最近フェミネタで遊んでいる小谷野さんがついにやってきました

2007年7月7日 - 6:29 PM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

小谷野敦さんが自身のブログにて過去のわたしとの議論についてハワイ大学のミルトン・ダイアモンド氏に問い合わせたことを報告している。問題となっている件についてはとっくに過去のエントリで詳しく書いているので今回はごく短く。
とりあえず小谷野さんのブログから引用。

こないだ、ミルトン・ダイヤモンドにメールを出して「あなたは『生まれつきと育て方で性は決まる』と言っているが、私は『大体は生まれつきで決まる』と言って、小山エミから攻撃を受けている。意見を聞きたい」と言ったら、ダイヤモンド、元々何らかのジェンダー自認に障害がある子供は、育て方で、みたいなことを言ってきたが、それが同報メールで小山にも行っていた。しかも私のメールつきで。さらに、「朝日新聞」の記事が見たい、というから、日本語が読めるのかなと思って添付し、小山宛に送ったことに疑義を呈し、私の「大体は(On the whole)生まれつきで決まる」というのは、非難されなければならない表現かどうか、イエスかノーで答えてくれ、と返した。
ダイヤモンドは、小山には会ったことはあるがそうたびたびメールしているわけではなく、小山と議論しているというので送った、不快だったら許してくれ、また、朝日新聞の英語版があるのかと思った、と言い、これは複雑な問題なので私の論文を読んでくれと言ってきた。イエスかノーか、答えなかった。簡単なことだと思うのだが。それにしても当該記事の英語版があると、今になってまだ思っていたのには驚いた。

こんな風に乱暴な断言を「イエスかノーで答えろ」と押し付けて無理矢理答えさせようとするあたり、わたしが前回指摘した通りの「ニセ科学」的思考だなぁと思った。
なお、前回のコメント欄において純子さんが

「だいたい」というのは、「すべて」ではない。
つまり、「生まれつきか育て方か、一方ではなく、両方の相互作用が性を決めるのです」と「だいたいは生まれつきで決まる」との間には矛盾はない。

と書いているけど、小谷野さんはただ「だいたい決まる」と言っているのではなく、「ダイアモンドが『両方の相互作用が性を決める』というのはおかしい、『だいたい生まれつき』が正しい」と言っているのよ。一応、その部分を『諸君!』2005年12月号から引用。

ジョン・マネーの実験の失敗をいち早く指摘したミルトン・ダイアモンド(ハワイ大学教授)が、朝日新聞や東京新聞の取材に対して、「生まれつきか、育て方か一方ではなく、両方の相互作用が性を決める」といった、中途半端なコメントをしている。「大体は生まれつきで決まる」というのが正確でしょう。

ほらね。
わたしは小谷野さんが一般論として「大体は生まれつきで決まる」と言ったことを批判したのではなく、かれがダイアモンドの「両方の相互作用が性を決める」という発言を否定したうえで、それより踏み込んだ「大体は生まれつきで決まる」という、現時点の科学的知識を元には不可能なはずの「ニセ科学的」断言をするから批判しているのね。
てゆーか、こんな話つまらないのでいーかげんにしてください。
わたしなんかより、もっと大物フェミをからかってください。愛読してますから♡

4 Responses - “最近フェミネタで遊んでいる小谷野さんがついにやってきました”

  1. Josef Says:

    >かれがダイアモンドの「両方の相互作用が性を決める」という発言を否定したうえで、それより踏み込んだ「大体は生まれつきで決まる」という、現時点の科学的知識を元には不可能なはずの「ニセ科学的」断言をするから
    というか、「相互作用」ではどういう「相互作用」か分かりませんね。生まれた時はニュートラルという主張を退け、生まれつき方向づけが与えられているとしたダイアモンド氏の考えを明示するためには「大体は生まれつき」と表現する方が、単に「相互作用」と言うよりも適切でしょう。

  2. macska Says:

    どういう「相互作用」なのか、現状ではよく分かっていない、というのが学問的に誠実な回答だと思うので、「どういう相互作用か分からない」記述なのは仕方がないのではないかと。
    女児として育てられた 46,XY の総排泄腔外反症児の約半数が「男性を自認しない」ことを考えれば、「大体は生まれつき」という表現は誠実とは言えない。少なくとも、「相互作用で決まる」より「大体は生まれつき」の方が正しいという見解は成り立たない。これが、9割以上が男性を自認する、というなら話が違ってくるけどね。

  3. Josef Says:

    相互作用の具体的なメカニズムは分からなくても、まず生得的な方向づけがあり、そこに環境要因が作用するという大まかなイメージが描ければとりあえず十分なんじゃないですか。小谷野氏が言うのはそれだと思いますが。スポーツは強い方が勝つとは限らず、不利な環境条件なら負けたりするけど、まあ大体は強い方が勝つだろと。

  4. 芹ーヌ Says:

    書こうとして自分のハンドルネームが懐かしいことに気がついた(強い方が勝つんじゃなくて勝ってみなければ強いことがわからないからスポーツは強い(と思ってる)方が勝つとは限らないんだって本とか読まなくても思いつくような理屈を思いついたからせっかくだから書いとく)

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