The Myth of the Rational Voter: Why Democracies Choose Bad Policies

Filed under: economics, politics — 04/28/2008

The Myth of the Rational Voter: Why Democracies Choose Bad Policies
著者/訳者:Bryan Caplan
出版社:Princeton Univ Pr( 2007-04-27 )
定価:¥ 3,293
ハードカバー
ISBN-10 : 0691129428
ISBN-13 : 9780691129426


タイトルを直訳すると「合理的な有権者という神話/なぜ民主主義はダメな政策を選択するのか」。要約すると有権者は経済学を理解しないバカばかりで、経済学から見れば明らかにおかしい経済政策をやたらと支持している、という内容。それは、有権者は自分の一票で政策が変わることはないと分かっており、したがってどの候補に投票しても個人的なコストが生じないので、自分が持っている偏見を肯定してくれる候補に入れることで感情的に満たされようとしているからだと経済学者の著者は分析している。事実その通りなんだろうけど、救いようがない。著者は「ダメな政策」を支持する有権者の責任を問う一方で、その駄目な政策を掲げる政治家については「有権者の支持を得なくてはいけないのだから仕方がない」と免責しているのだけれど、著者自身のバイアスを露呈しているように見える。ていうか、一番悪いのは一般市民に学術的にまともな見解をきちんと説明できない経済学者じゃないんだろうかと思ってしまう。

Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness

Filed under: economics, politics, psychology — 04/28/2008

Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness
著者/訳者:Richard H. Thaler Cass R. Sunstein
出版社:Yale Univ Pr( 2008-04-08 )
定価:¥ 2,858
ハードカバー
ISBN-10 : 0300122233
ISBN-13 : 9780300122237

Secular Conscience: Why Belief Belongs in Public Life

Filed under: religion + atheism, politics — 04/24/2008

Secular Conscience: Why Belief Belongs in Public Life
著者/訳者:Austin Dacey
出版社:Prometheus Books( 2008-03 )
定価:¥ 2,743
ハードカバー
ISBN-10 : 1591026040
ISBN-13 : 9781591026044


世俗的人道主義を掲げる全国団体 Center for Inquiry の役員をつとめる哲学者の著者は、近年のリベラル・左派政治勢力が価値観の問題を「個人の内面的自由」として公共の議論から排除し、また相対主義によって価値観の優劣を論じることを避けた結果、公共的な価値をめぐる議論のヘゲモニーを宗教右派勢力に譲り渡してしまったと批判する。そして、世俗的リベラリストは今こそ近代リベラリズムの原理である民主主義・個人の尊厳・平等・理性といった価値観を信念を持って主張すべきだと言うのだ。特にかれを苛立たせるのは、かれが「新たな全体主義」とみなすイスラム原理主義ーー単にテロリズムや武力闘争に携わる集団だけにとどまらず、イスラム教に基づく神政政治を求めるあらゆる勢力を含むーーに対し、左翼が文化相対主義を掲げて対立を避けようとすることだ。「ネオコン左派」とでも呼ぶべきこうした主張は、これから影響力を増していくのではないだろうか。カトリック系政治団体の代表者はこの本を評して、「主張されている価値は全て間違っているが、姿勢だけはまったく正しい」と言ったとか。

American Fascists: The Christian Right and the War On America

Filed under: religion + atheism, politics — 04/24/2008

American Fascists: The Christian Right and the War on America
著者/訳者:Chris Hedges
出版社:Free Pr( 2008-01-08 )
定価:¥ 1,533
ペーパーバック
ISBN-10 : 0743284461
ISBN-13 : 9780743284462

Hearing the Other Side: Deliberative versus Participatory Democracy

Filed under: politics, theory — 04/24/2008

Hearing the Other Side: Deliberative Versus Participatory Democracy
著者/訳者:Diana C. Mutz
出版社:Cambridge University Press( 2006-03-13 )
定価:¥ 2,527
ペーパーバック
ISBN-10 : 0521612284
ISBN-13 : 9780521612289

A Conflict of Visions: Ideological Origins of Political Struggles

Filed under: economics, politics, theory — 04/24/2008

A Conflict of Visions: Ideological Origins of Political Struggles
著者/訳者:Thomas Sowell
出版社:Basic Books( 2002-02-19 )
定価:¥ 2,075
ペーパーバック
ISBN-10 : 0465081428
ISBN-13 : 9780465081424


教育や税制や外交や軍事などさまざまな政治的・法的課題をめぐるさまざまな論争において、それぞれの問題の間には特に直接の繋がりがあるとは思えないのに、どうしてある問題で同じ意見を持つ人たちが、他の問題でも同じ陣営にまとまることが多いのか。著者は過去数世紀の欧米政治思想史を遡りつつ、そうした左翼と右翼ーーと言うより、進歩主義と保守主義ーーの対立の由来を、それぞれの陣営が前提とする根本的な人間観・世界観の相違に求める。進歩主義の土台には人間の限りない可能性を信じる「非束縛的」価値観があり、保守主義の背景には人間は生まれつき与えられた能力や性向に制約されているという「束縛的」価値観があるという。同じテーマを扱った本としては George Lakeoff『Moral Politics: How Liberals and Conservatives Think』が有名だけれど、より長いスパンで政治思想の歴史をたどったこちらの方がお薦め。

A Bound Man: Why We Are Excited About Obama and Why He Can’t Win

Filed under: politics, race + ethnicity — 04/24/2008

A Bound Man (Free Press)
著者/訳者:Shelby Steele
出版社:Free Pr( 2007-12-04 )
定価:¥ 2,388
ハードカバー
ISBN-10 : 1416559175
ISBN-13 : 9781416559177


著者のスティールは保守系シンクタンクに所属する黒人政治評論家。かれによれば、米国社会では黒人は成功するために多数派である白人との関係において「挑戦型」もしくは「取り引き型」のどちらかの仮面をかぶらなければならず、結果として個人としての声を奪われていると指摘する。バラック・オバマはその「取り引き型」の政治家として大統領の座に歴史上もっとも接近した黒人だが、スティールはかれを支持する白人有権者たちの心理に「人種差別の過去を決済してしまいたい」という欲望を見出す。オバマはそうした欲望に縛り付けられ、自分の声を挙げられずにいるのだとする。一部露骨なアンチ・リベラルな主張が出てきてわたし的にはひるんでしまうのだけど、保守派黒人論客という立場から見たオバマの分析はとても参考になる。(しかしある白人の知り合いがこの本を読んで「黒人たちはもういい加減差別のことなんて忘れるべきだ」とか言い出したのにはびびった。)

Ferocious Romance: What My Encounters With the Right Taught Me About Sex, God, and Fury

Filed under: politics, queer — 04/24/2008

Ferocious Romance: What My Encounters With the Right Taught Me About Sex, God, and Fury
著者/訳者:Donna Minkowitz
出版社:Free Pr( 1998-11 )
定価:¥ 2,512
ハードカバー
ISBN-10 : 0684833220
ISBN-13 : 9780684833224


レズビアンでジャーナリストの著者が宗教右派の集会に潜入し、一般の参加者から指導者までインタビューして発見したことは、「宗教右派ってクィア・コミュニティとそっくり! 宗教的ストイシズムって S/M じゃん!」。16歳の少年に扮装して男性のみが集まるプロミスキーパーズの集会に参加したレポートのほか、どうして宗教右派が人々の支持を得るのかを丁寧に分析した本。

War on the Middle Class: How the Government, Big Business, and Special Interest Groups Are Waging War on the American Dream and How to Fight Back

Filed under: politics — 04/24/2008

War on the Middle Class: How the Government, Big Business, and Special Interest Groups Are Waging War on the American Dream and How to Fight Back
著者/訳者:Lou Dobbs
出版社:Viking Pr( 2006-10-05 )
定価:¥ 2,731
ハードカバー
ISBN-10 : 0670037923
ISBN-13 : 9780670037926


著者は経営者に人気の CNN 経済アナリスト兼コメンテータだったはずが、9/11 事件によって突如政治に目覚めた。イスラム教徒や移民に対する偏見丸出しの発言をはじめたかと思うと、今度は「中流階級が苦しんでいる」としてブッシュ政権の金持ち優遇減税や医療保険制度を批判しだして周囲を唖然とさせる。その様子は、「社会的にリベラル、経済的に保守」から「社会的に保守、経済的にリベラル」に一気に転換したかのようでいて、一貫してポピュリスト的でもある。産業界に影響力を持つため要注目。

Lies (And the Lying Liars Who Tell Them): A Fair and Balanced Look at the Right

Filed under: politics — 04/24/2008

Lies (And the Lying Liars Who Tell Them): A Fair and Balanced Look at the Right
著者/訳者:Al Franken
出版社:Large Print Pr( 2004-08 )
定価:¥ 1,691
ペーパーバック
ISBN-10 : 1594130388
ISBN-13 : 9781594130380


コメディアン・リベラル系トークラジオホストにして次期上院議員候補(ミネソタ州)の著者による、FOX News をはじめとした右派メディアの分析。「リベラルは女々しい」と言ってのけた保守評論家に「そんなに男らしいなら」と素手での決闘を挑むなど要所にジョークを交えつつ、内容は至って真剣。友人でもあり選挙中に事故死したウェルストーン議員を追悼する集会を右派メディアが散々歪曲して民主党攻撃に利用したことを批判する部分では、静かな文体が逆に著者の怒りを感じさせる。

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