さとうしゅういちさんへのお返事/「館長雇い止め裁判」関連

9/18/2007 - 9:41 pm | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

前エントリ「『館長雇い止め』を『バックラッシュ裁判』として闘ったことの帰結」について、「館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会」のメンバーでもあるさとうしゅういち氏がコメントしている。とりあえず、メーリングリストの中に籠らず公開の場で反応してくださったことには感謝。今回はこのコメントにお応え。

私から見れば,妊娠により雇い止めになった,自治体や政府関係機関の労働者の闘争とも連携を結構とっていた思います。
 ただ,露骨なバックラッシュである安倍政府の成立の中で,そちらの論点が会のブログなどで目だったのは確かかもしれません。

てゆーか、名前に「バックラッシュ裁判を支援する会」ってあるから。
安倍政権ができるずっと前からね。

そもそも非常勤館長の年収は手当て交通費なしで360万円。
 ちなみに特に何の権限もないし,三井さんと比べればはるかに専門的ではない仕事をしている県庁の30代平職員の私が通勤手当などつきで400万円です。豊中市の職員も似たようなものでしょう。(略)
 平職員より少ない給料で雇っておいて「専門的」と称して保護しないというのはいかがなものでしょうか?それこそ「ダブスタ」です。

あのー、フルタイムの職員の給料とパートタイム(週 22.5 時間)の職員の給料を直接比べて何になるんでしょうか。フルタイムベース(週 40 時間)に換算すると、三井さんの年収は640万円にもなる。さとうさんの通勤手当てをかなり多く見積もって仮に月2万円としたとしても、通勤手当てを含めた三井さんの時給はさとうさんより5割以上も多い。

もちろん、いくら時給換算で給料が高くても少ない時間しか働けないために生活に困るパートタイムの労働者はたくさんいると思う。だから個人的には、フルタイムの職員よりもパートタイムの職員の方が良い時給を得てもいいと思うけど、普通は逆にフルタイムの方が時給も良いことの方が圧倒的に多い。そう考えると、パートタイムでありながら時給換算でフルタイム職員より5割も高い給料を得ていた三井さんは、パートタイマーとしてはかなり優遇されていたと言えるのでは。館長以外の「すてっぷ」の非常勤職員の年収は、多分360万円より遥かに少なかったでしょ?

誤解されると困るので言っておくけど、わたしは三井さんがそれだけの収入を得るべきではなかったとか、あるいはそれだけの収入を得ていたなら雇い止めされても構わないと言っているのではないよ。フルタイムの一般職員より5割も多い時給を得ていた管理職を、行政によって安く買いたたかれていたかのように言うのは詭弁だと言っているの。

それから、読んでる方が恥ずかしいので「ダブルスタンダード」という言葉の意味を調べて使ってください。「雇うときは低賃金にしておいて,首にするときは『専門的』を適用するダブスタ」というのは、ダブルスタンダードとは何の関係もないよ。

比較的「単純労働」のはずの正社員男性より低賃金で女性・非常勤を専門的だから,ということで、使い捨てる。このことが各労働現場で起きていることの本質ではないか?今回の裁判はそのことを突く裁判でもあるのです。

非常勤労働者の切り捨てはいくらでもあることで、その多くが低賃金で雇われた女性であるのは確かだろうけれども(男性ももちろん多くいる)、かれらは「専門的だから」という理由で使い捨てられてはいない。ただ単に、自らの雇用と生活を守る権利を(そしてそうした権利を行使する手段を)十分に持たない労働者として使い捨てられているだけ。

どう考えても、現実に専門的な知識や経験を生かせる館長というトップの地位に立ち、フルタイムの職員をやっているさとう氏より5割も多い時給を得ていた人のケースが、各地の現場で起きている事態の本質を突く象徴的な例であるはずがないじゃないの。本気で他の非常勤労働者との連帯を考えるなら、そのあたりをまず自覚しなくちゃ話にならないってわたしは言ってるんだけどな。

4 Responses - “さとうしゅういちさんへのお返事/「館長雇い止め裁判」関連”

  1. 広島瀬戸内新聞ニュース(主筆・さとうしゅういち) Says:

    胸をお借りするつもりでお返事…

    MACSKA様にお返事をいただきました。

    http://macska.org/article/201
    大先輩にコメントいただき大変光栄なことです。

    胸をお (more…)

  2. 広島瀬戸内新聞ニュース(主筆・さとうしゅういち) Says:

    男性中心でジェンダーを議論することの限界…

    「館長雇い止め・バックラッシュ裁判」について、私さとうしゅういちが書いた記事を中心に(?)議論が展開されています。

    今までの議論の流れは以下です。

    ファイト (more…)

  3. さとうしゅういち Says:

    こんばんは。

    取り上げていただいて大変光栄です。

    トラックバックはしたつもりでしたが、表示されていないのですが。。

    さて、反論については、またブログにアップしましたのでご覧ください。

    ただ、正直言って、makscaさんと私では、横綱と幕下くらい違うので、(この裁判は私は支援しているし、女性と政治キャンペーンなどもしていますが、国政レベルではむしろ保守系(非バックラッシュですが)の政治家を持ち上げるなど「ファイトバックの会」を代表する人間としては不適格かと思います。)。

    また、われながら男性だけで、ジェンダーを議論することの限界も感じます。というより、JANJAN記事など、男性しかコメントしません。それは良くないことだと考えています。

    したがって、敵前逃亡といえるかもしれませんが、私からの発言は打ち止めです。

    あとは、ファイトバックの会の女性メンバーによるご発言、あるいは、macskaさまが私のブログへのご投稿と言う形を取っていただいても結構です。コメントなしでUPさせていただきます。

    よろしくお願いします。

  4. tokumei Says:

    ことの性格上、匿名お許しください。すてっぷの非常勤職員だった知人を知っています。
     相談業務で日給4千円でしたよ。遠くから通勤していましたが、ボランティアに近かったです。

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