開設1周年を迎える「ミーガン法のまとめ」サイトの懺悔
2005/12/28 水曜日 - 01:40:37 by admin今年ももうほとんど終わり。去年のこの時期に起きた事件と言えば奈良の少女誘拐殺害事件だけれど、その後も幼い子どもたちに対する性暴力や殺害といった犯罪が繰り返し大きく報道された一年だった。
今年ももうほとんど終わり。去年のこの時期に起きた事件と言えば奈良の少女誘拐殺害事件だけれど、その後も幼い子どもたちに対する性暴力や殺害といった犯罪が繰り返し大きく報道された一年だった。
サブカル路線に走った軽い記事に混じって「女性学年報」第26号に掲載されたマツウラマムコ氏の論文「『二次被害』は終わらない 『支援者』による被害者への暴力」を読む。
たまに顔を出しに行く「(続)男性解放掲示板」経由で「男性差別・女性優遇に反対」を主張するサイトをいくつか見てまわる。
地元で来月開かれるあるコンファレンスの関係者から運営方針について相談を受ける。そのコンファレンスというのは、左翼系の運動や活動家たちのコミュニティ内部における性暴力にどう対処すべきかという課題を掲げるもので、相談内容というのは、予定されたワークショップの1つとして「ラディカルなポルノを作ろう」という内容のものがあり、それを知ったある参加予定者から「自分は幼い頃児童ポルノに利用された経験があり、ポルノを肯定するようなコンファレンスには参加できない」というメールが届いたということ。
つい最近講演で訪れたばかりのオハイオ州クリーヴランド(というか、実際に講演したのはその近郊の小さな街だけれど)からのニュース。当地の新聞 The Plain Dealer の昨日の記事によると、昨年住民投票で成立した、いわゆる「同性婚禁止する憲法改正」を理由に、ドメスティック・バイオレンス(DV)を取り締まる法律の一部が違憲であるという司法判断が下った。
けっこう話題になってるみたいだけど、読売新聞の記事「ヒーローものゲーム、子供の攻撃性増加の可能性」を読む。お茶の水女子大の社会心理学者・坂元章教授らの研究によれば、ただ単に暴力的な描写の激しいゲームで遊んでいる子どもより、魅力的な主人公が正義のために暴力をふるうゲームで遊んでいる子どもの方が「攻撃性」が増加する傾向があるという内容。
ここ数日のあいだ、寝る間も惜しんで作成していたプロジェクト、「ミーガン法のまとめ @ macska dot org」を発表します。このサイトは、ここ2週間ほどのあいだメーリングリストやブログを通してわたしが関わってきたミーガン法関連の議論で取り上げてきたさまざまな資料を全て一カ所にまとめた「資料室」的な性格のものです。
まえのエントリでわたしが「本当に性暴力を無くすためには、『自分も加害者になっていたかもしれない』という想像力を持つことが必要である」と書いたのに対し、なんばさんから個人的あるいはリベラリズムという観念的なレベルでは同意するとしつつも、現実に小児性愛やサディスティックな欲望とも無縁な「一般の善良な人」にそういう想像力を求めるのは無理ではないかというコメントがある。
なんばりょうすけさんが最近紹介していたレイ・ワイア&ティム・テイト著「なぜ少女ばかりねらったのか」をわたしも読んでみようかなと思い著者の名前を検索してみたところ、意外な発見。1988年にイギリスのイーストミッドランズのある一族内の複数の大人による複数の子どもたちに対する性的虐待が発覚し、男女10人が有罪判決を受けた事件があったのだが、その当時、事件の裏側には子どもを「生け贄」として捧げる儀式をはじめとした大規模な悪魔崇拝ネットワークがあり、政治的な圧力を受けて警察はそれを隠蔽しているのだと宣伝してまわったのが、このレイ・ワイアとティム・テイトの両者らしい。
最近、ミーガン法の話題が多くなっているこのサイトだが、メーリングリストやなんばさんのエントリのコメント欄などでいろいろ議論していることをこちらでもまとめておこうと思う。