The Conscience of a Liberal
The Conscience of a Liberal
著者/訳者:Paul Krugman
出版社:W W Norton & Co Inc( 2007-09 )
定価:¥ 2,930
ハードカバー
ISBN-10 : 0393060691
ISBN-13 : 9780393060690
90年代には自由貿易による工場閉鎖に困惑する労働組合や左翼を愚弄していたはずのクルーグマンが、いつの間にか熱血左翼になっていた。この本でかれは、70年代以来の米国政治の保守化が1920年代以来となる膨大な貧富の格差を生み出したこと、そしてそれがニューディールの成果を消し去ろうとする一部の過激な右翼たちが南部の白人たちの心の底に潜む人種差別意識を利用した結果であることを明らかにする。かれによれば、この国に健康保険の適用を受けない人が大勢いるのも、そもそもの原因は奴隷制度とその後遺症にあるというーートルーマン大統領が国民皆保険制度を導入しようとしたところ、米国医師会は南部で「公的保険は人種別の病院を統合させてしまう」と宣伝してそれを潰した。しかし状況は変わりつつあり、健康保険改革は手の届くところまで来た。政府が健康保険をきちんと管理できることを示し、さらなる社会保障制度の充実を目指そう、とクルーグマンは主張する。西欧ならごく当たり前の主張なのだけれど、米国でこれだけ力強くそして分かりやすく社会主義を主張する経済学者ーーしかも超一流のーーの存在は貴重。
