赤ちゃんの値段

Filed under: japan, books in japanese — 04/28/2008

赤ちゃんの値段
著者/訳者:高倉 正樹
出版社:講談社( 2006-06-20 )
定価:¥ 1,785
単行本
ISBN-10 : 4062134845
ISBN-13 : 9784062134842


タイトルを直訳すると「合理的な有権者という神話/なぜ民主主義はダメな政策を選択するのか」。要約すると有権者は経済学を理解しないバカばかりで、経済学から見れば明らかにおかしい経済政策をやたらと支持している、という内容。それは、有権者は自分の一票で政策が変わることはないと分かっており、したがってどの候補に投票しても個人的なコストが生じないので、自分が持っている偏見を肯定してくれる候補に入れることで感情的に満たされようとしているからだと経済学者の著者は分析している。事実その通りなんだろうけど、救いようがない。著者は「ダメな政策」を支持する有権者の責任を問う一方で、その駄目な政策を掲げる政治家については「有権者の支持を得なくてはいけないのだから仕方がない」と免責しているのだけれど、著者自身のバイアスを露呈しているように見える。ていうか、一番悪いのは一般市民に学術的にまともな見解をきちんと説明できない経済学者じゃないんだろうかと思ってしまう。

インターネットはいかに知の秩序を変えるか? - デジタルの無秩序がもつ力

Filed under: internet, books in japanese — 04/27/2008

インターネットはいかに知の秩序を変えるか? - デジタルの無秩序がもつ力
著者/訳者:デビッド・ワインバーガー
出版社:エナジクス( 2008-04-08 )
定価:¥ 2,520
単行本
ISBN-10 : 4990334531
ISBN-13 : 9784990334536


本や商品など物質的な実体を持つモノは、どのようにうまく整理しても物理的な限界によって「使いやすさ」「探しやすさ」に制約を受ける(第一の秩序)。そこで人はモノそのものではなくモノについての情報を書き出して整理・分類したが、それでもまだ情報が記されたカードやカタログ自体がモノであるためにさまざまな制約が残った(第二の秩序)。ところがコンピュータを使って情報をデジタルデータとして取り込み、メタデータを付加して管理することで、必要なときに必要な用途に応じてとり出すことができる(第三の秩序)。情報のデジタル化とネットワーク化こそ、わたしたちの「知」の本来のカタチーーそれは特定の形を取らないことそのものなんだけれどーーを明らかにし、無秩序が持つ可能性を解放する。

神は妄想である 宗教との決別

Filed under: science, religion + atheism, books in japanese — 04/24/2008

神は妄想である―宗教との決別
著者/訳者:リチャード・ドーキンス
出版社:早川書房( 2007-05-25 )
定価:¥ 2,625
単行本
ISBN-10 : 4152088265
ISBN-13 : 9784152088260

ひきこもりの国

Filed under: japan, books in japanese — 04/24/2008

ひきこもりの国
著者/訳者:マイケル・ジーレンジガー
出版社:光文社( 2007-03-23 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4334961967
ISBN-13 : 9784334961961


「ひきこもり」(や、その他雑多な現代日本の「社会問題」)を停滞する日本社会のメタファーとする、ガイコク人ジャーナリストによるダメダメ日本論。いわゆる「日本通」の欧米人の認識なんてこんなもの、程度に読んでおいてもいいけどさ。英語版には日本語解説がついているんだけど、「合コン」のことを「男女5人ずつで行なう」ものだと紹介していたり(「5コン」ってことか?)、わけわからない。近く斎藤環さんのひきこもりに関する著作が英訳されるそうで、とりあえずこの本だけが英語圏で流通する状態にならずに良かった。

その数学が戦略を決める

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

その数学が戦略を決める
著者/訳者:イアン・エアーズ
出版社:文藝春秋( 2007-11-29 )
定価:¥ 1,800
単行本
ISBN-10 : 4163697705
ISBN-13 : 9784163697703


ワインやプロ野球選手の価値の判断にはじまり、映画ビジネスや社会政策、教育、医学などさまざまな分野において、データマイニングと計量的分析が、長年の経験と勘で勝負する伝統的な「専門家」をことごとく凌駕する結果を導き出すことを示し、批評家や医者・教師といった伝統的「専門家」の役割転換が迫られていることを指摘する著者。あまりに話がうまくいきすぎることがかえって信じ難い部分もあるけれども、だいたいの方向性としては正しいように思える。航空機のパイロットが自分の経験や勘にこだわらずに比較的柔軟にコンピュータとの新たな関係を受け入れたのに対し、医者や教師らが激しく抵抗しているという指摘ーーパイロットは飛行機が墜落すれば自分も死ぬが、医者や教師は失敗しても自分は直接傷つかないーーには冷や汗が出る。ただ、専門家に対するデータの優位をこれでもかと誇示するばかりで、データ主導の社会になることでわたしたちの社会が、あるいは自己や世界の認識がどのように変わるのかという点が(社会政策や医療の質が良くなってみんな恩恵を受けるという他には)ほとんど論じられていないのは、著者の専門ではないから仕方がないとはいえ、ちょっとがっかりした。また終盤の「統計を理解すればこんなに生活に役に立つ」みたいな部分は、趣旨からいって別の本にするべきだった気もする。

ひきこもりの社会学

Filed under: theory, japan, books in japanese — 04/24/2008

ひきこもりの社会学 (世界思想ゼミナール)
著者/訳者:井出 草平
出版社:世界思想社教学社( 2007-08 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 479071277X
ISBN-13 : 9784790712770

日常の疑問を経済学で考える

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

日常の疑問を経済学で考える
著者/訳者:ロバート H.フランク
出版社:日本経済新聞出版社( 2008-02 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4532352983
ISBN-13 : 9784532352981


日常に潜んだ素朴な疑問に応えてくれるのが本著。この本では学生らが思いついたふとした日常的な疑問の数々に、それぞれ1ページから2ページ程度の分量で経済学の理論を通して分かりやすい説明がつけられている。一つ一つの解説が短いので読みやすく、読んでいるうちに経済学的な思考方法がだんだん分かるようになるのが素晴らしい。いや個々の「説明」にはちょっと疑問もあるんだけど(いまちょっと調べてみたら、そこら中で叩かれてる…やっぱり。) 内容を鵜呑みにするのではなく、思考方法を学ぶために読む本。

まっとうな経済学

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

まっとうな経済学
著者/訳者:ティム・ハーフォード
出版社:ランダムハウス講談社( 2006-09-14 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4270001445
ISBN-13 : 9784270001448


タイトルからして『ヤバい経済学』と対照的なのが、ティム・ハーフォードのこの本。コーヒー店やスーパーマーケットの商法といった身近な話題で読者を引き込みつつ、読み終わる頃には世の中の事柄に関する経済学的な視点を理解できるようになる良書。特に政治的に左寄りの読者にとっては、善意の行動や政策が必ずしも良い結果をもたらさないことを説き、むしろ市場原理に委ねることが問題解決に繋がるという著者の主張には納得がいかない面もあるだろうけど、だからこそ自由市場論者の論理を理解するためにも読んでおくべき。ていうか、結論に同意しなくていいから、左派系の人がみんな「一般的な経済学ではこう考えるんだ」ということを理解してくれたら助かるんだけどなー。内容はかなり正統派なので、邦訳タイトルが『ヤバい経済学』に便乗しているようなイメージを出しているとしたら残念。そもそも、まっとうな内容の本に「まっとうな」なんて胡散臭い題付けて売るなよ。

ヤバい経済学  悪ガキ教授が世の裏側を探検する

Filed under: economics, books in japanese — 04/24/2008

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
著者/訳者:スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー
出版社:東洋経済新報社( 2006-04-28 )
定価:¥ 1,890
単行本
ISBN-10 : 4492313656
ISBN-13 : 9784492313657


一連の経済学本ブームの発端となった本であり、わたしが紹介するまでもないくらい各国でものすごい部数売れている。たしかに取り上げられた話題や主張の斬新さには目を見晴らされるのだけれど、経済学の話として読むとインセンティブがどうのという点しか見当たらない。経済学の方法を使うとこんなに分かると言われても、それは経済学ではなくて普通にどんな学問でも使う統計手法じゃないかと感じてしまう。類書の中でももっとも経済学的な内容の薄い本であり、それが実はベストセラーになった要因ではないかとすら思える。まぁ面白いからいいけどさ。

戦後責任論

Filed under: postcolonial, japan, books in japanese — 04/24/2008

戦後責任論 (講談社学術文庫)
著者/訳者:高橋 哲哉
出版社:講談社( 2005-04 )
定価:¥ 1,008
文庫
ISBN-10 : 4061597043
ISBN-13 : 9784061597044

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