「女性から男性へのDVは男性から女性へのそれと同じくらい頻繁」というウソ

2005年8月18日 - 12:12 AM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

たまに顔を出しに行く「(続)男性解放掲示板」経由で「男性差別・女性優遇に反対」を主張するサイトをいくつか見てまわる。「男性が差別されている」と主張するサイトにもいろいろあって、どこからどう見ても単なるバカにしか見えないものから、「うんうん、そういったオトコのツラさはよく分かるけど、批判の矛先間違えてんじゃねーの」と多少は共感できるような内容のものまであるのだけれど、そうするうちに久しぶりに「男性から女性に対するドメスティックバイオレンスと、女性から男性へ向けたドメスティックバイレンスを比べれば、統計上だいたい対等か、あるいは後者の方が多いぐらいである」という記述を見かけた。これはもちろん間違いなのだけれど、この偽情報に関しては出典も全て明らかになっているので、それがいかに間違っているかまとめることにした。
この記述を見つけたのは「反・男性差別blog」という名のブログで、ここ数ヶ月は更新が滞っているようだけれど、こうした記述は別のところでも見かけたことがあるので、正確な情報を明らかにしておくことに意義はあると思う。このサイトが引用しているネタ元は下村満子著『アメリカの男たちはいま』(朝日新聞社、1982) だそうだ。引用部分を再掲する。

「性的いやがらせ」や「レイプ」のほかに、女性運動家たちが、これまで「男性の女性に対する横暴」としてやり玉にあげてきたいくつかの事柄がある。「妻に暴力をふるう夫」というのもその一つだ。夫の暴力から逃げ出す妻たちのための「避難所」は、すでにたくさんつくられている。
ところが、一九七七年のデラウェア大学スタインメッツ調査によると、家庭内暴力を「ものを投げつける」「こづく」「なぐる」「蹴る」「物でなぐる」「ナイフや銃で脅す」「ナイフや銃で負傷させる」といったカテゴリーに分類し、妻と夫の双方について調べたところ、あらゆる項目で、妻が夫に対して暴力を働く場合が、その逆の場合を、多少だが上回っていたという事実が確認された。
つまり「妻に暴力を振るう夫」より「夫に暴力を振るう妻」のほうが多い、ということである。これは他の二つの同様の調査でも、同じ結果が出ている。
夫の声があまり表に出ず、妻の訴えのほうが多いのは「男がそれを恥として黙っているだけのことなのだ」とその調査は述べている。
(前掲書より孫引用)

この「スタインメッツ」というのは心理学者スザンヌ・スタインメッツ氏のことで、下村氏が紹介する通り1977年に「虐待される夫症候群」(“The battered husband syndrome,” Victimology. 2:499-509.) という論文を書き、「妻による夫に対する暴力の方が、夫に対する妻の暴力よりはるかに深刻である」という結論で世間を驚かせた。スタインメッツが何を根拠にこうした結論を出したのか? 種を明かすと、その根拠は57組のカップルを対象とした調査において、夫婦別々に暴力行為についてのアンケートを取ったところ、たまたま4人の妻たちが夫に暴力をはたらいた事を告白した一方、57人の夫の誰も自分が暴力をふるった事を認めなかったという結果だった。
普通なら、こんな少数のしかも普遍性が乏しいデータで、しかも本人による報告だけの調査で、一体何が分かるんだと思うところだろう。けれど、驚いた事にスタインメッツはこれだけの根拠をもってして「毎年米国では25万人もの夫が妻による虐待を受けており、彼らのほとんど誰もその被害を訴え出ていない、これは男がそれを恥として黙っているだけのことだ」と発表した。こうしたスキャンダラスな発表はマスコミを騒がせると同時に、様々な媒体で紹介されるたびに数字がエスカレートして、最終的には「年間1200万人の男性が虐待されている」という数字まで飛び出したあたりで、「そんなに多いなら、どうしてわたしたちのほとんど誰も被害を受けた男性を一人として知らないんだ」という常識的な反応が起きて騒動は収束した。要するに、無責任な学者が無責任な発表をして、無責任なメディアで騒がれたというそれだけの話でしかない。
その後スタインメッツは、同僚の心理学者マレー・ストラウス、リチャード・ゲルスの2人とともに家庭内で起きる暴力行為についてより厳密な研究に関わることになる。そのストラウスが家庭内暴力の深刻さを計測するためのに開発したのが Conflict Tactics Scal (CTS) と呼ばれる指標であり、ストラウス・ゲルス&スタインメッツの研究はこれに大きく依存している。
CTS とはどういう指標か。CTS は80項目の質問からなり、そのうち40項目がパートナー・夫婦同士の関係について問うものだ(残りは親子関係)。これらの項目では、些細な敵対行為からはじまり深刻な暴力までだんだん激しくなるさまざまな行為について、日常生活においてそれらを行う頻度を「全くやったことがない」から「ほとんど毎日」まで7段階で報告するようになっている。CTS がその真価を見せるのは、実はパートナー同士の関係の分析においてではなく、親子の関係において「躾け」が虐待になっていないか見極める時なのだけれど、何故だかこの指標は「妻から夫への暴力」を他のさまざまな調査で知られている以上に過大に報告する傾向があり、「男性こそ差別されている」と主張する一部男性運動勢力に都合よく利用されている。
ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の社会学者でなおかつ米国における男性学の指導者的存在としても知られるマイケル・キメル氏は、2001年にアイルランド政府の依頼を受けて、「妻から夫への暴力は、夫から妻への暴力と同じくらい深刻な社会問題である」とする研究論文に信頼が置けるかどうかという分析を行った。その結論は Irish Times 紙 (12/04/2001) でも発表されたが、要点だけ簡単にまとめると、「妻から夫への暴力は、夫から妻への暴力と対等である」とする調査のほぼ全てが CTS という1つの指標に頼っており、他の複数の指標によってもたらされる結論と整合性を欠いている、これは CTS はドメスティックバイオレンスについて研究するための指標としては不適切であることを示している、というものだ。
では何故 CTS は駄目なのか。まず第一に、CTS では行為の頻度のみを調査しており、行為の強弱を区別していない。手のひらで頬を軽くひっぱたくのも、ゲンコツで顔面を強打して重傷を負わせるのも、全く同じ行為として記録される。また、同じ一度の暴力で殴る回数も考慮に入れていないので、1発殴るのも100発殴るのも全く同じ行為として記録される。
第二に、CTS では行為の目的を考慮していない。自衛のために相手の肩を押しのけるのも、相手を階段に突き落とすのも、同じ「押す行為」として記録される。もっと極端な例を出せば、夫が子どもを虐待しているのを止めるために妻が割って入ったら、「妻から夫に対して暴力がふるわれた」として CTS は記録してしまう。
第三に、CTS では「性暴力」や「性行為の強要」を暴力行為の一種として含んでいない。この事実は、夫による妻への暴力行為を実態より低く見積もることに繋がると考えられる。
第四に、CTS は精神的・経済的な虐待などを考慮に入れない。長年の精神的虐待が起きている関係において精神虐待の加害者の側が手を出すのも、追いつめられた被害者の側が手を出すのも、全く同じ扱いをされてしまう。
第五に、CTS は過去1年に起きた行為しか調査の対象としない。それより長く虐待が続いていたとしても、無かったことと同じにされてしまう。
第六に、CTS は現時点でも結婚しているカップルだけに適用される。激しい暴力の結果離婚や別居に至ったケースははじめから除外されている。また、よりDVの危険が高いとされる未婚の若いカップルは調査に含まれていない。
第七に、当たり前だけれど CTS は生存しているカップルだけに適用される。つまり、殺人という究極の暴力を「暴力行為」の定義に含んでいない。いくら激しい暴力が行われていても、被害者が死んでしまえば調査対象から自動的に外れてしまう。
このように、ドメスティックバイオレンスの深刻さを測る指標としては CTS は全く適さないし、もともとそれを目的に作成された指標ですらない。CTS を濫用して「妻による夫への暴力の方がより深刻だ」と主張する論者が絶えないことについて、その CTS を考案したストラウス氏自身はこう言っている。「CTS は暴力の深刻さを測る指標ではなく、ドメスティックバイオレンス研究に使うべきではない。CTS 似よって『暴力的』と判断された女性たちの多くは、自分の命や子どもたちを守るためにやむを得ず自衛行為を取っているだけの人たちだ。」(Newsday, 02/22/1994)
こうして見ると分かる通り、「女性から男性へのDV」が「男性から女性へのDV」と同じくらい深刻な社会問題であるとする根拠は全くない。もちろん、だからといって男性被害者への支援体制を整えなくても良いわけでもなければ、女性加害者の暴力を許せるわけでもないが、男性と女性が同じくらいの頻度で被害を受けているとか、あるいは男性の方がより被害を受けているというウソを垂れ流さずとも「性別に関係なく、あらゆる形態のDVへの対策」を推進することはできるはずだ。そもそもわたしはクィア・コミュニティにおけるDVを専門として扱ってきた事もあるくらいだから、別の意味から「女性=被害者」「男性=加害者」という決めつけを打破したい気持ちは同じだけれど、現実問題として異性同士のカップルにおいてDVの被害を受ける事が多いのは女性であるという事実をウソでかき消してはいけないと思う。

23 Responses - “「女性から男性へのDVは男性から女性へのそれと同じくらい頻繁」というウソ”

  1. しゅう Says:

    日本では、DVという用語はTVのCMを通じて急速に普及したんですけど、
    そのときのフレーズが、「夫、恋人からの暴力」だったんですね。
    つまり、用語そのものは普及しても、概念からは男性被害者が完全に置いてけぼりを食らったわけで、
    とりあえず、0を1にするための過激なプロパガンダの一つだったのかなあと(゜゜

  2. トニオ Says:

    普通に考えれば、体力の面でそんなことはありえないって分かりそうなもんですがね。
    なんというか、ここまでくると「家畜人ヤプー」を連想してしまうのですがw

  3. Macska Says:

    そう、普通に考えれば当たり前なんですけど、スタインメッツだとかストラウスだとか研究者名を挙げて「こうした調査結果もある」みたいに言われたら反論しづらいでしょ。「男のDV被害」について誇張した数字をあげているのは今回紹介した3人だけなので、これだけ知っておけばもう完璧(笑)

  4. 芥屋 Says:

    全然関係ないんですが、
    >macskaさん、しゅうさん、xanthippeさん
    私のところ、サーバダウンしてましたが回復しました。
    ご連絡まで。

  5. 鉄人ママの社長ブログ Says:

    DVもいじめも薬物依存も犯罪です
    私はDVの被害者です
    ブログを始めた時からそのことを
    いつか必ず書かなければいけないと思ってきました
    ただ、私は実名でこのブログを書いていますので
    前夫に迷惑がかかる内…

  6. 匿名 Says:

    なんで、
    ア・ナ・タ・ハ・ワ・ル・ク・ア・リ・マ・セ・ン
    てわかったんですか?事情も知らないで。あたまおかしいでしょ。あなた。

  7. 男性被害者 Says:

    なんですか、この半端な検証記事は?
    俺の友人は妻のDVで死んだんだぞ……

  8. takehito Says:

    前の彼女からDVを受けていました。
    僕は小柄で、殴られて体や顔が腫れたり青くなる事が度々ありましたが、我慢ならない場合は力で簡単に押え付けられたので、最終的には僕の方が強かったです。
    一方、今の彼女も前の彼氏からDVを受けていましたが、物を投げても応戦できず鼻と頬骨を折られた事がきっかけで逃げるように別れたそうです。
    男と女ではやられるの程度が全然違う気がしました。

  9. 男性被害者その2 Says:

    普通に考えれば、体力の面でそんなことはありえないって分かりそうなもんですがね。
    そう考えられるから
    実は男性被害者の逃げ場所はないんです。
    助けを求めた
    警察でも、裁判所でも
    平気で
    普通男性が暴力を受けるそんなことはないんです。
    と、言い切られてしまいます。
    診断書を持って行って初めて
    話を聞く気になってくれます。
    さらに、
    加害女性が
    DV夫が帰ってきたと警察に被害を訴えれば
    DV被害夫は問答無用で取り調べを受けます。
    普通の状態でないから困っている
    解ってくれとは言いませんが
    助けて欲しいです。

  10. 匿名 Says:

    挙げられたCTSの問題点はどれもDVの定義が甘いというだけ。
    「『女性から男性へのDV』が『男性から女性へのDV』と同じくらい深刻な社会問題であるとする根拠は全くない」
    という結論はまったく引き出せそうにないんですが。
    こうやって女によるDVの問題を過小評価し、抑圧しようとする態度がどれだけ被害者を追い詰め、女の暴力を隠蔽し、助長するか、無神経なフェミには一生理解できないんでしょうね。
    あくまで自称とはいえ専門家がこの体たらくでは、男性差別が改善される日はまだまだ遠いようです。

  11. Says:

    日本ではDV被害者が女性の場合、相談できる場が用意されています。(DV利権がらみのいかがわしい場所ですけど)が、男性がDV被害者のケースでは、相談する場も何もありません。世間も男が女から暴力を振るわれたなどあり得ない、または、女から暴力を振るわれる男など、女々しい、男らしくない、軟弱だ、と非難する傾向があるように思います。社会、世間からの男らしさの押し付けです。男らしさを押し付けられることで、一体どれだけの男性が苦しんできたのか、そして今も苦しんでいるかは計り知れないものがあります。
    このように女性被害者が同情されるのとは対照的ですから、男性被害者は女性からDVを受けたことを誰にも相談できないのが現状です。重要なのは被害者に対するアフターケアが存在するかどうかという問題です。女性は相談でき、アフターケアも受けられるのに対し、男性には相談する場もなくアフターケアもありません。
    だから、女性から男性へのDVは男性から女性へのDVと同じくらいかそれ以上に深刻な社会問題なのです。

  12. マミ Says:

    嫁が息子にDV(暴言.罵り.嫌がらせ等)、一年で10K程痩せました。最近になって嫁の父親も同じようです。いわゆるモンスターペアレントです。世間知らずの親子に、1歳になる子供の為に息子は我慢しています。金にどん欲な嫁親子にいつか息子が殺されるのではと心配です。このような場合、どこに訴えたらいいですか?

  13. nanngyou Says:

     初めまして34歳男性です。
    私も彼女からの暴力を受けております。
    こんな経験をするまでは男女関係なく別れればすむことだと考えておりました。
    いざ自分が経験するとやはり暴れる彼女も暴れた自分が嫌いで治したいといいます。
    そういう気持ちを聞くとどうにか二人で解決できないかと思い別れられません。
    男なのに情けない話ですが頭から流血し、目には青たんが出来ました。
    男なのでやはり抑えることしかできず傷は増えるばかりです。
    相手が女性の為、抑えただけで彼女は手首にあざが出来てしまい
    そのあざをみると本当に解決したいと思います。
    公共のDV相談窓口へも相談しましたが
    早く別れるのが一番とのことでした。
    どうにか二人で解決したいです。
    DVを直した方いらっしゃれば教えてください。
    もしくは私とでなければ(相手が変われば)治る可能性もあるのでしょか?

  14. ryoko Says:

    最近になって、私の大事な人が彼女からDVを受けていることを知りました。彼は、とても優しい人です。彼女を抑えるために、自分が血を流して痛みを教えたり・・・最近は、冷たい言葉をぶつけられる。と、初めて相談を受けました。彼には、「このまま一緒にいて幸せなの?」と別れを進めたのですが、別れを告げたら何をしでかすか分からない。と言われました。私は彼を助けたいのですが、何て言葉をかけたらいいか分かりません。そして、なぜ彼女がそんなにも人として酷い事を言えるのかが分かりません。・・・この世の中、誰もが皆同じ考えだとは思わないし、育ってきた環境が違うのは分かりますが・・・人を意味なく傷つけるのは、人としておかしい事ですよね・・?

  15. 匿名 Says:

    >現実問題として異性同士のカップルにおいてDVの被害を受ける事が多いのは女性であるという事実をウソでかき消してはいけないと思う。
    嘘と言い切ってしまうのもいかがなものか? 男性DVに対する認識が甘い日本社会でおこなわれた調査でも被害者は男女半々とする結果が出ているようですし このような専門家の著書もありますよ
    「どのような暴力コーピングでも,夫より妻の方が,暴力をふるう割合が高いことがわかります。また,結婚一ヶ月前,結婚18ヶ月後,結婚30ヶ月後,いずれの時点でも,夫より妻の方が,暴力をふるう割合が高い事が報告されています。
     さらに,「親密なパートナーからの暴力」の性差を検討した82の調査を分析した研究(Archer,2000)では,男性より女性の方が,暴力的コーピングの使用頻度が高いと報告しています。暴力をふるったかどうかという自分自身の回答だけでなく,暴力をふるわれたかどうかの回答でも,男性より女性の方が暴力的コーピングを用いていました。ただし,パートナーにケガを負わせるような暴力に関しては,女性より男性の方が多いと報告しています。それではなぜ,世間は女性の暴力に注目する事なく,暴力をふるうのは男性だと思っているのでしょうか。それは,少なくとも北米の場合,女性の暴力を見逃す次のような社会文化的背景があると考えられています(Straus,1999)。
    ①言い寄ってくる男性の横面を女性がひっぱたく事が受けいられているように,女性が男性を攻撃する権利を,社会が認める傾向があります。②また,女性の体は小さく,弱々しいため,女性は暴力を抑えなくてもかまわない,と思っているようです。つまり,女性は,自分の暴力が男性に危害を加える事はないと信じています。実際に,パートナーに暴力をふるう女性の多くは,「自分自身が暴力をふるっても,男性は傷を負う事はない」「自分の暴力を男性は防ぐ事ができる」と信じています(Lawrence et al.,2006)。③さらに,「女性は,男性からの暴力に対する自己防衛や報復のために暴力をふるう」と
    一般的に信じられているため,女性の暴力は社会的に許されやすいとも考えられています。」
    『離婚の心理学 パートナーを失う原因とその対処』加藤 司 P186‐187

  16. macska Says:

    匿名さん、
    反論があるなら、本文の内容を理解したうえで反論していただけませんでしょうか。
    本文では、「女性から男性へのDVも男性から女性へのDVと同じくらいか、むしろそれより多い」という主張のほぼ全てが、Straus、Gelles、Steinmetzという三人の研究から派生していることを説明したうえで、その三人の研究がなぜおかしいのか、ということを説明しています。とくに、StrausとGellesが使うCTSという指標を元にそうした主張をすることがおかしい理由を、かなり詳しく解説しました。
    あなたが引用している加藤司さんの文章では、そのStrausに加えて、ArcherおよびLawrence et al.の研究が紹介されています。Straus (1999)についてはCTSがDVの頻度を調べるための指標として間違っている点を既に説明していますが、Archer (2000)も実はCTSを使ったさまざまな研究の結果をまとめているだけです。
    http://pubpages.unh.edu/~mas2/CTS21.pdf
    http://feminism.martinsewell.com/Archer2000.pdf
    つまり、わたしが「CTSを使った研究をもとに『女性から男性へのDVも多い』というのはダメですよ」と主張しているのに対して、あなたは「CTSを使った研究によると女性から男性へのDVも多いぞ!」と言い返していることになり、反論になっていません。
    反論するなら、CTS以外の研究においてわたしの主張を覆すような報告が出ていると主張するか、あるいはCTSが妥当な指標であると主張するか、そのどちらかしかないはず。そのどちらでもない主張は、反論の体をなしていません。
    Lawrence et al. (2006)については、著者「lawrence」キーワード「domestic violence」でデータベースを検索して出てきた研究を(2006年に限らず)全部確認しましたが、該当する論文が見つかりませんでした。よろしければ、具体的な掲載誌や論文名を教えてください。
    あと、わたしのブログでは匿名や「通りがかり」等の名前は禁止しています。本名でなくていいので、(少なくともこのブログのコメント欄において)一貫して名乗る名前を決めて、その名前で書きこんでください。

  17. 失礼失礼 Says:

    >あと、わたしのブログでは匿名や「通りがかり」等の名前は禁止しています。
    ごめんなさい 「失礼失礼」でいきます 
    >男性DVに対する認識が甘い日本社会でおこなわれた調査でも被害者は男女半々とする結果が出ているようですし
    私が具体的に書くのを忘れたので貴方が触れないのは当然ですけど 横浜市の例です
    コレのおかしい点を指摘してくださらないと、貴方のご発言である>『「女性から男性へのDV」が「男性から女性へのDV」と同じくらい深刻な社会問題であるとする根拠は全くない。』は通らないのでは?あ、そのブログに対する反論のみを意味するならば通るかもしれませんね
    貴方は「CTSを使った研究をもとに『女性から男性へのDVも多い』というのはダメですよ」と定義していますけど現在発行されている本にも使われているのが現状です 貴方のブログの反論が具体的にどの辺りの研究者などに認められているのか知りませんけど多忙の身ゆえ後日反論させてもらいます 
    >平成21年度に横浜市が行った「配偶者からの暴力に関する調査及び被害実態調査」によると、
    >女性の43%が被害を経験
    >男性の43%が被害を経験

  18. macska Says:

    失礼失礼さん、
    横浜市の調査はこれですね。
    http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/danjo/chousa/20dvchousa/dvchousa.pdf
    ご紹介ありがとうございます。
    なるほど、そういうアンケート結果もあるよ、ということですね。これ、とくに悪い調査だとは思わないんですが、「こういう行為があったかどうか」を質問しているという点で、CTSと同じだと思います。男女ともに43%が被害を受けたことがあるという結果にしても、それが全部DV被害であると解釈するには数字が大きすぎます。
    反DV運動がDVと名指しして問題としているのは、殴る蹴るという個々の暴力行為ではなく、そういった行為のパターンによってもたらされる支配関係です。それを調査するのであれば、行為そのものが起きたかどうかではなく、その文脈や効果を調べる必要があります。詳しくはこちらにわたしが10年前に書いた文章がまだ残っています:
    http://macska.org/emerging/dv02-definition.html
    > 貴方のブログの反論が具体的にどの辺りの研究者などに
    > 認められているのか知りませんけど
    いや、わたし個人の反論ではなく、反DV運動やDV研究者のあいだでは常識です。

  19. とし Says:

    あなたは、上のだらだらした長文で必死になって
    「男性DV被害者のほうが、女性DV被害者よりも多い」
    という調査結果に信憑性がないと主張しておられます。
    もし、その主張を全て認めたとして、得られる結論は、
    「男性DV被害者と女性DV被害者のどちらが多いかは不明」
    ということだけです。
    もし、「女性被害者のほうが男性被害者よりも多い」と主張するなら、それこそ、信憑性のある根拠を示してください。

  20. 匿名 Says:

    問題は多いか少ないかだけか?
    お前はバカか?
    『受けた被害の程度』が最も重視する問題点だろうが
    男性差別を主張するサイトには、見覚えがありますな
    ウィキの男性差別や女尊男卑の項目を見れば、挙げられる例は、
    ・企業が行う女性向けキャンペーン
    ・(男が風俗に出向いての)SMプレイ
    ・女性を檻に閉じ込める女性専用車両(痴漢が原因)
    まったくもってお粗末すぎますな(笑)
    これが今の日本男児の知能レベルか
    女性差別や男尊女卑の、構造化された性暴力や賃金格差等の制度面での過酷な差別と比べてあまりに稚拙!
    「男性差別」という盗人猛々しいこの厚顔無恥な主張
    自らの差別加害者たる地位を守る為の
    「我こそが被害者!だから従来どおり女を差別させろ!」の大合唱
    恥を知れ日本の愚男!

  21. ああ Says:

    >普通に考えれば、体力の面でそんなことはありえないって分かりそうなもんですがね。
    そもそもDV加害者になるか被害者になるかの境目は、腕力の有無というよりは、「暴力をふるうことに心理的な抵抗があるかないか」が大きい。
    例え腕力ではまさっていても、男性が暴力を振るうことに躊躇する性格で、 女性が暴力を振るうことにためらい無い性格であれば、女性が男性に一方的に暴力を振るい続ける状況は十分におこりえる。
    そもそも、DV加害者は腕力の優越だけで、被害者を押さえつけるとは限らない。 経済的な束縛、精神的なマインドコントロール、そういったものでDV男から逃げられない女性がいるように、精神的に痛めつけられ、洗脳されることでDV女から逃げられない状態にされている男性も多い。
    今の日本社会は、女性のDV被害者にだけは同情し、男性のDV被害者は「弱っちい奴」と嘲笑う風潮が強いのは確かだが、しかしながらそれは人の痛み、人の苦しみを想像することのできない、ヒトデナシの態度と断ぜざるを得ない。

  22. ああ Says:

    【暴言や暴力…被害者は男子生徒、女子の倍以上】
    https://mainichi.jp/articles/20160208/k00/00m/040/054000c
    大阪府の高校生グループが府内の約1000人の中高生に「デートDV」に関する調査をしたところ、
    男子生徒の3割以上が「(彼女から)暴言や暴力を受けて傷ついた」経験があることが分かった。女子生徒が「(彼から)暴力を受けた」割合は12%で、男子の半分以下。
    交際相手に「暴言が嫌と言えない」割合も、男子(30%)が女子(22%)を上回った。

    もう、女は被害者面できないな

  23. Says:

    ひどすぎる、なんで基地がフェミってここまで大嘘つけるの
    犯罪者だろ

コメントを残す

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>