北朝鮮「朝鮮中央テレビ」が日本のテレビ局に映像使用料を要求

8/10/2004 - 11:52 pm | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

朝日新聞から、北朝鮮が朝鮮中央テレビの映像使用について日本のテレビ局に著作権料支払いを求めている件について。記事には、「大リーグの試合など海外のテレビ映像を使う場合、普通は契約を結び使用料を払う仕組みだが、北朝鮮については、(中略)ふだんは政府見解などを盾に、事実上『使い放題』だった」と書かれているけれど、まさか大リーグの実況中継を日本のテレビで流すように北朝鮮の番組をそのままコンテンツとして流しているケースはないだろうから、例として挙げるのは不適切だと思う。公正使用の範囲(というか、この場合だと国内法及びベルヌ条約で認められた範囲)で普通に引用使用していれば支払いの責任は生じないはず。

なんだけれど、さらに記事を読んでみるとなんだかおかしな感じ。問題の発端は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が「映像が反共和国宣伝に悪用されている」と怒ったことのようなんだけれど、映像が不本意な形で引用されているから著作権で保護というのはおかしい。引用を受ける側が不本意であろうとなかろうと、政治的な主張のためであったとするならば、なおさら引用する自由が保護されなければならないはずでしょ。「反共和国宣伝に悪用されている」という指摘はもしかしたら事実かもしれないけれど、そうした事実は「著作権を侵害するな」という主張を補強するどころか、かえって弱めているような気がするのね。

さて、これに対する日本のテレビ局側の対応。NHKとテレビ東京は「原則として報道引用などの範囲内で使用する」という立場で、(批判や批評まで公正使用による引用を「報道引用」に含むと解釈すれば)それが一番真っ当だと思う。TBSの「著作権を尊重し、報道引用を超える分は所定の使用料を支払う」というのも同じ事を言っているのだけれど、報道引用を超える分というのは一体どういう内容の映像を流しているんだろう。

テレビ朝日は既に契約を結んで使用料を支払っているというけれど、使用料を支払うということは要するに合法な引用の範囲を超えて利用していると認めていることになり、それはすなわち北朝鮮側がある日突然「今後は使用を認めない」と言えば使用が不可能になるという事を分かってるんだろうか。報道や言論の自由がかかっているんだから、そんなに簡単に相手の言い分を認めないで欲しいんだけど… もしかすると、テレビ朝日自身が、自分たちの映像が批評・批判の目的で勝手に使用されたら嫌だから、北朝鮮に便乗してテレビ映像における公正使用の範囲を狭めようとしているのかも、って思ってしまう。(映画「OutFOXed」を「映像を盗んだ」と猛烈に批判している FOX News と一緒なのね。)

日本政府の見解は「未承認国家との間で条約上の権利義務関係は生じない」から、北朝鮮の著作物についてはベルヌ条約の制約を受けずに自由に使っても良いという考え方だというけれど、もしその通りだとすると北朝鮮だって日本の著作物について自由に使っても良い事になってしまうんじゃないの? お互い様ならまだしも、北朝鮮が作っている著作物と日本が作っている著作物じゃ価値が全然違うのに、自国が一方的に損をするような見解を取る外務省って一体何を考えてるんでしょうか。どうせ北朝鮮には報道・批評以外の目的で利用価値のある映像なり著作物なんてほとんどないんだから、そんな事で意地にならなくてもいいでしょーに。

万が一日本のテレビ局が北朝鮮の映像を(公正使用の範囲を超えて)利用したいのであれば(そんな事滅多にないと思うけどなぁ)ちゃんと代金を支払った上で、北朝鮮に対してもベルヌ条約(や、その他の国際法規・条約)厳守を求めて行った方がいいように思うんだけど。仮に映像使用1分間あたり500ドル程度の代金を払っても、別に軍事的な脅威になるような金額には絶対にならないですよー。

2 Responses - “北朝鮮「朝鮮中央テレビ」が日本のテレビ局に映像使用料を要求”

  1. なんばりょうすけ Says:

    ちょっと前までワイドショーなんかで「北朝鮮のおもしろおかしい番組を紹介」みたいな感じであっちの娯楽番組なんかを丸ごとネタにしてるのが結構あったんですが、あれは報道のための引用になるのかなぁ…

  2. 沖縄 Says:

    日本の国、安全は本当に有るかな、今の政治家その日で話が違う、、今国民が聞きたいのは、この国に,占領する国に対して壱千戦布告(戦)するか?????

コメントを残す

XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>