ジュリアン・アサンジ性犯罪容疑に関連したよくある疑問・異論への応答

2/10/2011 - 2:51 am | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジにかけられている性犯罪容疑について、過去二回の記事(αシノドス初出「ウィキリークスのジュリアン・アサンジ逮捕をめぐる流言、そして「強姦」と「『強姦』」のあいだ」、週刊SPA!初出「 スピン・コントロールとしてのアサンジ擁護論」)でも紹介しているように、ジャーナリストの上杉隆・小西克哉・高濱賛各氏、評論家の山形浩生氏ら、そうそうたる人たちが、あろうことか容疑の深刻さを矮小化するような「誤報」を繰り返している。

英語圏でもマイケル・ムーアやナオミ・ウルフをはじめ、リベラルあるいは進歩派とみられている著名な論者がこうした言説を広めているのだが、それに対する批判や反論も活発に起きており、ムーアやウルフはメディアで弁明や釈明を求められた。また、ギズモードのような影響力のあるブログのいくつかは、事実が分かったあときちんと訂正記事を出した。それに対し日本語圏では、ほとんどそうした批判・反論が起きていないし、誤報を出した人や媒体が訂正記事を出す例も見当たらない。

そのためか、わたしが書いた批判を読んだ読者のなかには、わたしの記事の趣旨を理解しなかったり、あれだけそれは誤報だと書いているのに間違った「事実」を提示してくる人もいた。そこで今回のエントリでは、わたしの記事に対する「よくある反応」や、それ以外にもよく聞かれる「性的暴行容疑への異論」に対して、まとめて応答してみたい。

【まず前提として、容疑は何なのか?】

アサンジが逮捕されたのち、スウェーデン検察が公式サイト(英語版)において、アサンジの容疑は「rape」(レイプ)「unlawful coercion」(不法な強要)および二件の「sexual molestation」(性的暴行)だと明言している。この四件の容疑の具体的な内容としては、英紙ガーディアンの記事(12/07/2010)に詳しい。

Gemma Lindfield, for the Swedish prosecutors, said the first involved complainant A, who said she was the victim of “unlawful coercion” on the night of 14 August in Stockholm. The court heard Assange is accused of using his body weight to hold her down in a sexual manner.

The second charge alleged Assange “sexually molested” Miss A by having sex with her without a condom when it was her “express wish” one should be used.

The third charge claimed Assange “deliberately molested” Miss A on 18 August “in a way designed to violate her sexual integrity”. The fourth charge accused Assange of having sex with a second woman, Miss W, on 17 August without a condom while she was asleep at her Stockholm home.

この記事から、セックスを強要するために体重をかけて女性を上から抑えつけたことが「不法な強要」とされたこと、コンドームを使用してほしいと言われたのを無視してコンドームをしないままセックスした件と、それとは別の日に女性の「性的尊厳を意図的に侵害する」行為(これ以上具体的にはよく分からないが)が「性的暴行」とされたことが分かる。さらに第四の行為として、コンドームを使わずに寝ている女性と無理やりセックスをしたことが挙げられているが、消去法からいってこれが「レイプ」の罪に該当すると考えられる。

以下に、記事の内容から四件の容疑を表にしてまとめてみる。

犯行日 被害者 容疑 内容
8/14 女性A 不法な強要 体重をかけ抑えつけて性行為を強要
8/14 女性A 性的暴行 コンドーム使用の希望を無視して性行為
8/17 女性W レイプ 寝ている相手と無理やり性行為、コンドーム無
8/18 女性A 性的暴行 「性的尊厳を意図的に侵害」

アサンジは無実かもしれないし、実際にこれらの犯行をおかしたのかもしれない。いまの時点でそれを知るのは、アサンジ本人と被害を訴え出た二人の女性だけだろう。しかし、アサンジにかけられた容疑は上記のような深刻なものであるという事実は、議論の前提として押さえておく必要がある。

【これらの容疑について、上杉氏らは具体的に何と言っているのか?】

『SPA!』に寄稿した記事では文字数の制限でごくわずかな部分しか引用できなかったが、ここでは文脈まで分かるように多めに引用する。まずは、『週刊文春』(12/10/2010)に掲載された上杉隆氏の記事から。

十二月七日、国際指名手配をされていたアサーンジは英国ロンドン警視庁に逮捕された。容疑はスウェーデン検察が逮捕状を請求した「強姦」である。

果たしてこの「強姦」の中身を知っている読者はどれだけいるだろうか。「強姦」は二人の女性からの訴えによるものだが、その内容は首をひねらざるを得ないものである。

ひとりの訴えは、アサーンジとの性行為の最中に避妊具が破れたというもの。もうひとりは、性行為の時にコンドームを使わなかったというもの。しかも、最初この二人は、二股をかけることになったアサーンジに対して、性病検査をしてほしいと相談にいっただけなのである。

ちなみにスウェーデンでは女性が求めた際にコンドームをつけずに性行為に及ぶと、最高で約六万円の罰金刑を受けるという。だが、それで身柄を拘束されることはない。にもかかわらず、アサーンジはインターポール(国際刑事警察機構)に国際指名手配され、滞在中の英国で逮捕されたのだ。

これが、ジュリアン・アサーンジが逮捕された「強姦」容疑のすべてである。

続いて、『SPA!』(12/28/2010)の「ニュースディープスロート」というコーナーに掲載された、上杉氏の記事から。

ところが、驚くことに日本のメディアだけが、”黙殺”を続けている。報じてもベタ記事扱いで、海外とは逆にアサンジ氏の逮捕容疑である「婦女暴行」に終始するありさまだ。そもそも、この暴行容疑は同意があってもコンドームを使わない性交は違法とするスウェーデンの法律によるもので、レイプとは言いがたい。

さらに、ダイアモンド・オンライン(12/16/2010)のコラム「週刊 上杉隆」より。

そもそもジュリアン・アサーンジが犯した「強姦罪」とは、性行為の際にコンドームをつけなかった、セックスの最中に女性に体重をかけ過ぎた程度の 4点である。

これを「レイプ」と呼ぶのは相当困難だ。英国の司法当局が保釈を認めたのも当然といえるのではないか(現在、スウェーデン検察当局が抗告中)。

これらの記事において、あるいはテレビ朝日「朝まで生テレビ!元旦スペシャル」での出演において、上杉氏は「コンドームが破れただけ」「コンドームを使わなかっただけ」という間違った情報を広めたほか、性行為を強要するために体重をかけて抑えつけたことを「体重をかけすぎただけ」と、まるでアクシデントに過ぎないかのように矮小化している。

高濱賛氏は、日経ビジネスオンラインに掲載した「ウィキリークスのジュリアン・アサンジっていったい何者か」(12/21/2010)で陰謀論まで持ち出している(陰謀論については、別の項目で取り上げる)。

最後に、強姦事件にまつわる怪情報について触れておく。事件が起きたのは今年8月中旬。アサンジはスウェーデンのエンコピンで開かれた報道の自由についてのセミナーに招待された際に、主催者の一人だったアナ・アルディンさん(31)から「自分の留守中アパートに泊まらないか」と提案されたという。彼は、セミナーが始まるまで1週間ほど宿泊した。

ところがアルディンさんは予定よりも1日早く帰宅。その晩、夕食ののちベットを共にした。アルディンさんは警察に対して「私が寝てしまったときにアサンジは性交を強要。私が避妊具を付けるように頼んだのを無視してセックスをした」と供述している。

「フリーセックスの国」スウェーデンの刑法では、「女性が避妊具をつけることを要求したにもかかわらず、これを無視して、性交に及んだ場合は強姦とみなす」との条文がある。そこで強姦容疑となったわけだ。

アルディンさんは左翼シンパということになっている。現在アプセラ大学男女平等局で働くかたわら、社会民主党の「キリスト教社会民主主義者連合」の左派グループ「ブラザーフッド・ムーブメント」のメンバーとして活動中だという。ところが、これは「隠れ蓑」、実際にはCIAの工作員だといううわさが流れているのだ。

米情報サイト「Raw Story」が関係筋の話として報じたところによると、アルディンさんはキューバに留学していたとき、CIAが資金を支援している反カストロ・フェミニスト団体「Las damas de blanco」(白い服の女たち)に所属していたという。

となれば、アサンジをなんとかとっ捕まえようとしたCIAが、アルディンさんを使って「強姦容疑」で告発させ、逮捕されるよう仕組んだしてとも不自然ではない。

一見して分かるように、高濱氏は二人の女性の訴えを混同しているほか、「強姦(レイプ)」の容疑が「寝ていて性的合意の判断ができない状態の相手と一方的に性行為に及んだ」ことではなく「コンドーム使用の要求を無視した」ことに起因しているように書いている点が間違いだ。(コンドーム使用の要求を無視したことは、レイプではなく性的暴行の容疑になっている。)

わたしの記事が出たあとに見かけたのは、評論家の山形浩生氏が『Voice』二月号に書いた記事「「ウィキリークス」は否定できない」だ。

だが「ウィキリークス」が人目を引いたのは、それに対するアメリカのすさまじい反応だった。政府圧力で、クレジットカード会社やオンライン支払いサービスが次々に取引停止。支援表明の企業まで一蓮托生で、サーバー提供のアマゾンからも突然の追放処置。そして親玉は、コンドームが破けたの生でやったのとかいうくだらない罪状で、なんとインターポール指名手配。こんな露骨な弾圧があるのかというくらいで、国連はおろか、ロシアのプーチンにまで嫌みをいわれる始末だ。

クレジットカード会社やサーバ提供会社にまで圧力をかけたことが「露骨な弾圧」だというのはそのとおりだと思うのだが、アサンジの罪状が「コンドームが破けたの生でやったのとかいうくだらない罪状」だというのは端的に間違い。もっとも、山形さんはレイプという犯罪自体「くだらない罪状」だと思っているのかもしれない…と思ってしまうのは、かれは以前にも性暴力の被害を訴え出た人を貶めるようなことを書いているから(「クメール・ルージュ裁判におけるトランスセクシュアル被害者の告発」参照)。インターポール云々については、別の項目で取り上げる。

ほかにも、無記名の記事やブログ、ラジオやテレビも含めると、こうした言説は広く拡散していることが分かる。しかもそれらは、高いメディアリテラシーを持っていると自認している論者らによって、「マスメディアはアサンジはレイプ犯だと報道しているが、実際はそうではない、こうなんだ!」といった調子で、「マスコミが報道しない真実」を明らかにしているつもりでかえって誤報を広めているありさまだ。

【被害を訴えている女性の行動がおかしいのでは?】

こうした反論には、パターンがいくつかある。

 ・女性Aは事件があったとされた後にもアサンジを自宅に泊め続けた。
 ・女性Aは事件があったとされた後にもアサンジのイベントのホストをつとめた。
 ・女性Aは事件の前後に知り合いにアサンジとセックスしたとかしなかったとか要領を得ない話をしていた。
 ・女性AもWも、はじめはアサンジに性病検査をして欲しかっただけで、告発するつもりはなかった。
 ・女性AはCIAとの繋がりがあるスパイの可能性がある。

最後の陰謀論については別の項目で扱うとして、それ以外については仮に事実だったとして(そういう報道が一部にあるのは確かだが、本当かどうかは分からない)「だからいったい何だというのだろうか」。アサンジにかけられた容疑を払拭するような決定的な事実だとは到底思えない。

性暴力の多くは親しい関係にある人のあいだで起こるものだし、被害者の感情や意思は揺れ動くのが普通。自分が受けた不快な経験が「性暴力だった」と受け入れるまでに時間がかかることだって、よくある話だ。そもそも、性暴力というのは告発したところでセカンドレイプの被害を受けるだけでなんの利益もない(加害者がなんの責任も問われない)ことのほうが多いくらいだから、告発したくないと考える被害者が多いのも当たり前だろう。

もちろんわたしは、実際何が起きたか知る立場にいないし、被害を訴えている女性たちが何を考えているのかもまったく分からない。けれども、彼女たちがとったとされる――ほんとうにその通りかどうかもまだはっきりとは分からないが――行動をあれこれ挙げて、「性暴力被害者の行動としては不自然ではないか」と主張する人に対しては、あなたは性暴力被害者がどのような行動をするのかどれだけ分かっているのか、なにかの思い込みやステレオタイプで語っていないか、と問い返したい。

【アサンジは同等の罪に問われた一般の容疑者と比べて、やたらと厳しく扱われていないか?】

アサンジがインターポール(国際刑事警察機構)を通して国際指名手配されたことや、保釈が当初認められず勾留期間が伸びたことについて、アサンジは同等の罪に問われたほかの容疑者より厳しく扱われているのではないか、という意見がある。しかし、それは誤解にもとづいている。

たしかに、「インターポールを通して国際指名手配された」というと、何か社会を揺るがすものすごい大事件を起こした容疑者と同じ扱いをされたかのように聞こえる。アサンジの容疑がいくら深刻だからといって、普通ならそこまでされるほどの罪状じゃないだろう、と感じるのも無理はない。しかし実のところ、性暴力の罪でインターポールを通して国際指名手配される容疑者というのは、決して少なくない。

インターポールのサイトには、現在国際指名手配されている容疑者のデータベースがあり、名前や罪状などで検索することができる。検索フォームに行き、「Offences」の欄に「Sex Crimes」と記入すると、性犯罪で国際指名手配されている人のリストが出てくるが、わたしが調べた時点では四百六十三人が登録されていた。その中には、内戦の際に民族浄化の一環として集団レイプに参加した者など、わたしたちの多くが持つ「国際指名手配」のイメージに合致する容疑者も含まれるが、そうでなくごくありふれたレイプや性的虐待の罪で国際指名手配されている人もたくさんいる。アサンジもその一人だということだ。

十二月七日の逮捕直後に保釈が認められなかったのは、アサンジに定住している住所がなかったことが原因だ。日本でも住居を持たない容疑者の勾留が長引くのはよくあること。その後、アサンジが支持者に提供された住居を新たな「住所」として再度保釈を申請したところ、十二月十六日に保釈が認められた。そのあいだの勾留期間は九日間、国際謀略を疑わせるほど不自然に長いとは言えないだろう。

このように、アサンジが国際指名手配されたことも、勾留が延長されたことも、これといって例外的な出来事ではない。個人的には、住居を持たないホームレスの人がホームレスであることを理由により長期間勾留されるような制度は不公平だと思うけれども、アサンジだけが特別扱いされたわけではない。

【スウェーデン検察は一度逮捕状を出しながら、アサンジに対する追求を断念しているではないか】

スウェーデン検察がアサンジに対する法的追求を一度断念しているのは事実。前述のスウェーデン検察のサイトによると、八月二〇日に逮捕状を出しながら、二五日には捜査が停止されている。その理由はいろいろ考えられるけれども、かならずしも検察が被害者の訴えには信憑性がないとか、アサンジは無罪だと判断したことにはならない。

性暴力の大半が警察に通報すらされないことは知られているが、通報された中で犯人が逮捕され裁判にかけられるケースはさらに少ない。なぜなら性犯罪は決定的な証人や証拠がないことが多く、また被害者が裁判で加害者と向きあうことを恐れ揺れ動くため、被害者の通報を受け加害者を逮捕・起訴しても、有罪に持ち込むことが極端に難しいからだ。勇気を振り絞って性暴力を告発したのに、警察や検察にまともにとりあってもらえなかった、という経験を持つ被害者は大勢いる。

アサンジの件では、八月二五日に検察が追求を断念した二日後に、被害者二人の弁護士が決定を見直すよう要請している。その要請を受け、さらに五日後には検察が決定を覆し、捜査を続行することを決めた。追求断念→被害者の弁護士が抗議→捜査続行、という流れがたった一週間のあいだに起きたわけだが、これがそんなに不自然なことだろうか? 公判が難しい性暴力事件をどこまで追求するか判断するうえで、被害者がどれだけ強い意思を持っているか(どれだけ本当に証言してくれると信用できるか)は重要な要素の一つであり、弁護士の抗議をきっかけに検察が決定を覆したことは、ごく自然に思える

【被害の訴えそのものが、何者かの謀略によるでっちあげではないのか?】

高濱賛氏が紹介している「CIAスパイ説」については、わたしが以前の記事にも書いている通り、まったくのデマ。女性Aはむかしキューバの反カストロ派の雑誌に記事を寄稿したことがあるのだが、その雑誌の編集長はCIAと繋がりのある人物で、CIAから資金援助を受けていたことがあとから分かった、というのが『スパイ説」の大元だが、彼女自身がCIAと関わっているとか、あるいはCIAが関与している雑誌と知っていて寄稿したという証拠すら、まったくない。

CIAスパイ説はともかく、アサンジの容疑が何者かによるでっちあげではないかという意見はよく聞くが、わたしはとてもそうとは思えない。というのも、もし国家機関が国際謀略として性犯罪をでっちあげるなら、いくらでももっとうまくできるはずだから。どうしてそんな「コンドームが破けたの生でやったのとかいうくだらない罪状」と矮小化されるような、理解されにくい容疑をでっちあげなくちゃいけないのか。あるいはどうして「通報するつもりはないけれど、性病検査だけ受けさせたい」というような演技をしなくちゃいけないのか。ありえないだろう。

もちろん、米国政府からスウェーデン政府への圧力がかかっていたとしても不思議ではないし、もしかしたらそれが理由で捜査が再開されたのかもしれない。しなくても良かった国際指名手配をあえてスウェーデン検察がしたのも、政治的な意図があるのかもしれない。その程度の話であればアサンジへの刑事責任追求に政治的な意図がはたらいている可能性はあると思うけれども、はじめからアサンジを陥れるために女性たちが送り込まれたとか、まったく何もないところに犯行をでっちあげたというような、本格的な国家的謀略があったとは、ちょっと考えられない。もし政治的な意図があったとしたら、それはたまたま出されていた女性たちの訴えに政府が便乗したような形だろう。

【なにが真実かは当事者以外の誰にも分からないのに、上杉氏が間違いというのはおかしい、小山の主張にも根拠がない】

わたしの記事に対する反応としてこういうものが多かったのだが、こういうことを言う人たちがわたしの文章を理解しているとは思えない。わたしは一貫して「なにが起きたか」ではなく「アサンジの容疑はなにか」だけを問題としており、上杉氏らが「アサンジの容疑はコンドームが破れただけ、体重をかけすぎただけ」のように矮小化することを批判している。

アサンジにかかっている容疑が事実なのか、それとも冤罪なのかは、わたしには判断ができない。ありそうな話ではあると思うけれども、それだけであったと断定できるはずもない。しかし、スウェーデンの検察当局がアサンジをどういう容疑で追っているかであれば、そのスウェーデン検察当局が公式サイトで発表しているのだから、間違いないだろう。もちろんそのサイトが偽物であり公式サイトではないとか、検察が意図的に公式サイトに嘘を掲載しているとかいうなら話は別だが、これまでのところ誰もそうは言っていない。

上杉氏らがおかしいのは、「間違いのない」事実が誰の目にも明らかになっていることを(意図的に?)無視して、事実に反することを、まるで事実であるかのように宣伝していることだ。被害者の訴えを信じないのがいけないのではなく、被害者の訴えを歪曲することが問題なのだ

【アサンジの性暴力容疑を理由に、ウィキリークスの意義を貶めるな!】

はい、貶めていません。わたしはウィキリークス支持派だし(ウィキリークスの行為すべてを支持するというのではなく、ウィキリークスが目指したものに共感するという意味だが)、その意義ははかりしれないほど大きいと思っている。ただ、アサンジの「別件逮捕」に抗議するくらいなら、ウィキリークスに情報提供したことで「本件逮捕」され、アサンジよりはるかに厳しい追求を受けているブラッドリー・マニング上等兵を支援するほうにウィキリークス支持者はエネルギーを向けるべきだと思う。

わたしは、アサンジがレイプ犯だと断定しているわけではないけれども、そうである可能性はあると思っている。そしてもし仮にかれがレイプ犯であっても、かれが創設したウィキリークスの意義はまったく変わらないとも思う。もしウィキリークス支持者がほんとうにウィキリークスの意義を信じているのであれば、アサンジ個人に性犯罪の容疑がかかっていようが、デマや陰謀論に頼ってまでアサンジの容疑を矮小化する必要はないはずだと思う。

もしウィキリークスの意義を守るために「アサンジはレイプ犯では決してない」と主張しなければいけないのだとしたら、そしてそのためにデマや陰謀論に頼るのも厭わないのだとしたら、そうした人たちは「レイプ犯のやることなすことは全て価値がない」という前提を共有しているという意味で、ウィキリークス否定派の多くと共犯関係にある。ほんとうにウィキリークスの意義を貶めているのは、どっちなのかと問いたい。

One Response - “ジュリアン・アサンジ性犯罪容疑に関連したよくある疑問・異論への応答”

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