アメリカ大統領選挙がわかるようになる「10の地域」マップ

2006年7月1日 - 2:37 AM by admin

今回紹介するのは Massachusetts Institute for a New Commonwealth (MassINC) という政策研究機関が作成した「10の地域」という米国政治情勢マップ。かなり前に米国で話題になったのだけれど、日本語圏ではまだ紹介されていないようだし、最近ある人とチャットしていた時に話題にしたら「それはブログで紹介したら」と言われたのでそうしようと思う。少し古くなっているけれど、「南部と北部」とか「都市部と田舎」程度の分類では分かりにくい地域ごとの政治の動きがよく分かるマップなので、参考にして損はないと思う。 Read the rest of this entry »

『バックラッシュ!』キャンペーンブログ内連載『ポップ×フェミ』のご案内

2006年6月29日 - 11:25 AM by admin

考えてみればこれまで正式にわたしが寄稿している双風舎『バックラッシュ!』や、chiki さんと一緒に運営している発売記念キャンペーンブログについて案内してこなかったのだけれど、そちらのブログで『ポップ×フェミ』という連載をやっています。もしかするとそれらの記事の存在をご存知なかった人もいるかもしれないので、一応ここで案内しておきます。 Read the rest of this entry »

上野千鶴子氏『バックラッシュ!』掲載インタビューのバックラッシュ性

2006年6月26日 - 7:34 PM by admin

ついに発売された双風舎『バックラッシュ!』。その宣伝用キャンペーンサイトを現在も chiki さんとわたしで毎日更新中なのだけれども、実際に『バックラッシュ!』を受け取ってみたら、やはり危惧された内容が掲載されていた。というより、これまでフェミニズムの内外でジェンダーフリー論争に参加しながらすっきりしなかったネガティヴな部分が、はっきり示されたような気がする。上野千鶴子氏のインタビュー「不安なオトコたちの奇妙な〈連帯〉——ジェンダーフリー・バッシングの背景をめぐって——」のことだ。 Read the rest of this entry »

仲正昌樹著『ラディカリズムの果てに』のラディカルなコメント改竄

2006年6月6日 - 4:58 AM by admin

gerling さんからトラバがあり、仲正昌樹さんの新著『ラディカリズムの果てに』においてこのブログが言及されていると知る。とりあえずわたしに対する批判じゃなくて、わたしのブログにおいてコメントした北田暁大さんを批判するという内容らしいのだけれど、これがおかしな批判となっている。わたしはこの本を入手していないので引用は gerling さんからの受け売りだけれど、こんな記述があるらしい。 Read the rest of this entry »

誰でも分かる「ジェンダーがセックスを規定する」の意味とその意義

2006年5月30日 - 4:08 AM by admin

ここ数年、保守論者が「ジェンダー」概念をバッシングするためにフェミニストの著書から「ジェンダーがセックスを規定する」という記述を見つけてきて、それを「男女の生物学的な性差はほとんどない、全ては社会によって作られるのだ」とトンデモ解釈して宣伝したのは、かれらにしてはなかなか頭脳的な戦略だったかもしれない。「ジェンダーがセックスを規定する」というのは、ジェンダー論を学んだり研究したりしているフェミニストにとっては常識的な認識だけれども、一般の人や、「セックス=生物学的性差/ジェンダー=社会的・文化的性差」という定義を教え込まれて信じていたその他のフェミニストにとっては訳の分からない命題だもの。最近、別の専門分野を持つある学者さんがブログで「そんな馬鹿な」的な反応を見せていたけれど、専門知識のない比較的頭のいい人の反応としてそれが普通だとわたしだって思う。 Read the rest of this entry »

「スピリチュアル・シングル論」は、マイノリティをダシにしたマジョリティのための自己啓発セミナーだ

2006年5月29日 - 3:37 PM by admin

前回、伊田広行氏のパフォーマンスを批判した文章を書いたのだけれど、かれの考え方の中心理念らしい「スピリチュアル・シングル論」というのがちょっとよく分からなかった。唯一、斉藤正美さんによる「しかし、男性の立場性を見直すことをせず、自分だけは『スピリチュアル・シングル』であることを主張し、女はジェンダーに囚われていると説教する」といった間接的な記述から、「なるほど、自分は社会的属性から自由な個だと思い込むという、社会的強者にのみ許された『素朴さ』を肯定しちゃうモノなのか」みたいに受け取った。というのは、もちろん意地悪な解釈であって、伊田さんが読めば「全然違う」と言うということは、だいたい想像が付くけどさ。 Read the rest of this entry »

フェミニズムを私物化する男性ジェンダー研究者

2006年5月28日 - 7:38 PM by admin

以前から伊田広行(イダヒロユキ)という人物の自己陶酔的な言説とパフォーマンスには呆れていたのだけれど、今回の発言は限度を超えた。かれが運営する「ソウル・ヨガ」という恥ずかしい名前のブログの最新記事「バックラッシュ批判本が出揃う!」でわたしが関与している双風舎刊『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか』に触れる際、何の根拠も示さずに「執筆者のひとり、山口智美さんなどは、かなりフェミニズムを誤解しておられるようだし」と書いた件だ。この際言っておくが、山口さんを執筆陣に加えるよう双風舎に掛け合ったのはこのわたしだから、もし山口さんが「かなりフェミニズムを誤解している」のであればその山口さんの業績を評価し推薦したわたしだって大いに誤解しているということになる。 Read the rest of this entry »

米国外交当局の視点から見た「慰安婦」問題:議会調査局報告・解説

2006年4月25日 - 9:01 PM by admin

先日「日本軍『慰安婦』問題についての米国議会調査局の報告書」を紹介したが、それについて危惧した通りというかやっぱりというか、早速サヨク・ウヨク双方から奇妙なリアクションが起きているので、多少解説というかコメントをつけてみたい。 Read the rest of this entry »

日本軍「慰安婦」問題についての米国議会調査局の報告書

2006年4月20日 - 4:56 PM by admin

以下に掲載するのは、米国議会図書館の調査部門である議会調査局のラリー・ニクシ調査員(アジア問題専門)が2006年4月10日に議会に提出した日本軍「慰安婦」問題についての報告書です。議会調査局は過去にも日米関係の報告書などにおいて慰安婦問題を取り上げていましたが、慰安婦問題自体を主題に扱った報告書はこれがはじめてです。これは、現在イリノイ州選出のエヴァンズ下院議員を中心に慰安婦問題における日本政府の取り組みの不十分さを非難する決議が議論されているのをうけてのことだと思われます。
議会調査局は議員の委託を受けて外交問題はじめさまざまな問題について調査する公的シンクタンクですが、報告書は原則として公開文書であるにも関わらず、内容はおろかその目録すら一般市民が直接入手することはできないようになっています。これは、議会調査局の役割が法律上「議会に」情報を伝えることとなっていて、一般市民に直接情報を伝える目的も権限もないからということらしいですが、そのこともありおそらくこの文書をネットで公開しているのは現在ではこのサイトだけかもしれません。というか、この報告書は現時点では新しすぎて議会内イントラネットにすら掲載されていないらしいので、議員ですら入手困難だったりします。(わたしは一部報道によってこの報告書の存在を知り、ブルーメナウアー下院議員のスタッフに直接ニクシ氏に電話してもらって入手しました)。できれば翻訳か解説を付けて公開しようかと思ったのですが、資料としての重要性を考え、とりあえず原文だけ公開します(ので、他のもっと詳しい人よろしく)。 Read the rest of this entry »

「パス」と「リード」:トランス業界における奇妙な方言について

2006年3月26日 - 4:54 PM by admin

トランスセクシュアル業界(というと語弊があるな、TSコミュニティとでも言っておこうか)の方言として、「パス」(パッシング)と「リード」という言葉がある。これは米国のトランスコミュニティで長年使われてきた言葉で、日本でもほとんど同じ意味で使われているようなのだけれど、最近その用法が一般的なこれらの言葉本来の意味からかなり倒錯していると思うようになった。 Read the rest of this entry »