった、あるいは誤解していた」のではなく、「事実なんて関係ない、現実とは自分たちが作り上げるものである」と考えていた、ということです。
    最近では、「オバマは米国生まれではない」「オバマは出生証明所の公開を拒んでいる」というウソがありますし、ロスさんが主張した、健康保険改革によって「老人が殺される」というウソも、それと同じパターンです。日本の人にとっては、ここまで「事実に無関心」な姿勢というのは、ちょっと考えづらいでしょうが、米国での状況から考えると、ロスさんの書いている内容は「誤解や勘違い」などではなく、明白なウソである、としか言えないのです。
    というより、そもそもロスさんに「誤解や勘違い」なんてあり得ないんです。だって、「誤解や勘違い」をするということは、事実をちゃんと知ろうという意志があって、でも間違って解釈してしまったとか、間違った話を聞いて信じ込んでしまった、ということでしょう? かれの場合、そもそも事実を知ろうという意志がなく、事実かどうかは無関係にとにかく自分のイデオロギーに合致した話を広めようとしているのだから、誤解のしようがないですね。
    それくらい米国の保守派の一部は酷いという話。今回の選挙で自民党が民主党に対する醜いネガティヴキャンペーンのパンフを配布したという話もありますが、米国に比べるとまだまだ甘いなあと思いました。

  14. sebpy Says:

    米国トンデモ保守が広めてるACORNに関するデマについてのコメントが読みたいなあと思いました

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