The Logic of Life: The Rational Economics of an Irrational World

Filed under: economics — 04/24/2008

The Logic of Life: The Rational Economics of an Irrational World
著者/訳者:Tim Harford
出版社:Random House Inc (T)( 2008-01-15 )
定価:¥ 2,763
ハードカバー
ISBN-10 : 1400066425
ISBN-13 : 9781400066421


まっとうな経済学』著者の新著。タイトルのとおり、一見不合理に見える世の中のさまざまな事象(たとえば、どう見ても本人の働きに見合うとは思えないほど巨額となったCEOの給料)の裏にどのような合理的な仕組みが隠されているかを明らかにする。ただし、合理的な説明が可能なことは現状が倫理的な意味で「合理的」であるとは限らない。「合理的な」人種差別のような問題にどう対処すればいいのか、それもこの本では論じられている。同時期に発売された Michael Shermer『The Mind of the Market』ではこの本とは逆に「現実社会は経済学的な観点から見れば非合理なことがたくさんある、そしてそれは進化的適応という観点からすれば説明できる」というテーマが主張されており、「経済的非合理の存在」をめぐる微妙な対立がある。

More Sex Is Safer Sex: The Unconventional Wisdom of Economics

Filed under: economics — 04/24/2008

More Sex Is Safer Sex: The Unconventional Wisdom of Economics
著者/訳者:Steven E. Landsburg
出版社:Free Pr( 2007-04-17 )
定価:¥ 2,913
ハードカバー
ISBN-10 : 1416532218
ISBN-13 : 9781416532217


レヴィット&ダブナー『ヤバい経済学』以降の類似本の一種と見せかけて、かなり独自路線を行っている本。経済学者は世間の常識に真っ正面から反して見えるような見解を提示することがあるけど、この人に至ってはただひたすら常識に反するようなショッキングな主張をしようと経済学理論を振り回しているような印象もなくはない。そういう姿勢は学者としてどうなのかという点はさておき、読み物としてみれば刺激的で面白い。疑いながら楽しく読めば良いかと。

日常の疑問を経済学で考える

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

日常の疑問を経済学で考える
著者/訳者:ロバート H.フランク
出版社:日本経済新聞出版社( 2008-02 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4532352983
ISBN-13 : 9784532352981


日常に潜んだ素朴な疑問に応えてくれるのが本著。この本では学生らが思いついたふとした日常的な疑問の数々に、それぞれ1ページから2ページ程度の分量で経済学の理論を通して分かりやすい説明がつけられている。一つ一つの解説が短いので読みやすく、読んでいるうちに経済学的な思考方法がだんだん分かるようになるのが素晴らしい。いや個々の「説明」にはちょっと疑問もあるんだけど(いまちょっと調べてみたら、そこら中で叩かれてる…やっぱり。) 内容を鵜呑みにするのではなく、思考方法を学ぶために読む本。

Discover Your Inner Economist: Use Incentives to Fall in Love, Survive Your Next Meeting, and Motivate Your Dentist

Filed under: economics, psychology — 04/24/2008

Discover Your Inner Economist: Use Incentives to Fall in Love, Survive Your Next Meeting, and Motivate Your Dentist
著者/訳者:Tyler Cowen
出版社:E P Dutton( 2007-08-02 )
定価:¥ 2,944
ハードカバー
ISBN-10 : 0525950257
ISBN-13 : 9780525950257


サブタイトルから分かる通り、ベストセラーとなったレヴィット&ダブナー『ヤバい経済学』と同じくインセンティブの概念だけで引っ張ったような内容だけれど、より感情的・精神的なインセンティヴを強調しているのが特徴か。サブタイトルから分かる通り、『ヤバい経済学』が「日本の相撲における八百長」とか「妊娠中絶合法化と犯罪率の関係」といった突拍子もないトピックを分析するのに対し、こちらは日常的な問題(中華料理店で何を注文すればいいか!)について適格なアドバイスを提示することに徹している。

まっとうな経済学

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

まっとうな経済学
著者/訳者:ティム・ハーフォード
出版社:ランダムハウス講談社( 2006-09-14 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4270001445
ISBN-13 : 9784270001448


タイトルからして『ヤバい経済学』と対照的なのが、ティム・ハーフォードのこの本。コーヒー店やスーパーマーケットの商法といった身近な話題で読者を引き込みつつ、読み終わる頃には世の中の事柄に関する経済学的な視点を理解できるようになる良書。特に政治的に左寄りの読者にとっては、善意の行動や政策が必ずしも良い結果をもたらさないことを説き、むしろ市場原理に委ねることが問題解決に繋がるという著者の主張には納得がいかない面もあるだろうけど、だからこそ自由市場論者の論理を理解するためにも読んでおくべき。ていうか、結論に同意しなくていいから、左派系の人がみんな「一般的な経済学ではこう考えるんだ」ということを理解してくれたら助かるんだけどなー。内容はかなり正統派なので、邦訳タイトルが『ヤバい経済学』に便乗しているようなイメージを出しているとしたら残念。そもそも、まっとうな内容の本に「まっとうな」なんて胡散臭い題付けて売るなよ。

ヤバい経済学  悪ガキ教授が世の裏側を探検する

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
著者/訳者:スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー
出版社:東洋経済新報社( 2006-04-28 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4492313656
ISBN-13 : 9784492313657


一連の経済学本ブームの発端となった本であり、わたしが紹介するまでもないくらい各国でものすごい部数売れている。たしかに取り上げられた話題や主張の斬新さには目を見晴らされるのだけれど、経済学の話として読むとインセンティブがどうのという点しか見当たらない。経済学の方法を使うとこんなに分かると言われても、それは経済学ではなくて普通にどんな学問でも使う統計手法じゃないかと感じてしまう。類書の中でももっとも経済学的な内容の薄い本であり、それが実はベストセラーになった要因ではないかとすら思える。まぁ面白いからいいけどさ。

The Pro-Growth Progressive: An Economic Strategy for Shared Prosperity

Filed under: economics, politics — 04/24/2008

The Pro-Growth Progressive: An Economic Strategy for Shared Prosperity
著者/訳者:Gene Sperling
出版社:Simon & Schuster( 2005-11 )
定価:¥ 2,949
ハードカバー
ISBN-10 : 0743237536
ISBN-13 : 9780743237536


著者はクリントン政権の国家経済会議議長だったエコノミスト。リベラルは経済成長を積極的に求めることやグローバリズムに批判的なことが多いけれど、著者はリベラルこそ積極的に経済成長やグローバリズムの肯定的な部分を語って行くべきだと主張する。また同時に、経済成長の果実を一部の人に独占させずに社会全体で共有するためのリベラルの論理も説明する。それは弱者救済のためのみでなく、次世代における健全かつ自由な市場競争を維持するためにも必要なのだと。

The Conscience of a Liberal

Filed under: economics, politics, class + poverty — 04/24/2008

The Conscience of a Liberal
著者/訳者:Paul Krugman
出版社:W W Norton & Co Inc( 2007-09 )
定価:¥ 2,830
ハードカバー
ISBN-10 : 0393060691
ISBN-13 : 9780393060690


90年代には自由貿易による工場閉鎖に困惑する労働組合や左翼を愚弄していたはずのクルーグマンが、いつの間にか熱血左翼になっていた。この本でかれは、70年代以来の米国政治の保守化が1920年代以来となる膨大な貧富の格差を生み出したこと、そしてそれがニューディールの成果を消し去ろうとする一部の過激な右翼たちが南部の白人たちの心の底に潜む人種差別意識を利用した結果であることを明らかにする。かれによれば、この国に健康保険の適用を受けない人が大勢いるのも、そもそもの原因は奴隷制度とその後遺症にあるというーートルーマン大統領が国民皆保険制度を導入しようとしたところ、米国医師会は南部で「公的保険は人種別の病院を統合させてしまう」と宣伝してそれを潰した。しかし状況は変わりつつあり、健康保険改革は手の届くところまで来た。政府が健康保険をきちんと管理できることを示し、さらなる社会保障制度の充実を目指そう、とクルーグマンは主張する。西欧ならごく当たり前の主張なのだけれど、米国でこれだけ力強くそして分かりやすく社会主義を主張する経済学者ーーしかも超一流のーーの存在は貴重。

« 前のページ

HTML convert time: 3.707 sec. Powered by WordPress ME