インターセックス@米国小児科学会レポート #1:尿道下裂のイタ〜い話

10/17/2004 - 4:25 am | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

先週サンフランシスコで行われた米国小児科学会の年次総会に参加してきました。大きなコンファレンスなのでわたしが参加したのはごく一部ですが、インターセックス医療に関連した部分をバッチリ見学してきたので今日から何回かに分けて紹介します。

最初に見に行ったのは、2日朝に行われた尿道下裂というとってもイタそうな状態についての発表。一般に、尿道がペニスの先端ではなく下側もしくは付け根に開いているものを尿道下裂と呼ぶけれど、実は痛いとは限らない。だけど痛くても痛く無くても手術で修理するというのが正しい医療とされている。名前が痛そうなばかりか、治療法までとっても痛そうな症状。尿道下裂のことはインターセックスとは呼ばないのが一般的なんだけれど、医療のパターンが非常によく似ているのでここでは含めちゃうことにする。以下、そのパネルでの発表を要約:

MANAGEMENT AND OUTCOME OF COMPLEX HYPOSPADIAS REPAIRS (HYPOSPADIAS CRIPPLES).
S.A. Amukele, J.A. Stock, M.K. Hanna. Urology, Schneider Children Hospital- LIJ Med. Center, New Hyde Park, NY; Urology, Childrens Hospital of New Jersey, St. Barnabas, Livingston, NJ; Urology, New York Weill Cornell Children Hospital, New York, NY

尿道下裂の手術は比較的容易であり問題は少ないと言われているけれど、問題が起きる時は起きる。この研究の対象とされている「hypospadias cripple」というのは、尿道下裂の手術が失敗して傷だらけになる事を言い、一般的には「2度手術してもまだ十分でないとされた時」にそう判断される。患者 (N=126) は2歳から35歳までにわたり、一人あたりの手術回数は最低で2回から最高で23回にまでなる。23回もペニスを手術されてしまった患者は悲惨だ。

さて、この調査では、そうして複数の手術を受けた患者がどのような副作用に苦しんでいるかという事が調べられているのだけれど、ここでは性的な問題については「副作用」とすら考えられていない。さまざまな手術のテクニックについて、だいたい25%から35%といった「副作用」の割合が示されているが、性的な感覚の喪失まで含めて調査すれば副作用の起こる割合はもっと増えるはず。

この発表をした Amukele 医師は今大会を通しておそらく小児泌尿器科分科会では唯一の黒人男性の発表者。質疑応答でも観衆だけでなく他のパネリストやモデレータから完全に無視されてしまっていたけれど、内心どう感じていたんだろうか。

HYPOSPADIAS REPAIR AND LONG TERM OUTCOME.
W.F. Feitz, R.P. de Gier, R. Verschuren. Pediatric Urology Center Dept. of Urology, University Medical Center Nijmegen, Nijmegen, Netherlands

オランダのグループの研究で、発表者は de Gier 医師。尿道下裂の手術の事後経過についてこれまで行われた報告はそのほとんどが短・中期までしか調査していないことを指摘した上で、「長期的な調査」による発見を発表。それによると、比較的危険が少ないと思われていた手術でも、患者が思春期に入るまで追跡調査すると全体で51%までもに問題があることが判明。一部のテクニックに至っては合併症が100%にまでなってしまっていた。

上の研究と同じく、ここでも性的な感覚の喪失については全く問題にすらされていない。さらに調査期間を長くして性的な問題も含むようにすれば、もっと手術の危険性が明らかになりそうな気がする。 de Gier・Feitz 両医師と後で話をしたところ、何よりもまずこうした調査の結果について新生児の親に正しく情報開示するのが必要だと言っていた。

それはいいんだけど、同じ研究グループはもう1つ別の発表をしていて(発表者は Feitz 医師)、そちらの方がかなりお粗末。かつて欧米で流産予防の目的でよく使われていた DES(diethylstilbestrol)について、次世代にさまざまな健康被害を与えるという話が出ているのだけれど、Feitz et al. の発表は「母親を通して DES を摂取して生まれた女性のそのまた息子に尿道下裂があるケース」についてのものなのだけれど、実は DES 三世の男児に尿道下裂が起きる確率が高いということを統計学的に示しているわけではなかったりする。というか、一見確率が高いように見えるのだけれど、数字をよく見てみると統計学的に有意な差はないらしい。調査対象が小さすぎたためではないか、みたいな言い方もできるけれど、それじゃ発表してもしょーがないのよ。

というわけで、唐突に第1回おわり。全部で5回か6回になる予定。

3 Responses - “インターセックス@米国小児科学会レポート #1:尿道下裂のイタ〜い話”

  1. rara Says:

    はじめまして。
    9ヶ月の赤ちゃん♂を持つ母親です。

    息子が4ヶ月に時に、「尿道下裂」だと分かり、来年手術をすることになりました。
    おしっこの問題は、手術を行えば幼児のうちにクリアできる問題ですが、
    思春期に入ってからの性的な問題が心配で。。。
    主治医に、将来のことを聞くと、「その時になってみないと分かりませんよ。」と言われます。

    「性的な感覚の喪失」という言葉がとても気になりました。
    場所が場所ですし、将来コンプレックスを持ってしまわないかが心配です。
    将来の性的な問題についてのたくさんの情報が欲しいです。
    その問題を息子が無事クリアできるように、
    親としてできるだけのことはしてあげたいので・・・

  2. toshio Says:

    コメント見ました。現在61歳です。自分の場合の病名わ尿道下裂の一番悪いのでわないかと思ってます。他人のは見たこと有りません結果lを話すと陰茎の付け根場所に尿道口があります。悪いことにペニスが曲がっ陰茎が下に向いて立つて排尿すると尿が陰茎にあたって出来ません、21歳で
    手術したのですが陰茎の先からわ出ません。苦労わセックスのとき苦労します下に曲がってるため。上に上げて用足しする挿入したら手lをはなす。立って排尿するとき並んでするのがいまでむいやです。左右でのぞくから。陰茎の長さボッキして8センチぐらいです。幾らでも説明できます。
    体験実話です。ちなみに男1人女2人の父親です。迷惑で無ければ連絡ください。信用してくださるのでしたら陰茎部の写真郵送します。

  3. Isaac Says:

    メール拝見しました。私も尿道下裂です。陰茎の下(腹側)に尿道が走り、先端は亀頭の一番下にあります。また横から見ると「への字」型になっています。幼少時から包皮が剥けていて、自分は宇宙人ではないかと妄想してしまいました。2年前重篤な病気で横浜市大病院に入院し、皮膚が弱まっている所に強制排尿の処置を受けた結果、尿道が3−4cm切れてしまい、見た瞬間精神的にショックを受け、また立って排尿できなくなりましたが、その後同病院で全身麻酔で尿道形成手術を受け、現在は排尿、性行為も問題ありません。余談ながら、尿道下裂のため刺激を受け易いので早漏気味なのかな・・・と思っています。両親が従兄妹同士だったのが根拠ある原因なのかどうか知りませんが、他にはベルガ腔という脳というか頭に空間を持っています。56歳で子供2人おり、東京の私大を出て、超有名メーカーの管理職をしています。長くなりましたが、何かご参考になれば・・・と思いメールしました。

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