メモ:ジョージ・フロイド氏殺害事件を契機とした全国の抗議行動による現在までの成果リスト
2020年6月11日 - 9:05 AM | |しばらく放置しているブログですが、2020年5月に起きた白人警察官によるジョージ・フロイド氏殺害事件およびそれを契機に全国に広がった抗議行動の結果生み出された成果をシカゴの活動家グループRampantがリストにしていたので紹介します。元記事は「蜂起は結果をもたらす--これまでのリスト」。
- フロイド氏を殺害した犯人および現場にいてそれを止めなかった同僚3人の逮捕・起訴。
- 世間の人種差別や警察の問題についての意識向上。ミネアポリス警察署の焼き打ちを54%の人が支持。これはトランプやバイデンより高い支持率。
- ミネアポリス市議会の過半数が警察の解体と再編を支持。
- ミネアポリス教育委委員会が警察による校内のパトロール契約を解除。
- ミネソタ大学が警察との契約を破棄。
- ミネアポリス公園管理局が警察との契約を破棄。
- ミネソタ州政府がミネアポリス警察を公民権侵害で訴える。
- ロサンゼルス市長が警察予算の1-1.5億ドルの削減し黒人市民の生活を改善するために予算を付け替えることを発表。
- ロサンゼルス市が警察による「ギャングデータベース」(黒人やラティーノの若者が交友関係を理由に犯罪者扱いされる)へのデータ追加を凍結。
- ニューヨーク市長、警察から若者支援プログラムへの予算付け替えを発表。
- ニューヨーク市が警察によるストリートベンダー規制の執行を停止。
- ルイビル市、警察が何の警告もなく家屋に突入できる制度を一時停止、廃止を目指す。これは3月にルイビル警察が住所を間違って犯罪と無関係な黒人女性ブリオナ・テイラーの家に深夜突入し、パニックに陥った彼女を射殺した件への反省から。
- ポートランド市が公立校内で警察のパトロールを停止。
- ミネアポリス、ピッツバーグ、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ワシントンDC、ボストンで交通機関で働く労働者たちの組合が逮捕されたプロテスターの留置所への移送を拒否。
- 公民権運動への反発から南部各地に設置された奴隷制維持派の像がリッチモンド、バーミンガム、モンゴメリ、アレクサンドリア、バルティモアで撤去。
- イギリス・ブリストルで奴隷交易を行った人物の像が海に落とされる。
- フィラデルフィアで人種差別主義者として知られる元市長の壁画が撤去。
- 米軍内で国内のデモ鎮圧に動員されることへの反発が広がる。
- ロサンゼルスでLGBTプライドパレードが今年はBlack Lives Matter運動として実施。
- インディアナポリスでLGBTプライドから警察の行進を排除。
- アトランタでデモ参加者に暴力を振るった二人の警官を逮捕。
- バッファローで高齢のデモ参加者に暴力をふるった警官が逮捕。
- アメフトリーグNFLが選手による膝をつく人種差別への抗議行動禁止を撤回。
- デンバーで判事が警察によるデモ隊への催涙弾やゴム弾の使用を制限する。
- シアトルの労組連合体がシアトル警察官組合の追放を検討。警察官組合は警察による市民殺害の調査を拒み、警察官が責任を問われないように影響力を行使してきたとして批判されている。
- ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴの市長が夜間外出禁止令を撤回。外出禁止令を出してもデモが一向に収まらなかったため。
- 民主・共和両党が、軍から各警察への装備払い下げに制限を設けるよう動き出す。
- 日本発祥の自転車メーカー・フジ自転車が、警察が同社の自転車を武器としてデモ参加者に意図的にぶつけていることに抗議し、警察への自転車販売を停止。
ついでに、Rampantによるリストには含まれていないけど、わたしが確認したシアトルにおける勝利リストがこちら:
- 市長が夜間外出禁止令を撤回。夜間禁止令により、ある時間以降に続行するデモは違法であるとされたが、デモを解散させることはできなかった。
- 市長が30日間のあいだ警察による催涙弾の使用を停止。実際にはその後も使用されたけど。
- シアトル市、警察による市民殺害を調査する新たに導入される予定の仕組みを不服としてキング郡を訴えていた裁判を取り下げ。
- シアトル市、警察による過去の人種差別的行動を理由として受けていた連邦司法省の監察を終わらせるよう連邦政府に訴えいた要望を取り下げ。
- キャピトルヒルで1週間以上におよぶ警察とデモの対峙の結果、警察が撤退、デモ参加者が「キャピトルヒル自治区」を宣言して路上で食料の無料配布や人種差別についての議論やドキュメンタリ上映、コンサートなどを続ける。
- シアトル市議会、満場一致でトランプ政権による「デモ鎮圧のための米軍投入」の方針に反対決議。
- シアトル警察がデモ鎮圧中に警察官がボディカメラによる録画を停止したり認識番号を隠すなど問題行動への責任追及を難しくする行為を禁止。
- シアトル市が黒人の住民が多いセントラル地区にある閉鎖された消防署をコミュニティセンターとして使用できるように明け渡し。