水原さんへお返事(映画「ミリオンダラー・ベイビー」ネタバレ)

2005年2月25日 - 3:09 PM by admin

シンポジウム参加のため訪れていたニューヨークから昨夜帰宅。空港に向かう前に少し時間があったので、泊めてもらったイーストハーレムの知人宅からバスでセントラルパークへ行き、最近話題の屋外インストレーション「The Gates」を見ることができた。合計23マイルにも及ぶセントラルパークの遊歩道にオレンジ色の布をたなびかせたものなのだけれど、背景に見える先週降った雪の残りと剥き出しになった土があまりにみすぼらしいので、もう少し暖かい季節だったら良かったのにと思った。
さて、今回話題としたいコトはそれとは前々関係なく、先週このサイトに載せた「障害者運動と映画『ミリオンダラー・ベイビー』」について水原文人さんから受けた批判(というか、誤解もしくは言いがかりだとわたしは思うのだけれど)について、コメント欄での議論が長引いたので新たなエントリとしてまとめて回答することにします。前回に引き続き「ネタバレ」の危険があるので、映画の内容について知りたくない方は以下は読まないでください。 Read the rest of this entry »

シンプソンズ「同性婚エピソード」の後味悪い大転回(注意:ネタバレ)

2005年2月21日 - 12:27 PM by admin

最近この手の話が増えてきているけど、tummygirlさんも紹介していた通り半年以上前から話題となっていた(大人向け)アニメ番組シンプソンズにおける「メインキャラクタの一人が同性愛者としてカミングアウトする」エピソードが昨日放映された。このエピソードについては、事前に「スプリングフィールドで同性婚が合法化される」「ホーマーがインターネットを通して聖職者の資格を得て、同性婚を執り行う」「パティが女性と付き合う」というプロットが噂としてコアなファンの間では伝わっていた。と同時に「最後に大きな転回がある」という話も伝わっていたこともあり、「パティが同性と付き合うという話がそんなに早くリークされるのはかえっておかしいのではないか、同性愛者としてカミングアウトするのは別のキャラクタかもしれない」など深読みしてしまったけれど、実のところその「大転回」はあまり後味の良いものではなかった。例によってネタバレ全開で行くので、話の筋を知りたくない人は読まないように。
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障害者運動と映画「ミリオンダラー・ベイビー」(注意:ネタバレ全開)

2005年2月15日 - 9:38 PM by admin

映画評論家の町山智浩さんが日記で映画「ミリオンダラー・ベイビー」がテーマとするある社会的論争に関連して、「去年亡くなったハリウッド俳優の長年にわたる死闘」との関わりからアカデミー会員であるハリウッド業界人たちにとっては「投票しにくい」作品だろう、とコメントしている。でも、別の視点から見ると、映画が伝えるメッセージと、「去年亡くなったハリウッド俳優の長年にわたる死闘」が伝えるメッセージが正面から衝突しているというのは違うのではないかと感じたので、以下にちょっと書いてみる。なお、うちのサイトは映画紹介サイトではないのでネタバレ全開行くので、映画の筋を知りたくない人は以下は絶対に読まないように。
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「ブレンダと呼ばれた少年」が刑事ドラマのモチーフに

2005年1月20日 - 2:31 PM by admin

引き続きポップカルチャーネタ。今週のNBC「Law & Order: Special Victims Unit」で、かの「ブレンダと呼ばれた少年」の実話をモデルとしたと思われる素晴らしいエピソードがあった。「Law & Order」というのはいわゆる刑事ドラマで、そのうち Special Victims Unit と呼ばれるシリーズはニューヨーク市警察の性犯罪捜査班を舞台とした物語だ。そういえばほんの数ヶ月前にはライバル番組のCBS「CSI: Crime Scene Investigation」でトランスジェンダーについてのかなり良質のエピソード(著名なトランスジェンダー活動家をコンサルタントとして加えて製作された)があったけれど、この種の犯罪捜査ドラマでいろいろとクィアなジェンダー&セクシュアリティの問題を真面目に取り上げるようになったのは、それが商業主義と言われればそれまでだけど、良い傾向だと思う。 Read the rest of this entry »

わたしの愚痴を聞いてくれなかった「アイアン・シェフ・アメリカ」

2005年1月19日 - 5:46 AM by admin

料理専門ケーブル局フード・ネットワークでやっと「料理の鉄人」米国版「アイアン・シェフ・アメリカ」放送開始。やっとというのは、去年パイロット版として日本から本物の鉄人を呼んで米国人の新鉄人と対決というのを特別番組としてやっていて、オリジナルの日本版にこだわりがあったわたしはいろいろと不満な点もあったのだけれど、それ以来何も無かったのを寂しく感じていたから。知っている人も多いと思うけれど、日本での放送が終わってからもアメリカでは日本の「料理の鉄人」が英語吹き替えで延々と再放送され続けていて、わたし自身、周囲の友人とともに多分通算100回分くらいは見ているくらいハマっていたりする。 Read the rest of this entry »

同性愛爆弾

2005年1月17日 - 3:27 PM by admin

16日付のロイター通信より。米空軍の研究班が、非殺傷系の化学兵器の一環として「敵の兵士のあいだで同性間セックスを蔓延させるための化学物質」の研究を提案していたことが情報自由法に基づく情報開示で明らかになった。実際にこの提案は国際条約にも違反するとかで破棄されて実現には至らなかったとのことだけれど、そういう事を思いつく連中というのは発想が豊かなんだか貧しいんだか。士気を下げることが目的だそうだけど、かえって団結して向かって来るとは考えなかったのかな?

「正義の暴力」がもたらす認知の歪み、そして社会がゲームを非難できない理由

2005年1月7日 - 9:50 PM by admin

けっこう話題になってるみたいだけど、読売新聞の記事「ヒーローものゲーム、子供の攻撃性増加の可能性」を読む。お茶の水女子大の社会心理学者・坂元章教授らの研究によれば、ただ単に暴力的な描写の激しいゲームで遊んでいる子どもより、魅力的な主人公が正義のために暴力をふるうゲームで遊んでいる子どもの方が「攻撃性」が増加する傾向があるという内容。非常に興味深い研究成果だと思う。 Read the rest of this entry »

ミーガン法の「資料室」、一般公開

- 1:16 AM by admin

ここ数日のあいだ、寝る間も惜しんで(というのはウソで、昔からのクセでプログラミングや執筆に集中すると寝ようにも寝られなくなってしまう)作成していたプロジェクト、「ミーガン法のまとめ @ macska dot org」を発表します。このサイトは、ここ2週間ほどのあいだメーリングリストやブログを通してわたしが関わってきたミーガン法関連の議論で取り上げてきたさまざまな資料を全て一カ所にまとめた「資料室」的な性格のものです。ただ、明らかに一方の肩を持った内容(ミーガン法反対論)のため、資料室と呼ぶのは問題があるかと思い、無難に「ミーガン法のまとめ」と名付けました。
「ミーガン法のまとめ」の内容に関する意見やコメントは、わたし宛のメールで直接おくるか、この記事へのコメントとして付けてください。トラックバックももちろんOKです。

憲法24条の「異性愛主義」を隠蔽する「メタ異性愛主義」言説

2005年1月6日 - 12:54 PM by admin

fem-general メーリングリストで話題となっている憲法24条について。自民党の憲法改正プロジェクトチームが発表した「論点整理(案)」において「婚姻・家族における両性平等の規定(現憲法24条)は、家族や共同体の価値を重視する観点から見直すべきである」と明記されたのに対し、「男女平等と個人の尊厳を憲法から消させない」として「STOP! 憲法24条改悪キャンペーン」が発足し、集会などを開く。そして京都で開かれた同趣旨の集会にひびのまこと氏が「憲法を改正しよう!」というビラを持って乱入(じゃなかった、参加)したというのが話の発端。 Read the rest of this entry »

あまりにアレなんで笑ってしまったけど

2005年1月5日 - 11:31 AM by admin

プロ野球に新規参入する東北楽天ゴールデンイーグルスのマスコットキャラクタが発表されたとゆーコトで見てみたんですが…
Eagles Mascot
こんなキャラが当たり前のように出てくる限り、「行き過ぎたジェンダーフリー」を批判する保守陣営のみなさんは、当分何も心配する必要ないんじゃないかと。
* 以下は Google ランクを上げるためのお手伝い。詳しくはリンク先参照。「在日の就業と生活保護の統計まとめサイト」はデマサイトだそうです。ただ、なんばさんのエントリに問題のサイトの URL を含めると逆効果になってしまうのでは? 全角文字で書くなり、http という部分を変えるなりした方が良いのでは…