ミーガン法反対の困難

2004年6月18日 - 6:38 AM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

FemTumYumのtummygirl (tumg)さんから、ミーガン法についてコメント。

ミーガン法、あるいは広く性暴力抑止(性暴力そのものよりも)をめぐる議論は、ポルノと同じくらい居心地が悪い。
性暴力そのものを黙殺する声、開き直る声が、政治家の公的発言からさえ聞こえてくる日本の現状で、国家権力による性暴力取り締ま
りの一つの形に反対の声を上げることで、結局誰が得をするのだろうか、

つまり、ミーガン法そのものに問題があるのは確かだけれど、かといって性暴力を社会の大きな部分が容認している現在、性暴力取り締まり(のマズい例)だけに文句をつけていては、結局現状を放置してしまうのではないか、という懸念。確かに、ミーガン法を葬り去ることで別のちゃんとした対策が生まれるわけじゃないしね。その辺り、フェミ内部でも難しくて、どこまで国家権力に便乗しても大丈夫なのかという話はとっても複雑だけど、大問題にならないうちに(もうなってるかも)そういう議論をちゃんとやっておく事は必要。
誰が得するのだろうというレトリカルな問いに、最初は「性暴力の加害者」もしくは「保守派」かと思ったんだけど、これは違うね。考えて見ると、一番得するのは、単に国家権力の膨張に反対する趣旨でミーガン法的なモノには反対するけれど、性暴力やDVについて全く関心を持っていないような大多数の既成左翼勢力だと思う。ミーガン法的なモノに反対しつつ、ミーガン法的なモノが要請されるそもそもの原因である性暴力の問題自体についても真面目に取り組むような姿勢が彼らにはないもの。しかし、だからといってそいつらに嫌がらせするためにわたしたちがミーガン法を支持するわけにもいかない。ミーガン法反対ではそういう連中と協力しつつ、そこで止まってしまう鈍感さを批判し続けなくちゃいけない。
フェミや性暴力反対の運動をしている人たちは、国家権力を無制限に拡張させることがさらなる暴力を生み出す事を知っているから、それに賛成することはできない。でもそれだけでは、国家権力に批判的な(だけど性暴力には関心のない)既成左翼に搾取されてしまう。あんまりお前らが性暴力について無視を続けるなら、国家権力と手を結んでお前らと敵対してやるぞ、くらいのブラフはかけたいところだけど(笑)、まぁそれもできない。フェミってどうしてこんなに面倒なんだろ。誰に向かっても真面目に正論を言って行くしかないってコトですね。
# と言いつつ、平気で国家権力とつるむフェミもいるけど。
あ、トラックバックできなかったみたいのなので、今回自分のポストをトラックバック実験してます。

One Response - “ミーガン法反対の困難”

  1. tumg Says:

    再びリンクしました。国家権力と意図的につるむフェミもいれば、生存をかけた「戦術」だと信じて罠にはまるフェミもいますよね。自戒をこめつつ。これからも楽しみに拝読します。

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