性暴力情報センター

レイプにまつわる「迷信」
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レイプに関して、世の中には間違った認識が氾濫しています。 ここではそんな「迷信」(間違った認識)と「真実」を比べてみましょう。 そうすることにより、「迷信」が加害者を弁護し、被害者を非難する構造を持っていることがはっきりと分かります。


迷信1『レイプは被害者が加害者を挑発した結果起きる。』

多くのレイプは部分的、あるいは全体にわたって計画的に行われています。 挑発的な服装や言動が原因として起こるなら、レイプの多くが突発的に起きているはずでしょう。 また、多くの被害者は「抵抗したら殺してやる」と脅されています。 なぜわざわざ暴行され、殺されるかもしれないようなことを被害者がするというのでしょうか? この「迷信」の問題は、責任を加害者でなく被害者に求めるところにあります。

報告されたレイプ犯罪のうち、被害者が「挑発」した、と加害者が主張しているのは4%ほどにしかすぎません。 そして、その「挑発」のほとんどが、特に何かをしたわけではなく、単にセクシーな服装をしていたというだけのことなのです。

迷信2『レイプにあうのは美しく若い女性だけだ。』

性暴力の被害者は暴力の被害者です。 レイプ犯の多くは被害者を外見的魅力で選ぶわけではありません。 年齢や社会的地位に関わらず誰でもレイプの被害にあう可能性があります。

迷信3『女性は夜外を一人歩きしなければ安全だ』

報告されたレイプの半数は普通の家の中で起きます。 約3分の1は被害者の自宅でおきます。 夜一人歩きしなくても襲われる危険はありますが、いつどこで襲われても被害者の責任ではありません。

迷信4『レイプは赤の他人によって行われる』

報告されたレイプの約半数において、被害者は加害者と顔見知り以上の関係にあります。 被害者の1〜2割は親しい友人や家族の一員にレイプされたと報告しています。 さらに、身近な人にレイプされた人は、知らない人にレイプされた人に比べ報告しない傾向が強いので、報告されない例も含めると知り合いによるレイプが全レイプの大部分を占めるとも予測されます。

迷信5『本当に嫌ならレイプを止めることができるはずだ』

ほとんどの被害者は、抵抗したら殺す、あるいは怪我をさせる、というように脅され、仕方なく従ったにすぎません。 また、多くのケースでは加害者による暴力が使われ、暴力的でないケースは被害者が子供の場合など、暴力を使わなくても脅しが歴然としている場合がほとんどです。

言葉による脅しや暴力により、多くの被害者は恐怖から身動きがとれなくなるのです。 抵抗ができなくても本人の責任ではありません。

迷信6『レイプは大都市でしか起こらない』

レイプの件数は人口の多い大都市に多いですが、地方でもレイプは起きています。 ただ、社会共同体が被害者に対して冷たい地方部では、被害を受けても社会的な報復や孤立を恐れて報告しない人が多いと思われます。

迷信7『レイプは性的欲求を爆発させた男性によって衝動的に行われる』

ほとんどのレイプは計画的に起こっています。 もともとレイプする気のなかった人が相手を見て衝動的にレイプした、と加害者が主張するケースは全体の1割前後しかありません。

迷信8『レイプをするのは性生活に不満を持っている異常な男だけだ』

レイプの加害者は普段は普通の暮らしを送っています。 レイプの動機は単に性的欲求ではなく、力の誇示です。 レイプ犯に心理テストを取らせても、ほとんどの場合は特に変わった特徴や精神異常を見せることはありません。 さらに、ほとんどの加害者にはレイプという手段に及ばなくても性行為のできる相手がいます。


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