postcolonialArchive for the Category

北米社会哲学学会報告2/結婚制度、リベラリズム、中立原理の限界

2008/08/04 月曜日 - 21:09:33 by admin

前回に続き、北米社会哲学学会@ポートランド大学からの報告。今回取り上げるのは、「結婚」をテーマとした3つの発表。これぞ哲学という感じにイマヌエル・カントの倫理理論と結婚観を「メール・オーダー・ブライド」と比較しつつ批判した、Matthew Altman の発表と、リベラリズムにおける中立原理がどのような結婚制度を要請するかというElizabeth Brakeによる発表を紹介する。

性犯罪をめぐる二つの思想が混じり合った米軍「統一軍事裁判法」

2008/06/29 日曜日 - 01:21:14 by admin

米軍海兵隊員四人が広島市で女性に対して集団で性暴力をはたらいた事件で、加害者の有罪と不名誉除隊が確定した。しかし、より深刻なレイプ(強姦)の罪状は取り下げられ、懲役一年という軽い刑罰となったことで、「『軍事基地と女性』ネットワーク運営委員会」は抗議声明を発表している。その中で、同委員会が「驚いたことに米軍側の主張によれば、昨年統一軍事裁判法における『強かん』の定義を『誘拐や暴行を加えて同意なく性行為をすること』と変更したので『女性が明らかに同意していなかったのに性交渉した』ことは『強かん』にはあたらず、『不正な性的接触とみだらな行為』(”wrongfulsexual contact and indecent acts”)にすぎないというのである」と訴えていることが気になったので、軍事裁判法を少しばかり調べてみた。

黒人保守論客シェルビー・スティールが語る「それでもオバマが勝てない理由」

2008/02/21 木曜日 - 18:37:37 by admin

米国大統領選挙の民主党指名獲得競争ではこのところバラック・オバマ候補が好調。ほんの数ヶ月前には組織のしっかりしたクリントン候補には到底かなわないという声も聞かれていただけに、オバマ候補の最近の勢いはすごいと思うのだけれど、それでもオバマは勝てないと近著「A Bound Man: Why We Are Excited About Obama and Why He Can’t Win」で主張している黒人保守系政治評論家の Shelby Steele のトークに参加する機会があったので、報告する。

慰安婦「否定論」の信憑性を高めてしまうVAWW-NET Japan抗議声明

2008/01/03 木曜日 - 16:45:00 by admin

先月、米国に続いて欧州議会においても第二次世界大戦時における日本軍「慰安婦」問題に関する決議が出たが、それを受けての12月15日付けの読売新聞の社説「慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だ」がけしからんとの抗議声明が VAWW-NET Japan(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)から回ってきた。

議会調査局「慰安婦」報告書について追記

2007/04/27 金曜日 - 19:05:01 by admin

昨年、米国議会調査局がはじめて作成した「日本軍の慰安婦問題」報告を他のサイトにさきがけてわたしのブログで公開し、またその解説も書いた。その後、議会の支配権が共和党から民主党に移り、また日本でも安倍政権になってより過激な歴史修正主義的発言が聞かれるようになるなどこの問題がさらに注目を集める中、今月はじめには報告書の増強版が Japan Focus のサイトにおいて公開された。それに関連して、当ブログの昨年のエントリのコメント欄にある質問が書き込まれた。陰謀論が広まってしまうのは困るので、追記しておく。

地雷を地雷と知りつつ踏み抜くような大隅典子氏の「人種の差」論

2006/07/27 木曜日 - 00:11:57 by admin

先日ジェンダー論争関係で大隅典子さんにメールしたところ真摯なお返事をいただいて嬉しかったのだけれど、その大隅さんがブログの最新記事「人種の差」に書かれていることはいくらなんでもちょっと酷すぎだと思うのでこの場でコメントしておきます。

米国外交当局の視点から見た「慰安婦」問題:議会調査局報告・解説

2006/04/25 火曜日 - 21:01:38 by admin

先日「日本軍『慰安婦』問題についての米国議会調査局の報告書」を報告したが、それについて危惧した通りというかやっぱりというか、早速サヨク・ウヨク双方から奇妙なリアクションが起きているので、多少解説というかコメントをつけてみたい。

日本軍「慰安婦」問題についての米国議会調査局の報告書

2006/04/20 木曜日 - 16:56:57 by admin

以下に掲載するのは、米国議会図書館の調査部門である議会調査局のラリー・ニクシ調査員(アジア問題専門)が2006年4月10日に議会に提出した日本軍「慰安婦」問題についての報告書です。

「完璧な愛」が隠蔽する国際養子制度の帝国主義的歴史

2006/01/28 土曜日 - 03:35:01 by admin

ここのところ林道義氏とのくだらないやり取りが続いてしまって、以前からの読者が離れてしまったのではないかと心配になってきたのだけれど、今回以前別ブログで少し触れたところリクエストがあった「国際養子縁組問題」について取り上げる。

重なり合うエキゾティシズム:ハワイ観光産業と「トランスジェンダーの売春婦」番組

2005/08/16 火曜日 - 18:37:59 by admin

14日付のホノルル・アドバタイザー紙の記事で、今月末にケーブルテレビ局HBOで放映される予定のドキュメンタリ番組「Downtown Girls: The Hookers of Honolulu」及びそれに対するハワイ観光当局筋の懸念について読む。