性暴力情報センター

性暴力のトラウマに対する反応
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この文書はBarbara Meldrumさんの作ったパンフレット、「Post Traumatic Response and Sexual Assault Survivors」(未発行)を元に、日本の実情に合わない箇所を省略して翻訳されたものです。この文書内で使われている用語の一部は一般に医学界で使われているものではありませんが、より被害者の立場に立った用語を使おうとするMeldrumさんの意向を尊重して訳してあります。

トラウマ(精神的外傷)の影響

人は、自分のコントロールの及ばない恐ろしいこと(トラウマ)を経験すると、トラウマ後反応と呼ばれる反応を示すことがよくあります。 このような「恐ろしいこと」には、

  • 火事、事故、自然災害
  • 暴力、虐待
  • 性的暴力、性的虐待、性的嫌がらせ
  • などが含まれます。

    人は傷つけられるとそれに対して反応します。 もしあなたが性犯罪の被害にあったら深いショックを受けて当然です。 加害者はあなたの尊厳を踏みにじったのですから。

    「トラウマ後の反応」は、そのようなトラウマを受けた人の多くが経験するごく普通の反応です。 性犯罪の被害を受けた人は、以下のような影響を受けることがよくあります。

  • フラッシュバック (ふとしたきっかけで、恐ろしい経験をまるで現在進行中のことのようにはっきりと思い出すこと)

  • 恐ろしい夢

  • 憂鬱感、涙が出てとまらない、など

  • 自殺や自分の体を傷つけようとする衝動

  • 恐怖や不安

  • 拒食症

  • 記憶喪失

  • セックスに対する嫌悪、恐怖

  • 暴力的なパートナーとの交際

  • アルコールの乱用

  • 繰り返しますが、これらは本当に恐ろしい経験をした人に当然のようにして起きる、ごく普通な反応なのです。

    性暴力の被害にあって、数ヵ月や数年も遅れてこのような反応を経験する人もいます。 加害者が家族などの場合、加害者と物理的に離れた安全地帯に行ってから初めてこのような経験をする人もいます。 遅れてこうした反応を経験すると、トラウマの記憶がはっきりしない分余計に恐ろしく感じることもあります。 トラウマからずっと後に起きたことがトラウマの記憶を蘇らせ、トラウマの当時に戻ったように感じることもあります。

    どのような傷からも回復できます

    あなたが傷つけられたとき、加害者はあなたの尊厳を踏みにじり、無力にしようとしたのです。 このようなトラウマからの回復には尊厳を再び取り戻し、失われた力を取り返すことが重要です。 この方法はたくさんあります。

    このような状況にあなたは過去どのように対処しましたか?

  • あなたの持っている強さは何ですか? 得意なことは?

  • トラウマを思い出させるような物をどうやって遠ざけることができますか?

  • あなた自身を守って下さい

  • あなたの家を物理的にも精神的にも安全な場所にしましょう。 鍵はかかっていますか? 何かあったら電話できる人はいますか?

  • 外出するとき、不安に感じたら友達と一緒に行きましょう。 緊急の際どうしたらよいか考えてから外出してください。

  • あなたの体を大切に。 食事・睡眠は適切に取ってください。

  • アルコールの摂取には気をつけてください。

  • あなたが好きなことは何ですか?

  • 混乱したり不安を感じたら日記を付けたり、「これからやること」の計画をリストにすると落ち着いた気持ちになることがあります。

  • 好きな音楽をかけてください。

  • 詩や絵、音楽などを通して自分を表現してみましょう。 誰にもみせなくてもいいのです。 芸術を通してリカバリーするトラウマ経験者はたくさんいます。

  • 想像力をはたらかせて「奇蹟」を起こしましょう

  • もしあなたが朝起きて、世界がすべて良くなっていたとしたら、どのよううな世界になっているか想像してください。

  • カウンセラーなどの助けを得て、トラウマの経験を見直してみましょう

    一人でやる必要はありません!

  • 性暴力の問題に理解のあるカウンセラーの助けを得てください。

  • 相談電話に電話して資料を送ってもらいましょう。 カウンセラーの紹介もしてもらえるかも知れません。

  • トラウマを理解することは、あなた自身を許すことです。 あなたは何も悪いことをしなかったのですから。 あなたには何の責任もありません。

  • トラウマからの回復は一晩にしては起こりません。 多くの場合トラウマは毎日の小さな努力の積み重ねで克服されます。 あなたはおそらくすでにあなたなりの方法でそのステップを積み重ね始めているでしょう。 あなたが秘めている力を認識するのにカウンセラーや友達の助けがいるとしても、それは恥ずかしい事ではありません。

    もしあなたが心の傷のあまりの深さにあきらめそうになったり、自殺を考えるようでしたら、今すぐ理解のあるカウンセラーに相談してください。 カウンセラーもそれぞれですが、中には性暴力の問題について真剣に考えて、その影響の大きさを理解しているカウンセラーはちゃんといます。 何をしたらいいか分からなくなったら相談電話に電話して相談して下さい。


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