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「性産業の需要を減らすアプローチ」に関する記事へのコメントに、いっせいお応え

2012/08/06 月曜日 - 20:32:38 by macska

前エントリ「『性産業の需要を減らす』アプローチが、性労働に従事している人にとって有害でしかない理由」への反響にお応えする、恒例の「はてなブックマークコメント(やツイートやその他のコメント)にコメント」のお時間です。ちなみにこのブログは、ふだんの一日の閲覧数がだいたい100〜200程度しかないサイトなのに、この記事が発表された途端に大量のアクセスが集中し、半日のうちに1万ヒットを大きく超える反応がありました。ソーシャルメディアってこわいです、はい。

とはいえ、ツイッターやはてなブックマークで記事についての感想や意見を書いている人は、いつもとそれほど変わらない人数でしかなく、よく見たらいつもコメントをくださっている人が多かったりするので、アクセスが増えただけで、最後までちゃんと読んで、考えてくれた人は、ふだんとそれほど変わっていない気もする。でも、せっかくコメントをいただいたので、いろいろお応えしつつ、わたしの意見や関連情報を追加していきたいと思います。

「性産業の需要を減らす」アプローチが、性労働に従事している人にとって有害でしかない理由

2012/08/05 日曜日 - 23:29:33 by macska

米国の反人身取引・反売買春運動において、ここ数年「性産業の需要を減らす」アプローチを主張する人や団体が影響力を得ている。すなわち、これまでよくあったように供給側(売春者)を処罰するのではなく、需要側(客)の取り締まりを強化したり、厳罰化したり、あるいは規範化による社会的制裁を行うことによって、需要側のインセンティヴにはたらきかけ、性的サービスに対する需要を減らすべきだという考えだ。かれらは、需要を減らすことによって、人身取引の被害者や、やむを得ない理由によって売春に従事する人たちを減らすことができる、と主張している。わたしは米国のフェミニズムや性労働者運動において、「需要を減らす」アプローチがいかに無効であり、人身取引の被害者や、やむを得ない理由によって売春に従事している人たちのような、かれらが救おうとしている人たちをさらに苦しめるものであるか、再三主張してきたが、最近になって日本でも(おそらく米国の運動の影響を受けて)同様の主張をする人を見かけるようになったので、「需要をなくす」アプローチがどうして間違っているのか、以下にまとめる。