2010/12Archive for

再確認:「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」は間違い

2010/12/27 月曜日 - 03:00:19 by macska

シノドスに寄稿させていただいた「『テロ戦争』化しつつある、反『セックス・トラフィッキング=性的人身売買』運動」という記事において、米国の政治論議やメディアなどで広く流布しているある数値について書いた。それは「売春をしている人が、はじめて売春を行った時点での平均年齢は一三歳である」というものであり、同記事中で明快に指摘した通り、事実に反する。

ところがシノドスとの提携により記事の提供を受けたライブドアニュースは、この記事へのリンクに「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす」という扇動的な見出しを付け、逆にパニックを煽ってしまった。そしてさらに2ちゃんねるにおいてそのライブドアニュースの記事を紹介するスレッドが立てられた。そのスレッドのタイトルは、さらに扇動的なトーンを増した「少女を誘拐し性奴隷として売り飛ばす……初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」というもの。結果として、まるでわたしが記事において「初めて売春を行う時点の平均年齢は13歳」と主張しているかのようになってしまった。

ウィキリークスのジュリアン・アサンジ逮捕をめぐる流言、そして「強姦」と「『強姦』」のあいだ

2010/12/26 日曜日 - 21:30:34 by macska

二〇一〇年秋頃より米国の軍事・外交文書をインターネットや既存メディアを通して大量に暴露し、世界中の話題をさらったウィキリークスの責任者、ジュリアン・アサンジの英国での逮捕劇については、確かな情報がごく限定的にしか伝えられていないにも関わらず、ウィキリークスやアサンジの行動を支持する側、またそれらを非難する側の双方の論者により、憶測やうわさ話をまじえて、さまざまな意見が交わされている。

この問題に関心を持つ多くの人が知るように、アサンジの逮捕用件は、実のところウィキリークスの活動とはまったく関連がない。英国滞在中のかれに対する逮捕状がスウェーデンで出され、国際刑事警察機構によって国際指名手配されたのち出頭・逮捕、そして保釈された容疑は、二人の女性に対するレイプ、性的暴行、不法な性行為の強要というものだ。

「テロ戦争」化しつつある、反「セックス・トラフィッキング=性的人身売買」運動

2010/12/15 水曜日 - 20:19:19 by macska

リュック・ベッソン製作・脚本、リーアム・ニーソン主演の映画『96時間』(2008年、原題 Taken)は、製作上フランス映画ながら、米国人の多くが抱える不安とファンタジーを体現したアクション・スリラー作品だ。ニーソンが演じる主人公は、十代後半の娘との関係を修繕するために仕事を引退した元CIA特殊工作員。ところがその娘がヨーロッパを旅行中、犯罪組織に誘拐され、性奴隷として地下オークションにかけられてしまう。娘の誘拐を知った主人公は、特殊工作員だったころの人脈とスキルを活用して、犯罪者たちを追跡し、拷問にかけ、殺していった末に、娘を無事取り戻すことに成功する。しかし、この映画の世界観がフィクションにとどまらず、現実に展開されつつあることを知る人は、あまりいない。