再確認:「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」は間違い

2010年12月27日 - 3:00 AM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

メールマガジンα-Synodosおよびシノドスジャーナルに寄稿させていただいた(そしてその後当ブログにも転載した)「『テロ戦争』化しつつある、反『セックス・トラフィッキング=性的人身売買』運動」という記事において、米国の政治論議やメディアなどで広く流布しているある数値について書いた。それは「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」というものであり、同記事中で明快に指摘した通り、事実に反する
そもそもその記事の趣旨はというと、「はじめて売春を行うのは平均十三歳」というような荒唐無稽な数値が一人歩きしてパニックを引き起こすことが、現実に起きている問題の実態把握やそれについての理性的な議論を困難にし、結果として必要とされる施策を誤らせることになっている、と指摘することだった。
ところがシノドスとの提携により記事の提供を受けたライブドアニュースは、この記事へのリンクに「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という扇動的な見出しを付け、逆にパニックを煽ってしまった。そしてさらに2ちゃんねるにおいてそのライブドアニュースの記事を紹介するスレッドログ)が立てられた。
スレッドのタイトルは、さらに扇動的なトーンを増した「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす……初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」というもの。そしてわたしが「間違っている」と指摘した数値だけ引用しておきながら、それが「間違っている」という言明は掲載されず、ほかの人のだれもそれを明快なかたちでは指摘しなかった。結果として、まるでわたしが記事において「初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」と主張しているかのようになってしまった。
元記事では「はじめて売春を行うのは平均十三歳」という数値が間違いであると書いたうえで、「このあたりのデータのおかしな点は、希望があれば別に解説します」として具体的な論証はしなかったけれども、こうして流言によるパニックに楔を打ち込むために書いた記事が、逆に流言とパニックを広めるために紹介されてしまっている以上は、具体的にどう間違いなのかをはっきり書く必要があると感じた。というわけで前置きが長くなってしまったけれども、どうして「はじめて売春を行うのは平均十三歳」という数値が間違いなのか、説明する。
まずはこの数値がどこから来たのか、そのソースから。よくこの数値は「司法省によれば」という形で紹介され、連邦政府のデータなのだから信用できるのだろう、といった印象を与えるが、たしかに連邦司法省のウェブサイトにこの「データ」は掲載されている。そこには、次のような記述がある。

The average age at which girls first become victims of prostitution is 12-14. […] for boys and transgender youth, the average age of entry into prostitution is 11-13.

司法省がこの根拠とするのは、ペンシルヴァニア大学の研究者、Richard Estes & Neil Alan Weinerによる未成年の性的搾取についての報告書、「Commercial Sexual Exploitation of Children in the U.S. Canada and Mexico」だ。その九二ページ(大きなファイルですがPDF版だと見やすいです)には、このように書いてある。

The age range of entry into prostitution for the boys, including gay and transgender boys, was somewhat younger than that of the girls, i.e., 11-13 years vs. 12-14 years, respectively.

このように、たしかにこの研究において調査対象者たちがはじめて売春をはじめたとされる年齢は十三歳前後だということになる。しかし問題は、この数値を「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」というように解釈することが妥当かどうかということだ。結論から言えば、そう解釈するにはいくつもの大きな問題があり、妥当ではない。
最大の問題は、この研究の調査対象が「未成年」に(米国での調査なので十八歳未満)限られている点だ。当たり前のことだが「売春をしている人」には、未成年で売春をはじめた人もいれば、大人になってから売春をはじめた人もいる。しかし「未成年で、売春をしている人」だけを調査すると、大人になってから売春をはじめた人はまったく調査に含まれないことになる。
まったく同型の問題は、かつて小谷野敦さんと絶望書店店主さんとのあいだでも江戸時代の遊女の平均寿命をめぐって議論されていたけれども、もっと分かりやすく単純に「未成年で死亡した人の平均的な死亡年齢」を例として考えてみてほしい。未成年で死亡した人だけを調査すれば、平均的な死亡年齢はおそらく十歳前後になると思うのだけれど、もちろんそれは社会全体の平均寿命を知る上でなんの参考にもならない。
おなじように、未成年で売春している人だけを調査して「はじめて売春した年齢」を算出しても、それをもとに「売春している人」全体について何かを言うことはできない。これは当たり前の話。
では「未成年で売春をはじめた人」だけに限った話をすれば、「はじめて売春した年齢」は平均十三歳ということで問題ないのか? それも実は違う。なぜなら、調査対象が「未成年」だけに限られているということは、より若い年齢で売春をはじめた人が不自然に多く調査に含まれてしまうということであり、そのまま平均値を出しても何の意味もないからだ。
具体的な例で考えてみよう。ある街では毎年十二歳から十七歳まで一歳ごとに六人の未成年があらたに売春をはじめると仮定してほしい。この街における「はじめて売春した年齢」の平均値は、この六人の平均年齢だから、14.33だ。しかし研究者が街に現れるとき、かれらが出会うのはこの六人だけではない。なぜなら、昨年売春をはじめた十三歳から十八歳までの六人、その前の年にはじめた十四歳から十九歳までの六人、などもこの街には住んでいるのだから。
でも調査対象は未成年だけなので、調査に含まれるのは十八歳未満の人だけ。すると、この調査に含まれるのは、今年売春をはじめた六人、昨年の六人のうち五人、その前年の四人、その前年の三人、その前年の二人、その前年の一人、計二十一人だ。その中では十二歳で売春をはじめた人が一番多く六人、十三歳ではじめたのが五人、十四歳ではじめたのが四人、十五歳ではじめたのが三人、十六歳ではじめたのが二人、そして十七歳ではじめたのは今年はじめた一人だけ。
この二十一人に聞き取り調査をして、はじめて売春をした年齢を答えてもらったとしたら、どうなるだろう? 実際に計算すると、その平均値は13.67。本来の平均年齢である14.33よりかなり低い数値だ。(誤解のないように言っておくが、この数値自体は議論のための架空の話を元にしており意味はない。)
どうしてこのような不思議なことがおきるのか。それは、十二歳で売春をはじめた人はそれから六年間のあいだ調査の対象となる可能性があるのに対し、十七歳ではじめた人は一年しか調査対象とは成り得ないから。それはすなわち、十二歳で売春をはじめた人は、十七歳ではじめた人に比べて、六倍も多く調査に含まれるということになる。
この試算はもちろん、いちど売春をはじめた人はずっと(すくなくとも未成年のうちは)売春をしているということを前提としている。もちろん売春を止める人だっているから、実際に起きる誤差はこれより小さいはず。でも単純に調査への回答の数字を足してサンプル数で割るだけでは意味のある「平均値」を出すことはできないという点は理解していただけたと思う。
もう一つ、これも重大な問題だと思うのだけれど、この調査ではグループインタビューという調査方法を使っている。すなわち、何人かの調査対象者を同じ部屋に入れてディスカッションのような形で話を聞いているのだ。それが回答にどのような影響を与えるのかは分からないけれども、とくに売春のような他人の前では事実をありのままに言いにくい――報告が過少になるのか過剰になるのかは場合によるだろうけれど――少し割り引いて聞いておく必要はありそうだ。
この報告書ではカナダにおける先行研究もいくつか引用されているのだけれど、それらの研究では軒並みより高い「はじめて売春した年齢」(一五歳から一八歳)が報告されている点も指摘しておきたい。

A Victoria survey and British Columbia consultations estimate age of entry between 14 and 15.5 years of age, however findings from interviews with prostitutes in Vancouver revealed an average age of entry as 16.3 for females and 15.6 for males. In other cities, higher age estimates are found. In Ottawa, the average age of entry was 17.8 years of age. Surveys in Montreal did not report an average age of entry, but noted that one third of the 75 prostitutes interviewed had begun prostituting themselves before the age of 18.

また、米国におけるより新しい報告としては、司法省の資金援助によりニューヨークの民間団体が行った調査「The Commercial Sexual Exploitation of Children in New York City」もある。この報告でも、やはり平均年齢は十三歳ではなく十五歳以上だとされている。

Many of the professionals who offered guidance to the John Jay research team believed that the average age of entry for girls was much younger than for boys, but boys and girls differed only slightly in our sample. The average age of entry for females was 15.15 years and males 15.28 years, but a higher percentage of boys (19%) entered the market under the age of 13 than girls (15%). And transgender youth tended to start out later in their teens (16.16 years) than boys or girls. Where boys, girls and transgendered youth differed the most was not in their age of entry, but in how they entered the market.

そもそも、常識的に考えれば、「はじめて売春を行うのは平均十三歳」なんてことがありえないのは、分かるはずだと思う。仮に「はじめて売春する年齢」が正規分布しているとするなら、平均値が十三歳ということは、二十歳で売春をはじめる人と六歳で売春をはじめる人が同数存在するということになる。現実を見回してもそんな大規模な幼児強制売春の証拠は確認できないし、どう考えてもありえないだろう。しかし、正規分布しているのではないとするならば、十歳から十三歳くらいのあいだにおびただしい数のサンプルが集中していると仮定しなければいけなくなるが、それもやはり考えにくい。結局、平均年齢が十三歳であるという数値が間違っていると結論づけるほかにないだろう。
平均年齢が十三歳なのか十六歳なのかは、決して小さな違いではない。平均年齢が十三歳だと言う人たちは、子どもたちがショッピングモールや学校から騙されたり誘拐されたりして強制的に売春させられている、という説明をしたがる。しかしそういうケースは、実際にはごくわずかでしかない(が、そのわずかなケースが、わずかなケースだからこそ、衝撃的なニュースとして扇動的なヘッドラインとともに報じられる)。
実際に未成年の売春で多いのは、何の判断も付かないような幼い子どもを騙したり誘拐して連れて行くというパターンではない。家庭で虐待されていたり、愛情を与えられていなかったり、家でも学校でもコミュニティでも居場所を持たないような子どもが、ある程度の年齢になってから自分の意思で家出して生活のために売春をはじめるなり、街で出会った大人に愛情を与えられた、受け入れられた、と勘違いさせられて売春するよう誘導されたりといったものだ。
まず問題とすべきは家庭内の虐待やネグレクトであり、それらを深刻にする貧困や差別であり、学校やコミュニティのあり方であるはずなのに、多くの人たちはそうしたことに関心を持とうとはしない。「悪いのは誰か?それは子どもを誘拐して性奴隷にする犯罪者である」と、街や学校での取り締まりの強化を訴えるばかりだ。そうした間違った施策の結果、家庭で起きている問題にも貧困の問題にも何の対処も立てられないだけでなく、街は子どもにとって居づらい空間となり、学校はさらに息苦しくなる。それは事態を悪化させこそすれ、改善するとはまったく思えない。
「はじめて売春を行うのは平均十三歳」という神話は、このように事態を悪化させるパターンの一部として理解されるべきで、「重要な問題を訴えるために多少の誇張は仕方がない」「かりに間違っていても大した違いではないではないか」と見逃してはいけない。ある問題を広く社会に訴えるときに、ある程度誇張とか単純化が避けられないということはあるのかもしれないけれども、施策を誤らせるような誇張はやめてほしい。
ついでに言えば、ライブドアニュースの「煽り見出し」も、商業媒体としてページビューを稼がなければいけないから「釣り」的な見出しを出したいのは分かるけれども、本文の趣旨(パニックに抵抗する)に反する(パニックを煽る)ようなものだけはなんとかしてくれないかと思う。ライブドアニュースは「ウィキリークスのジュリアン・アサンジ逮捕をめぐる流言、そして「強姦」と「『強姦』」のあいだ」の記事も、本文は「アサンジの逮捕容疑は、性行為中に避妊具が破れただけ」という流言を批判する内容なのに、「性行為中に避妊具が破れただけ」という見出しを付けられてしまっていて、とっても不満。性労働や性暴力についての記事なのだから、もうちょっとなんとかならないものかと思う。
てか、2ちゃんねるのスレのログを読むと、中には「この数値はいくらなんでもおかしい」と思った人はいたみたいで、そこまではメディアリテラシー的にいいと思うのだけれど、わたしがそのおかしな数値を宣伝していると解釈されて(この数値はおかしいと批判しているのに!)、わたしのことをダメフェミだと叩いている人まで出てくる始末。えらく選択的でご都合主義的なメディアリテラシー(笑)だなぁ、と思うのだけれど。ってべつにそれが悔しいからこのエントリ書いたわけじゃないですから!
【追記】
シノドスの芹沢さんと、この件についてツイッターで知ったなんばりょうすけさんが、ライブドアニュースに「『性行為中に避妊具を壊れただけ』という見出しはおかしいのではないか」と連絡を取ってくれたところ、なんと「不意打ちの性交渉でレイプではない」に変更された。かえって改悪で、信じられない。
とはいえこういうことがあると、あらためてシノドスという場のありがたさがよく分かる。シノドスだってたくさんの人にリンクをクリックしてほしい、記事を読んでほしいという事情はライブドアと同じだけれど、決してこんなひどい「釣り」的な見出しを付けてページビューを稼ごうとはしないもの。
そしてもちろんそれが成り立つのは、知的に誠実な編集姿勢を求める読者がお金を払ってシノドスの活動を支えてくれているから。これまで無料のシノドスジャーナルを読んでいた人も、ぜひメルマガα-Synodosの購読を考えてみてください。

13 Responses - “再確認:「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」は間違い”

  1. Tweets that mention 再確認:「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」は間違い 流言に対抗するために書いた記事が、流言のソースとして悪用されてしま Says:

    […] This post was mentioned on Twitter by Takashi, Kenichi Hinohara and others. Kenichi Hinohara said: RT @torakare: 小山エミさんのブログ記事「再確認:「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年 […]

  2. brother-t Says:

    >ところがシノドスとの提携により記事の提供を受けたライブドアニュースは、この記事へのリンクに「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という扇動的な見出しを付け、逆にパニックを煽ってしまった。そしてさらに2ちゃんねるにおいてそのライブドアニュースの記事を紹介するスレッド(ログ)が立てられた。
     これも事実に反するような気がします。2chの人たちはそれなりに理性的に受け止めているような気がします。
    レス数そのものが多くないしこんなレスもあるくらい
    >『子ども』とつきゃ偽善ぶった情弱どもがたんまり寄付を寄越すんだよ。 金集める為に、なんでガキを身銭切ってまで助けんきゃなんねーんだよ。
    だいたいガキの性的被害が減少したらウチらのメシの種なくなるだろうが!
    こちとら慈善事業でユニセフしてるんじゃねーぞ!
     悲しいかな2chの人たちはこの手のジャンルでは相当ましでレベルの高い受け手のような気がします。これが新聞やTVで受け手が高学歴な高齢者や女性たち(あなたの書いた文章を理解してくれる人は一見こういった人達が多いかもしれませんがそれはたんに高学歴を前提とした「ヲタク」的な存在と考えたほうが良いでしょう)だとしたらぞっとします。たぶんそのときは「2chのほうが東大よりもレベルが高いのでは」と思えるレベルの反応しかないでしょうから。
     これはもともとの問題を煽った教授と同じようなことをしている三浦展さんの反応なんかを見ると確信できます。
     きついとは思うのですが、日本でもトップレベルに判ってくれそうな一般人を相手にこの結果と受け止めて今後書いていくしかないのではないでしょうか?
     個人的には図表や数値が少ないのは正直なところどうかと思います。いうなれば「手抜き」かと、個人的には「2chの馬鹿どもが曲解する」といった反応をする知的階層は「2chと比較に値しないくらいダメ」だなぁと思います。
     愚痴を言う前にもう少し手間ひまをかける必要があるのではと感じるのですがいかがでしょうか?

  3. brother-t Says:

    >とはいえこういうことがあると、あらためてシノドスという場のありがたさがよく分かる。シノドスだってたくさんの人にリンクをクリックしてほしい、記事を読んでほしいという事情はライブドアと同じだけれど、決してこんなひどい「釣り」的な見出しを付けてページビューを稼ごうとはしないもの。
     こう言ったことを感じているうちはダメでしょうね。ヲタク的なインナーサークルの外に出せる論は書けません。
     やっていることはメイド喫茶で萌え談義しているヲタク以下でしょう。彼らは自分たちの談義をインナーサークルのものであると言う自覚があるし、その趣味と社会とのかかわりに対する配慮もしっかりしている。自分たちの場所を確保するのにきちんとした手間ひまお金をかけている。
     憂国というか憂社会的な傲慢さを感じないのは好感が持てます。逆に受け手をみずインナーサークルの言語をそのまま出して理解されないと愚痴るのは違うでしょう。
     受けてに通じる言語を考えないときついですよ。

  4. macska Says:

    brother-tさん、

    2chの人たちはそれなりに理性的に受け止めているような気がします。

    そうですね、理性的な人もいると思います。あと、理性的なんじゃなくて、ただ単に人身売買の被害者に冷淡なだけな人(だから煽られてもパニックに陥らない)もいるように思いました。

    こう言ったことを感じているうちはダメでしょうね。

    わたしが論者として未熟であるということでしたら、これからもっとがんばりますと言うしかないです。しかし、わたしが文句を言っているのは「受け手が理解してくれない」ということではなくて、ライブドアニュースの編集者が付けた見出しがおかしい、ということですよ。デマによってパニックを煽ることを批判している記事に「煽り」のような見出しを付けたり、「レイプではない」という主張を批判する記事に「レイプではない」という見出しを付けるなど、編集者の仕事として常軌を逸していませんか?
    もし一般の読者に理解してもらえないのだとしたら、それはわたしの実力や工夫が足りないのだと考えることもできます。しかし編集者が読者も論者もバカにしたような態度(釣り見出しで読者を騙してでもページビューを稼げればそれでいいということでしょうから)を取ることは、わたしの工夫でどうにかなる問題ではないでしょう? その点、シノドスは編集者が読者に対しても論者に対しても誠実な態度であり、貴重な言論の場だと感じているのです。

  5. brother-t Says:

    >macskaさん
     失礼しました。どうやら勘違いしていたようですね。
    >もし一般の読者に理解してもらえないのだとしたら、それはわたしの実力や工夫が足りないのだと考えることもできます。しかし編集者が読者も論者もバカにしたような態度(釣り見出しで読者を騙してでもページビューを稼げればそれでいいということでしょうから)を取ることは、わたしの工夫でどうにかなる問題ではないでしょう?
     ただlivedoorがどういった形でやっているかがいまひとつわからないのですが、ただ少なくとも記事を提供しないと言う選択肢がある以上、根本的にどうにかなる問題ではないでしょうか?
    >その点、シノドスは編集者が読者に対しても論者に対しても誠実な態度であり、貴重な言論の場だと感じているのです。
     多分最も責任があるのはシノドスであり、あくまでLivedoor側はシノドス側から提供を受けた記事を使って自分のポータルに集まるお客さんという市場の中でいかにPVを集めるかが仕事なのでシノドスが誠実、Livedoor側が不誠実というのは違うような気がします。もし不満があるならシノドス側が最悪提供を止めるなどの手段でLivedoor側と交渉すれば良いだけでLivedoor側が不誠実というならそれは=シノドスが不誠実ということではないかと思います。

  6. macska Says:

    brother-tさん、

    もし不満があるならシノドス側が最悪提供を止めるなどの手段でLivedoor側と交渉すれば良いだけでLivedoor側が不誠実というならそれは=シノドスが不誠実ということではないかと思います。

    シノドスはライブドアにお金をもらって記事を買ってもらっていますから、シノドスにとってライブドアはお客さまであり、あまり強くモノを言えない立場だと思います。にもかかわらず、芹沢さんは見出しがおかしいということについてライブドア側と交渉してくれました。
    ところがその結果、なぜか「レイプではない」という、さらにひどい見出しに変更されてしまった、というのが現時点までに起きたことです。ひとつの見出しをつけるのにそんなに時間をかけて記事を精読する余裕はないでしょうし、なにかのミスでおかしな見出しをつけてしまうことはありえると思うのですが、苦情への応答として変更するのにさらに間違った方向に変えてしまうというのは、たまたま起きたミスとは考えられないでしょう。こうなるともう、根本的にライブドアニュースのスタッフの姿勢がおかしいのではないかとわたしは思います。
    ただ、先に書いたようにシノドスにとってライブドアはお客さまですから、交渉するにしてもそんなに強い立場に出られるものではないでしょうし、経営に影響があるのでそう簡単に「記事提供を止める」みたいなことは言えないでしょう(が、芹沢さんはけっこう突っ込んだことを言ったようです)。このようなおかしな見出しを付けられることがあることもある程度承知のうえで、できるだけ是正してもらうようにこれからも交渉しつつ、取り引きは続けていきたい、というのが、シノドスの立場ではないでしょうか。もちろん、最悪の場合は最終的に記事の引き上げもアリでしょうが、いますぐそこまでエスカレートすることもないと思います。
    あと、brother-tさんは「勘違い」していた時点から、問題となった見出しの具体的な内容をスルーしているように思います。記事にそぐわない見出しをつけるということはそれ自体もちろん「よくないこと」ですが、わたしはただそれだけで文句を言っているわけではありません。ライブドアニュースは、「性暴力の訴えを矮小化するべきではない」という趣旨の記事に、わざわざ「レイプではない」という、性暴力の訴えを矮小化する見出しをつけたんですよ。これは、単に「記事にそぐわない見出しをつけた」こととはレベルの違う話であり、編集者としてだけでなく、人として非常識だと思います。

  7. brother-t Says:

    >macskaさん
    >シノドスはライブドアにお金をもらって記事を買ってもらっていますから、シノドスにとってライブドアはお客さまであり、あまり強くモノを言えない立場だと思います。にもかかわらず、芹沢さんは見出しがおかしいということについてライブドア側と交渉してくれました。
     それは違うでしょう。シノドスにとってはmacskaさんも同様にお客様(?)な訳ですから、Livedoorという大口のお客様に遠慮してmacskaさんの言論を納得いかない形で出したことに対して強くものが言えないということなら、それはあくまでシノドスが不誠実なだけです。たぶん他の問題であればmacskaさん同じようなことを言うのではと感じるのですがいかがでしょう?
    >あと、brother-tさんは「勘違い」していた時点から、問題となった見出しの具体的な内容をスルーしているように思います。
     ウィキリークスの問題に関してはどちらの立場もわかる(Livedoor側があくまでwebのアングラ文化の象徴的文化であるウィキリークス擁護にまわるのもそれにmacskaさん達が被害者のポジションで問題提起するのも)し、そもそもここのメインではないので保留するのですが、個人的には結局のところ内向けの議論をそのまま外に出す無理が祟ったのかなと感じます。
     結局macskaさんが元となった論で伝えたかったのは次の2点
    ・アメリカで「初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」という暴論が出た
    ・それはいい加減な前提でつくられたものであり注意が必要
     となると思うのですが結局様々な前提条件を共有できている内向けにはきちんと両方伝わっても、それができていない一般向けにはどう考えても前者のインパクトが大きすぎる、だからこそ見
    出しをいじるのは良い事ではないとは言え、それによってPVが稼げ配信側としては記事の価値が上がり書き手としては多くの人に伝わるメリットがあるwin-winという判断でとんでもニュース的な見出しを考えたのだと思います。
     これが良い悪いは別(というのはどちらの言い分もわかるので)としてLivedoorというメディアの個性なのだからそれについてどう考えるかその上でどう利用していくかはあくまで書き手の責任なのではないでしょうか?「シノドスに投稿する」=「Livedoorに変なタイトルで配信されるかもしれない」わけですからそこでLivedoorの倫理を問うても仕方ないのではと思います。
     まぁまとめるとシノドスに投稿する」=「Livedoorに変なタイトルで配信されるかもしれない」と言う前提で一般にも伝わるものをかけばよいのではないでしょうか?
     そういった意味で「初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」を例として挙げたことそのものが間違いだったのではないでしょうか?知っている人が多くないマイナーなニュースだけに結局そのインパクトだけに終始するのは仕方ないです。
     この事例であれば形は多少違うかもしれませんが三浦展さんが少し前に「今の20歳前後の女性はキャバクラ嬢になりたがっている」という暴論がありました。これに関してはamazonの書評を始め多くの反論があったので多分こんなことにはならなかったでしょう。
    http://www.amazon.co.jp/%E5%A5%B3%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%A9%E5%AC%A2%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%89%E6%B5%A6-%E5%B1%95/dp/4334034799/ref=pd_sim_b_3
     逆にいえばmacskaさんのやろうとしていたのはアメリカのメディアでこれを例にいろいろ書こうとしていたようなものです。果たしてそれがとおるのかよく考えてみる必要があるのではと感じるのですがいかがでしょう?
     

  8. macska Says:

    brother-tさん、

    それは違うでしょう。シノドスにとってはmacskaさんも同様にお客様(?)な訳ですから

    え、どうしてそうなるの? わたしは自分の書いた文章をシノドスに売っているのですから、シノドスこそわたしの客であり、その逆というのはおかしいでしょう。

    Livedoorという大口のお客様に遠慮してmacskaさんの言論を納得いかない形で出したことに対して強くものが言えないということなら

    いや、思ったより強くものを言ってくれたので、シノドスには誠意があると感じました。しかしそれだけ言われてもライブドアのほうはまったく動じないというのでは、どうしようもないでしょう。もちろんシノドスが記事提供を止める、あるいはわたしがシノドスには記事を書かないという選択肢はありますが、いますぐそこまでエスカレートするべきだとは思いません。

    たぶん他の問題であればmacskaさん同じようなことを言うのではと感じるのですがいかがでしょう?

    他の問題というのがなんのことだか想像できませんし、どういう意味かよく分かりません。どう考えてもシノドスはもともと落ち度がまったくないばかりか、問題が起きてから現実的に出来る限りのことをやってくれているし、ライブドアの対応はまったく不誠実だとしか思えませんが。

    ウィキリークスの問題に関してはどちらの立場もわかる(Livedoor側があくまでwebのアングラ文化の象徴的文化であるウィキリークス擁護にまわるのもそれにmacskaさん達が被害者のポジションで問題提起するのも)

    その認識こそが問題です。あなたが「どちらの立場も」と言うような、ウィキリークス擁護と性暴力被害者支援の対立の構図は、そもそも存在しません。対立しているのは、アサンジに対する容疑がレイプであるのかそうでないのか、という事実をめぐる相違であり、わたしが事実はこうであると指摘した記事に、ライブドアはあえて間違った見出しを付けて容疑を矮小化しようとしているのです。
    ウィキリークスを擁護するかどうかは、それとはまったく別の問題です(わたしもウィキリークスを擁護していますし)。議論をすり替えて「どっちもどっち」に無理やり持ち込むのはやめてください。問題は「事実を事実として報じるのかデマを広めるのか」「性暴力の訴えを真剣に受け止めるのか矮小化するのか」です。もしあなたが「事実もデマも等価である」というのであれば、たしかに「どっちもどっち」になるでしょうが。

    結局macskaさんが元となった論で伝えたかったのは次の2点

    ええええーーーっ、なにそれ? わたしの文章がヘタで工夫に乏しいから理解しにくいのかもしれないけれども、そこまでひどく誤読されるほどダメな文章だとはまったく思っていませんでした。もし本当にわたしの文を読んだのであればちょっとありえない無茶苦茶な解釈ですよ。正直に、「実はちゃんと読んでいなかった」と言ってくださいよね?

    Livedoorというメディアの個性なのだからそれについてどう考えるかその上でどう利用していくかはあくまで書き手の責任なのではないでしょうか?

    とっくにそれくらい考えたうえで批判を書いていますが、だから何?

    まぁまとめるとシノドスに投稿する」=「Livedoorに変なタイトルで配信されるかもしれない」と言う前提で一般にも伝わるものをかけばよいのではないでしょうか?

    そういう前提で書いたとしても、「レイプでないというのはデマである」という内容の記事に「レイプではない」という見出しを付けられたら、やっぱりそれは批判するのがあたりまえでしょ。なんでそれにあなたが延々と文句をつけてくるのか、理解に苦しみます。

  9. brother-t Says:

    >macskaさん
    >え、どうしてそうなるの? わたしは自分の書いた文章をシノドスに売っているのですから、シノドスこそわたしの客であり、その逆というのはおかしいでしょう。
     「知的に誠実な編集姿勢を求める読者がお金を払ってシノドスの活動を支えてくれているから」と書いてあったのでそう解釈したのですが、逆にそういうのならその支えてくれている中で大きな存在がLivedoorなのでシノドスは誠実、Livedoorは不誠実というのは違うと思います。
    >その認識こそが問題です。あなたが「どちらの立場も」と言うような、ウィキリークス擁護と性暴力被害者支援の対立の構図は、そもそも存在しません。対立しているのは、アサンジに対する容疑がレイプであるのかそうでないのか、という事実をめぐる相違であり、わたしが事実はこうであると指摘した記事に、ライブドアはあえて間違った見出しを付けて容疑を矮小化しようとしているのです。
     取り敢えずレイプ事件に関しては書くつもりがないのでこちらのコメントに書いたのですが、個人的なスタンスは「どっちもどっち」ではなく、「今わかっている情報でなにかしら書きたくない」と言ったところでしょうか?少なくとも相当ななんくせでカリスマ経営者を失ったライブドアにとって、レイプ問題を認めるか否かがそれが間違っていてもこの問題にとって大きなことであるので別問題にできないという気持ちは分かるし、じゃぁレイプ被害者を蔑ろにして良いのかというのもわかるし、取り敢えず結論を焦るとろくなことにならなそう(白黒つけろとなるとセカンドレイプになりかねない)なので保留と解釈してください。
    >ええええーーーっ、なにそれ? わたしの文章がヘタで工夫に乏しいから理解しにくいのかもしれないけれども、そこまでひどく誤読されるほどダメな文章だとはまったく思っていませんでした。
     取り敢えずウィキりーくすの話と解釈してくれといわれたら無理です。少なくとも私が書きたかったのは通じる前提条件のないメディア(シノドス=Livedoor)で解釈してほしい風に解釈されないと愚痴るのは違うだろうということです。
    >そういう前提で書いたとしても、「レイプでないというのはデマである」という内容の記事に「レイプではない」という見出しを付けられたら、やっぱりそれは批判するのがあたりまえでしょ。なんでそれにあなたが延々と文句をつけてくるのか、理解に苦しみます。
     そこに文句というか何か言うつもりはないです。だったら前記事のコメント欄に書いています。

  10. macska Says:

    brother-tさん、

    逆にそういうのならその支えてくれている中で大きな存在がLivedoorなのでシノドスは誠実、Livedoorは不誠実というのは違うと思います。

    そう、シノドスを支えているのは「知的に誠実な編集姿勢を求める読者」だけではなく、ライブドアニュースもシノドスを支えているお客さまの一つでしょう。だからこそ、シノドスの経営上、「知的に誠実な編集姿勢を求める読者」の割合が増えてくれれば、ライブドアニュースのような大手のお客さまに対する依存度が下がり、交渉するにしてももっと強い立場が取れるようになると言っているのです。

    個人的なスタンスは「どっちもどっち」ではなく、「今わかっている情報でなにかしら書きたくない」と言ったところでしょうか? (…) 取り敢えず結論を焦るとろくなことにならなそう

    レイプが実際にあったかどうか立場を明らかにしろ、なんて言っているわけではないですよ。容疑がレイプであるのかないのかという点について、事実を伝えることと、デマを伝えることは、あなたのなかで等価なのかと言っているのです。
    わたしは一貫してレイプ容疑の真偽について「結論を急ぐな」と主張しており、それに対して「結論を急いでいる」のはライブドアの側ですよ。もしあなたが「結論を急ぐな」と考えているのでしたら、どうしてライブドアではなくわたしにイチャモンをつけているのですか?
    だいたい、アサンジの記事に関していえば、「相当ななんくせでカリスマ経営者を失った」というライブドアに特有の事情があったことを認めたとしても、性的人身売買に関するパニックを批判した記事に「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という見出しを付けることの理由にはならないですよね。さらに、ウガンダの「反同性愛法」と米国の同性愛者運動について扱った記事の見出しは、「国民の数割にまでHIV感染が蔓延」になっていました。
    わたしから見ると、こうしたライブドアニュースの編集姿勢は、俗情にアピールするような「釣り」見出しを付けて読者を騙してページビューを稼ごうとしているように見えます。その際、本文の内容にそぐわないような見出しをつけても平気どころか、本文の主張と正反対の見出しや、本文が「こういう扱いはいけない」と書いている通りの「いけない扱い」をすることも、まったく気にしないようです。ページビューを稼がなければいけない事情は分かりますが、著者だけでなく、読者までバカにしすぎだと思います。

    少なくとも私が書きたかったのは通じる前提条件のないメディア(シノドス=Livedoor)で解釈してほしい風に解釈されないと愚痴るのは違うだろうということです。

    何度も言う通り、読者に伝わらないとしたらそれはわたしの責任ですが、編集者がわざと内容と正反対の、しかも性暴力の訴えを矮小化するような見出しをつけることは、批判されて当たり前でしょ。それともあなたは、編集者はどんな編集を行っても一切なんの責任も生じないと?

  11. brother-t Says:

    >macskaさん
    >そう、シノドスを支えているのは「知的に誠実な編集姿勢を求める読者」だけではなく、ライブドアニュースもシノドスを支えているお客さまの一つでしょう。だからこそ、シノドスの経営上、「知的に誠実な編集姿勢を求める読者」の割合が増えてくれれば、ライブドアニュースのような大手のお客さまに対する依存度が下がり、交渉するにしてももっと強い立場が取れるようになると言っているのです。
    う~ん、どうだろう?まず根本的な問題はシノドス側がLivedoor側に配信する際の事前の詰めがあますぎることにあるような気がします。シノドス側が事後に交渉したことを誠実だと言っていますが、個人的には先に配信する際のリスクを考えてなかっただけとしか思えません。
     そもそも論としてはmacskaさんのように知的に誠実な編集姿勢を求める読者」向けメディアと勘違いして書く筆者がいる中で一般向けメディアに配信するなら相当注意してその辺をつめて行かなくてはならないのにそれを怠るのは不誠実以外の何ものでもないでしょう。
     あとシノドスがお金だけを目当てにLivedoorと組んでいるとすれば有料読者の増加は大きいのですが、結局メディアとして影響力(両者は求める人数の桁がいくつも違うので別物)を持ちたい部分(そうすればSPAみたいにメンバーに仕事をくれるメディアも増えるしね)はあるだろうからそうとは言い切れないのでは。
    >だいたい、アサンジの記事に関していえば、「相当ななんくせでカリスマ経営者を失った」というライブドアに特有の事情があったことを認めたとしても、性的人身売買に関するパニックを批判した記事に「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という見出しを付けることの理由にはならないですよね。
     いや根本的に私が書きたいのは後者だけであり後者の件に関しては、もともとの事件がそれほど流通していないために面白記事を配信する通信社の役割をメインにされてしまったというのは前に書いたとおりなのですが。
    >わたしから見ると、こうしたライブドアニュースの編集姿勢は、俗情にアピールするような「釣り」見出しを付けて読者を騙してページビューを稼ごうとしているように見えます。その際、本文の内容にそぐわないような見出しをつけても平気どころか、本文の主張と正反対の見出しや、本文が「こういう扱いはいけない」と書いている通りの「いけない扱い」をすることも、まったく気にしないようです。ページビューを稼がなければいけない事情は分かりますが、著者だけでなく、読者までバカにしすぎだと思います。
     それで成り立っているのならそれはそれでありだろうし、シノドスもそれをある程度容認しているから出しているのでしょう。極論をいえば今回は形ばかり交渉はしたかもしれませんが、Livedoorがああいった出し方をしているというのはシノドスの意思でもあるのではと感じます。要は「知的に誠実な編集姿勢を求める」とは180度違う読者にも伝えたいと。誠実なメディアも必要ですが、読者を馬鹿にし煽るメディアも必要。
    >何度も言う通り、読者に伝わらないとしたらそれはわたしの責任ですが、編集者がわざと内容と正反対の、しかも性暴力の訴えを矮小化するような見出しをつけることは、批判されて当たり前でしょ。それともあなたは、編集者はどんな編集を行っても一切なんの責任も生じないと?
     この場合編集者はシノドス編集部、読者はライブドア編集部と考える必要があります。取り敢えず編集者は基本的に読者がどんな引用(この場合は配信時のタイトル)をしても良いというスタンスを結果的には取っているとなると書き手はどこに書くかも含めてしっかりしないといけないような気がします。

  12. macska Says:

    brother-tさん、

    まず根本的な問題はシノドス側がLivedoor側に配信する際の事前の詰めがあますぎることにあるような気がします。

    そんなばかな。何もかも事前に全て詰めておくことなんてできるわけがありません。「レイプではないというのはデマである」という記事に「レイプではない」という見出しをつけてしまうのは明らかに非常識であり、事前にどうこうしておけるような問題ではないでしょ。
    たとえばですよ、わたしが以前シノドスに寄稿した、ウガンダの「反同性愛法」についての記事(ウガンダ「反同性愛」法案と、国際的なセクシュアルマイノリティ運動の可能性)があります。あの記事がライブドアニュースに掲載されたときは、「国民の数割にまでHIV感染が蔓延」という見出しが付けられました。
    この見出しも、わたしにとっては不満です。あの記事の主題はウガンダにおける同性愛者に対する迫害であり、そしてそれに対する米国の性的少数者運動の反応の問題点ですから、HIV感染がどれだけ蔓延しているかということは、本題からはかなり外れています。同性愛者の権利だとか植民地主義の問題を見出しにあげないことを批判することもできるでしょう。
    しかし、そのことでライブドアニュースの編集方針をこれほど批判しようとは思いません。なぜならウガンダの記事の見出しは、本題とは全然違うものではあるものの、記事の内容を真っ向から否定したり、デマの拡散や犠牲者非難を行うものではない、「単なるピント外れ」でしかないからです。この程度なら、ライブドアニュースというメディアの(シノドスとは異なる)性質を考えれば、許容範囲だと思います。
    でもライブドアニュースがここ2回の記事で掲載した見出しは、記事の内容を真っ向から否定するばかりか、記事において「これはやってはいけない」と主張することを、見事にそのまま行うようなものです。雑誌などほかのメディアでも、見出しに誇張や煽りっぽい記述が見られることはよくありますが、これほどまで本文と逆行するような見出しをつけることは滅多にないと思います。それくらい、メディア業界のスタンダードに比べても、到底ありえない、まったく非常識な見出しを付けているのです。

    個人的には先に配信する際のリスクを考えてなかっただけとしか思えません。

    考えたうえでリスクを取ったところ、問題が起きたから、それに対処しているだけでしょ。どうして「詰めがあますぎる」「リスクを考えてなかった」と、知りもしないことにそれほど確信を持てるのでしょうか?

    あとシノドスがお金だけを目当てにLivedoorと組んでいるとすれば有料読者の増加は大きいのですが、結局メディアとして影響力(両者は求める人数の桁がいくつも違うので別物)を持ちたい部分(そうすればSPAみたいにメンバーに仕事をくれるメディアも増えるしね)はあるだろうからそうとは言い切れないのでは。

    相手に対する依存度が減れば交渉力が強くなるという当たり前のことを言っているだけなんですが、なんでこんなに絡んでくるんでしょう?

    要は「知的に誠実な編集姿勢を求める」とは180度違う読者にも伝えたいと。

    そういう読者にも伝えたいと思っているかもしれませんが、だからといってシノドスはデマを広めることをよしとはしないと思います。

    この場合編集者はシノドス編集部、読者はライブドア編集部と考える必要があります。

    なに無茶苦茶言ってるんですか。記事に見出しを付けサイト上に公開している側の人たちがただの「読者」のはずがないでしょーが。

    取り敢えず編集者は基本的に読者がどんな引用(この場合は配信時のタイトル)をしても良いというスタンスを結果的には取っているとなると

    だからですね、ライブドアは「読者」ではないし、シノドスの記事を「引用」しているわけでもないのに、無理やり「読者の引用」にすり替えるから、おかしな結論がでてくるわけです。
    そろそろ、いい加減にしてくださいね。

  13. toruotの日記 Says:

    訂正の作法
    ひとになにか説明するときに、間違って覚えられてしまうパターンというものがあるそうです。 「忘却からの帰還: 否定論者と戦うときに Again」 http://transact.seesaa.net/article/178910723.html 特…

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