性感染症の流行をバイセクシュアルの存在と結びつける言説について

3/2/2011 - 3:24 pm | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

バックラッシュ!』出版でお世話になった双風舎の谷川社長が「夕刊ガジェット通信」において週三回の連載をはじめているが、そのなかで性感染症の流行を「乱交を繰り広げるゲイ男性」と、ゲイコミュニティと異性愛関係を行き来して性感染症を媒介するバイセクシュアルの存在に結びつける記事があった。

いくら「ゲイでバイセクシュアル」の人物の証言を紹介するかたちでも、あまりに安易で偏見を広めるだけになりそうな記事だと思って谷川さんにメールで連絡したところ、谷川さん自身が「安直に書いた記事でありわきが甘かった」と認めたうえで、連載で紹介するから批判を書いてくれと言われた。

普段は文字数制限のゆるいブログやシノドスで六〇〇〇字前後の文章を書いているわたしにとって、六〇〇字で書いてくれという注文は厳しかったのだけれど、いちど八〇〇字を超える文章を書いたあと必死に削りまくった結果、六〇〇字以内におさめることができた。短い文章だし、「夕刊ガジェット通信」のほうにも掲載されているけど、このブログにも保存しておく。(ってなにこれ、前置きと本文の長さがほぼ同じじゃんw)

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夕刊ガジェット通信に掲載された「性感染症『天国』の実態」という記事は、「エイズなど性感染症はおもにゲイやバイセクシュアルの男性同士による乱交によって広まり、バイセクシュアルの男性を介在して、異性愛者の男女にもたらされる」という、性的少数者バッシングにつながりかねない不用意な内容だ。こうした言説は、エイズが「ゲイ関連免疫不全症候群」と呼ばれた80年代初期の米国でも流布され、性的少数者へのヘイト・クライム(憎悪犯罪)や差別を引き起こした。

 確認しておくが、性感染症は危険な性行為によって広まるのであり、特定の集団が「ノーマル」に広めるものではない。記事は「異性愛者の男女も安全な性行為をこころがけるべきだ」というまっとうな主張を伝えようとしているのかもしれないが、そこに「バイセクシュアルが存在するから異性愛も安全とは言えない」とばかり特定の集団を危険視するような理由付けは不要であろう。

 そもそも記事の筆者は、性的少数者の人たちがどのような関係性を築きどのような生活を営んでいるのか、ほとんど予備知識がないまま、たった一人の「ゲイでバイセクシュアル」を自称する人の経験をそのままセンセーショナリスティックに(ときに「信じがたい」とコメントしつつ)紹介している。結論として「性感染症の啓発」を求めるのであれば、センセーショナリズムや偏見に頼らない理性的な対応が必要だ。

3 Responses - “性感染症の流行をバイセクシュアルの存在と結びつける言説について”

  1. バイセクシャル Says:

    私が谷川氏に情報提供(感染蔓延への警笛)をした者です。今年46になります。記事の文字数の制約などで誤解を招いた点はありますが、掲載直前にもいろいろメールにて情報追加補足などしていました。「たった1人」とありますが経験から言って全く大袈裟でも氷山の一角でもない。いろいろお話してみたいです、慌てませんが。携帯アドレスもお伝えしてありご存知です。あなたとの意見交換より、思いの1つには犠牲者を増やしたくないという部分もある。感染と共に薬物使用も増えているから。愛した人をドラッグに奪われた。乱交場は何故すたれない?潰れない?むしろ繁盛し、店舗は増えている。利用者が増えているから。

  2. 佐藤 Says:

    ここで議論するのは良くないのかもしれませんが、一言だけ。
    私もバイセクシュアルです。ゲイ界のSNS他、友人の話や出回っている話しを聞いていると、バイセクシャルさんが言いたいことはすごくわかります。ですが、小山さんが本文中で指摘しているとおり、バイ(あるいはゲイ)という「特定の集団が『ノーマル』に広めるものではない」と思います。
     発展場が嫌いなゲイをたくさん知っています。発展場だけでなく、ゲイの世界で表になるような場所(SNS,掲示板、二丁目その他)には一切関わらない人もいます。当然、良識をわきまえ「危険な性行為」をしないゲイも大勢います。「バイセクシャル」さんもそうではないかと推測しますが、あの雰囲気が嫌いだったり、それによって普通の人がゲイ・バイに対してそのような目で見られることを助長していることを嫌がる人もいます。
     つまり、ゲイ・バイという集団が「危険な性行為」をすることが、デフォルトではないということです。ドラッグや性病の問題は重要な問題だと思いますが、私達全員が性病をばらまいているように見られたくはありません。

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