queer カテゴリーのアーカイブ

『レミーのおいしいレストラン』の場合/「ゲイな映画」と「クィアな映画」のあいだ

2008/03/21 金曜日 - 10:40:02 by macska

「子ども向け劇場アニメが描く『マルチチュード的革命』」エントリでは、ジュディス・ハルバースタムの講演を要約するかたちで彼女が言うところの「ピクサーヴォルト」について解説した。その中で、ピクサーヴォルトに当てはまらない映画として『Mr. インクレディブル』は復古主義的な映画だという指摘を紹介した。しかし『Mr. インクレディブル』は「本来の自分」を隠して生きることを強いられたマイノリティが自分を肯定する映画なのではないかという評価もある。今回はそのあたりを「クィアな映画」と「ゲイな映画」という区分によって再解釈するとともに、ピクサーの最新作『レミーのおいしいレストラン』についても分析してみたい。

子ども向け劇場アニメが描く「マルチチュード的革命」/ジュディス・ハルバースタム講演報告

2008/03/17 月曜日 - 10:57:34 by macska

前回に引き続き、Lewis & Clark College にて開催されたジェンダー学シンポジウムの報告。今回紹介するのは、クィア理論家として有名な南カリフォルニア大学のジュディス・ハルバースタムさんによる基調講演の内容、すなわち近年多く作られるようになった子ども向け 3DCG アニメーション映画における「革命」的ナラティヴについて。先月5歳になった友人の子どもの「エンターテインメント係」を担当(?)しているわたしはこの種のアニメ映画をほぼ一通り見ていていろいろ思うところがあるので、ハルバースタムの発表は非常に興味深く感じられた。

ジェンダー学シンポジウム報告あれこれ

2008/03/16 日曜日 - 18:28:37 by macska

先週、Lewis & Clark College という大学で、三日間に渡ってジェンダー学シンポジウムというコンファレンスが開かれた。これは毎年恒例で開かれるもので、今年でなんと27年目になる。今回も基調講演者として「女性の男性性」の研究で日本にも紹介されている南カリフォルニア大学のジュディス・ハルバースタムさんが登場するなど興味深いセッションがたくさんあったけれども、ハルバースタムの話(超面白かった!)は次のエントリに譲るとして、以下にはわたしが聞いた中で特に印象に残ったプレゼンテーションについていくつか簡単に報告する。

トランスジェンダー追悼イベントの不愉快

2007/11/21 水曜日 - 20:52:47 by macska

11月20日、ポートランドステート大学においてヘイト・クライム(人種やセクシュアリティなど被害者の属する社会集団への憎悪によって動機づけられた犯罪)によって殺害されたトランスジェンダーの人たちを追悼するイベントに参加。このイベントは毎年各地で同じ日に行なわれている。

「直線的程度の差としてイメージされている」伊田広行氏の「中間派」解釈

2007/10/13 土曜日 - 14:48:55 by macska

山口知美さん(わざと誤記)が「『ようやく名指し批判が!』と思ったらぬか喜び」で伊田広行さんの論文における山口さんへの批判(のようなもの)に対応してるけど、それに関連して。といっても伊田さんの文章はダラダラと締まりがなく唐突に話題がズレるなど論文としての体を成していないし、ちょっと長過ぎて全体を批評していられないので、山口さんが参照している伊田氏による「性における多数派と少数派」についてだけコメント。

覚悟してボーンスタイン『隠されたジェンダー』(筒井真樹子訳)を読もう

2007/09/02 日曜日 - 09:29:06 by macska

筒井真樹子さんの翻訳で Kate Bornstein『隠されたジェンダー』(原題 “Gender Outlaw: On Men, Women, and the Rest of Us”)が出版される。10年以上前に米国で発売されたこの本は、わたしにとって初めてトランスジェンダーという言葉と出会った本であり、著者のボーンスタインはわたしが初めて直接会ったトランスジェンダーを自称する人。それだけに、いまの視点から読み直すと批判すべき点は多々あるのだけれど、個人的には重要な本だ。

珍しくフェミ本ほか紹介エントリ

2007/07/09 月曜日 - 01:37:09 by macska

今回は珍しく本紹介エントリ。というのも、最近知り合いが何人か新刊を出していてそれが結構いい本だから紹介したいし、昨年の終わり頃から春まで家賃と食費以外のお金がなくて何も買えなかった反動か、ここのところ大量に本を買ってしまっているという事情もあったりする。

全米女性学会2007報告/「反トランス」の立場に立つレズビアンフェミニストの矛盾

2007/07/02 月曜日 - 20:16:46 by macska

すでに斉藤正美さんや山口智美さんが書いているけど、イリノイ州セントチャールズで開かれた全米女性学会で「日本におけるフェミニズムに対するバックラッシュ」に関する発表を、わたしを含めた3人にディスカッサントのノーマ・フィールドさんを加えたパネルをやった。去年の全米女性学会の模様は『バックラッシュ!』キャンペーンブログで紹介したので、今年もレポートする。

LGBT映画祭での「フェミニズムによる反トランス映画」上映計画、中止

2007/05/22 火曜日 - 21:56:28 by macska

サンフランシスコで来月催される Frameline というLGBT映画祭において、反トランス的とされる映画の上映が計画され、それが全国のセクシュアルマイノリティ・コミュニティからの猛烈な批判を受けて撤回されたという話。問題とされたのはレズビアンの脚本家・映画監督 Catherine Crouch が作った「The Gendercator」という20分の近未来SF映画。

セクシュアルマイノリティのDV被害者救済の「求め方」

2007/01/22 月曜日 - 07:03:31 by macska

以前別ブログの *minx* [macska dot org in exile] で取り上げたように、わたしがサイトに書いたドメスティックバイオレンス(DV)の定義がいろいろなところで紹介されているのだけれど、最近 id:nodada さん(ブログ「腐男子じゃないけど、ゲイじゃない」)のエントリ「げいざぱんぬーすでDV。」という、わたしの専門にかなり近い話に関連して取り上げられたので、それに対するコメント。