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『アメリカ発 DV再発防止・予防プログラム』へのコメントへのコメントと、サポートグループの不可能性

2010/04/29 木曜日 - 21:54:55 by admin

いつみても「キリンが逆立ちしたピアス」っていいブログ名だよなあと思ってしまうのだけれど、その id:font-da さんが、山口佐和子著『アメリカ発 DV再発防止・予防プログラム』を紹介している。わたしもこの本については某秘密主義MLで知り、気になっていたので、信頼できるレビューが出てきて助かる。いずれ入手するつもりだけれど、いつになることやら。

ポートランドの活動家、ボニー・ティンカーさんからわたしが学んだこと

2009/07/04 土曜日 - 20:39:41 by admin

わたしの尊敬する活動家の一人で、わたしと同じオレゴン州ポートランドに住んでいたボニー・ティンカーさんが、旅行先のヴァージニア州で交通事故にあい、61歳という年齢で亡くなった。彼女は西海岸で最も歴史の古いドメスティックバイオレンス(DV)シェルター、Bradley-Angle Houseの創設者であり、ゲイやレズビアンをはじめとする性的少数者の人たちが作る家族を支援する団体Love Makes A Familyの代表としても長年活動を続けてきた。また、社会的公正と非暴力主義を掲げるクエーカー教の信仰者として、ポートランドにおける平和運動や人権運動でも中心的な活躍をしてきた。追悼にかえて、わたしが彼女から学んだことをいくつか記録しておきたい。

警察がDV現場で加害者と被害者を区別することの困難/米国司法省報告メモ

2009/06/15 月曜日 - 11:06:50 by admin

米国司法省から「Making Arrests in Domestic Violence Cases: What Police Should Know」という報告書が公表された。ドメスティックバイオレンス(DV)における警察の逮捕の記録を分析したもので、著者はマサチューセッツ大学ローウェル校の犯罪学者。内容は、これまで多くの人が指摘してきたことが公式に確認された内容となった。

DV研究×行動経済学−−ドメスティック・バイオレンス被害者が加害者の元に戻る理由

2008/09/27 土曜日 - 16:29:14 by admin

リチャード・セイラーとキャス・サンスティーンによる『Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness』の関連ブログ経由で、ブラウン大学経済学部の Anna Aizer と Pedro Dal Bó による「Love, Hate and Murder: Commitment Devices in Violent Relationships」という論文を知る。行動経済学とドメスティックバイオレンス(DV)を結びつけて論じる内容となれば、わたしが紹介しなくて誰がする(いやしない、反語)、ということで、ここに紹介してみる。結論に必ずしも納得しているわけではないけど、興味深いしDV研究で取り上げる価値は十分にあると思う。

DVシェルター廃絶論−−ハウジング・ファーストからの挑戦

2008/08/30 土曜日 - 02:51:59 by admin

ドメスティック・バイオレンスを、私的な関係における私的なトラブルではなく、社会的な対策・介入を必要とする社会問題であることがはじめに主張されたのは、とくに英米両国における第二波フェミニズムの盛り上がりの中においてだった。当初は「バタード・ウーマン」(殴られた女性)という言葉で呼ばれていたそれが、広く社会問題として認知されるにつれ、より範囲の広い「ドメスティック・バイオレンス」(DV)という言葉が採用されるようになった。

性犯罪をめぐる二つの思想が混じり合った米軍「統一軍事裁判法」

2008/06/29 日曜日 - 01:21:14 by admin

米軍海兵隊員四人が広島市で女性に対して集団で性暴力をはたらいた事件で、加害者の有罪と不名誉除隊が確定した。しかし、より深刻なレイプ(強姦)の罪状は取り下げられ、懲役一年という軽い刑罰となったことで、「『軍事基地と女性』ネットワーク運営委員会」は抗議声明を発表している。その中で、同委員会が「驚いたことに米軍側の主張によれば、昨年統一軍事裁判法における『強かん』の定義を『誘拐や暴行を加えて同意なく性行為をすること』と変更したので『女性が明らかに同意していなかったのに性交渉した』ことは『強かん』にはあたらず、『不正な性的接触とみだらな行為』(”wrongfulsexual contact and indecent acts”)にすぎないというのである」と訴えていることが気になったので、軍事裁判法を少しばかり調べてみた。

性犯罪者情報公開制度が、感情的な欠落を「埋め合わせる」ことの危険

2007/07/10 火曜日 - 01:00:45 by admin

社会学者の宮台真司さんが、アンドリュー・ラウ監督の映画『消えた天使』の解説として書いた文書をブログで公開している。宮台さんの解説で気になったのは米国における性犯罪者情報公開制度についての部分。日本において同様の制度が導入されるのを阻止するために「ミーガン法のまとめ」サイトを作った立場から、コメントしておきたい。

セクシュアルマイノリティのDV被害者救済の「求め方」

2007/01/22 月曜日 - 07:03:31 by admin

以前別ブログの *minx* [macska dot org in exile] で取り上げたように、わたしがサイトに書いたドメスティックバイオレンス(DV)の定義がいろいろなところで紹介されているのだけれど、最近 id:nodada さん(ブログ「腐男子じゃないけど、ゲイじゃない」)のエントリ「げいざぱんぬーすでDV。」という、わたしの専門にかなり近い話に関連して取り上げられたので、それに対するコメント。

組織に無限の責任を負わせない「セクハラ対策」のあり方

2006/12/13 水曜日 - 06:55:41 by admin

「ギートステイト制作日誌」の最新号で、哲学者・批評家の東浩紀さんがいじめやセクハラ、ドメスティックバイオレンス(DV)といった文脈で最近関心を呼んでいる「精神的な暴力」という課題についてこういう発言をしている。

「加害者は決して完全悪ではない」こそ反DV運動の教訓

2006/11/30 木曜日 - 00:22:31 by admin

以下に報告するのは、以前から何度か話題のソースとしている某秘密主義ジェンダー研究系メーリングリストで過去数日にわたって続いたドメスティック・バイオレンス(DV)についての議論について。