NM州知事の経歴詐称暴露で2008年大統領選挙はスタート

2005年11月25日 - 12:08 AM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

AP通信の報道 によると、大学卒業時にメジャーリーグのカンザスシティ・アスレティックス(現オークランド・アスレティックス)からドラフト指名を受けたと自称していたニューメキシコ州のビル・リチャードソン知事が、実際にはドラフト指名は受けていなかったことを地元メディアに突き止められて認めた模様。リチャードソンは全米唯一のラティーノ系の知事で、下院議員からクリントン政権ではエネルギー庁長官・国連大使に任命された。州知事としても成果を挙げており、2008年大統領選挙の民主党予備選に出るとみられていた政治家の中ではわたしが一番期待していた人物。
一応大学時代には名選手だったらしく実際にスカウトとの接触はあったとされているけれど、ドラフト指名を受けたか受けていないかなんてちょっと調べればすぐ分かりそうなものなのに、どうしてそんな嘘をついたのか。おそらく1982年にはじめて下院議員選挙に出たときは、白人でない自分が将来大統領候補になって経歴のありとあらゆる事実を検証されるとは思いもせず、つい自分がいかにスポーツマンとして優れていたかを誇張しちゃったのだろう。そして、これまで20年以上のあいだ誰も気付かなかった小さな経歴詐称がいまになって突然暴露された理由は? 大統領選はまだずっと先だけれど、もしかすると2008年に向けた激しい政治の季節がたった今はじまったのかもしれない。

6 Responses - “NM州知事の経歴詐称暴露で2008年大統領選挙はスタート”

  1. xanthippe Says:

    ブッシュ政権の支持率が駄々下がりですものね・・・。 次は民主党という期待をする人も多いのでしょうが、ヒラリーさんの評判はどうなんでしょう。

  2. Macska Says:

     ヒラリーさんは、DLC(民主党内保守派閥)のスターでしょ。党内保守派を大統領候補に選ぶとすると、その利点は「共和党支持者や無党派の有権者にアピールして中間層をごっそりもらう」ことだけれど、ヒラリーの場合色が付きすぎでそういう効果が望めないので、政治信条の面から言っても選挙戦略から言っても最悪。もし選挙戦略上の理由から中道派を出すならば、保守的なヴァージニア州で何故か空前の人気を誇っているワーナー知事(1月に退任)あたりを出したほうがよっぽどいい。第一、ヒラリーは上院に必要な人材なので今の議席にとどまるのが一番いいと思う。
     わたし的には、これ以上傷が付かない限りリチャードソン知事が一番のお勧め。エネルギー庁長官と国連大使という経歴から、ブッシュが失敗した外交をきちんとしてイラクから撤退してくれると思うし、北朝鮮をソフトランディングさせるにも彼が適任。元国連大使だから今より国際協調路線でやってくれるというだけじゃなくて、中東の問題には石油が絡むし北朝鮮の場合は核開発問題で、両方ともエネルギー庁長官として経験済みだもの。ニューメキシコでの評判もいいし、中間層の支持を集めるためには東部のエリートではなくて両政党の勢力が拮抗している南西部出身のリチャードソンが有利。
     あと、黒人を超えて最大の人種的マイノリティとなりなおも人口が増えつつあるラティーノ票をめぐって、カトリックの信仰を通して宗教右派に取り込もうとする共和党と移民政策や市民権問題でマイノリティの権利に熱心な民主党が激しく競っているという状況があって、史上初のラティーノ系有力候補としてリチャードソンが指名されれば大統領選挙だけでなくあらゆる選挙で民主党が有利になる。仮に当選でもしようものなら、その影響は多分20年は持つと思う。
     ただ、全国的な知名度はいまのところかなり低くて、ヒラリーに全然かなわない。いま世論調査したら、多分1%くらいの人しか支持しないと思う(不支持が多いという意味ではなくて、知名度が低いという意味で)。
     リチャードソンより知名度があってわたし的に自信を持って支持できる候補と言えば、昨年副大統領候補としてケリーと組んだエドワーズ前上院議員。貧困層出身の弁護士として彼が話す(経済的格差によって引き離された)「2つのアメリカ」というテーマには説得力があるし、南部出身であることも中間層にアピールできる。だけど、上院議員を一期つとめただけという経歴ではとても人々は大統領として信頼できないので、次かその次の大統領選挙を目標に今は上院に復帰するか知事になるなどしてもっと経験を積む必要があると思う。

  3. Yoko Says:

    7日のNYタイムズの社説に、ヒラリーが星条旗焼損処罰化法案の共同提案者になったことについての批判。そりゃ、どうみてもpanderingですよね。
    Senator Clinton, in Pander Mode
    http://www.nytimes.com/2005/12/07/opinion/07wed2.html
    それに対する読者のレター(9日付)
    http://www.nytimes.com/2005/12/09/opinion/l09hillary.html

  4. xanthippe Says:

    こんばんは
    どうして「星条旗焼損」だけなのですかね? 世界中の国旗ぜーんぶにすればいいのに。それでこそ世界帝国アメリカってもんでしょ。(笑)

  5. Yoko Says:

    他の国の国旗が米国法でどう扱われているかは存じません。
    ちなみに、日本だと、刑法に「外国国章損壊罪」っていうのがあるんですけど、日本の国旗に対しては、器物損壊罪が適用されるだけです。もちろん、自己所有の日本国旗であれば不処罰です。
    (外国国章損壊等)
    刑法第九十二条  外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
    2  前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。
    (器物損壊等)
    第二百六十一条  前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
    (親告罪)
    第二百六十四条  第二百五十九条、第二百六十一条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

  6. xanthippe Says:

    YOKOさん こんばんは 
    ニューヨークタイムズ当該記事の投書の意見にもあったと思いますが、自国の国旗を損傷するのは、自国政府に対する抗議の意味のほかあまり考えられません。 これはある意味愛国心のなせる業という見方も出来ます。そうでない、礼賛ばかりの 「愛国心」のみが、しかも強制されるべきだとするなら、それはおかしい。
    でも、自国の国旗を傷つける人の気持ちって、どうなんでしょうね。幸せでないのは確かだけど。
    何かを大衆に訴えたいと思えば、国旗に対して思い入れの深い人もたくさんいるわけですから、公共の場で損傷するというのは、そういう人たちの気持ちを傷つけ兼ねない面もあるわけで、そのへんでしょうかね? 
    まあ、ゴミのポイ捨て禁止条例もそうですが、法律で縛るより、周囲の人たちがじかに注意したり、抗議したりするってほうが有効だろうと思います。
    しっかし、日本にそんな法律があったんですねえ。しらなかった(~~; 法律としてはバランス取れていると思うけど。

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