「性産業の需要を減らす」アプローチが、性労働に従事している人にとって有害でしかない理由

2012年8月5日 - 11:29 PM | このエントリーをブックマーク このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet This

米国の反人身取引・反売買春運動において、ここ数年「性産業の需要を減らす」アプローチを主張する人や団体が影響力を得ている。すなわち、これまでよくあったように供給側(売春者)を処罰するのではなく、需要側(客)の取り締まりを強化したり、厳罰化したり、あるいは規範化による社会的制裁を行うことによって、需要側のインセンティヴにはたらきかけ、性的サービスに対する需要を減らすべきだという考えだ。かれらは、需要を減らすことによって、人身取引の被害者や、やむを得ない理由によって売春に従事する人たちを減らすことができる、と主張している。
この主張は、売買春をなくしたいが、生活のために売春に従事している人たちを処罰することには罪悪感を感じる、一部のフェミニストやリベラルや道徳主義者にとっては、とても都合がよく聞こえるため、多くの人たちの支持を得ている。また、需要や供給、あるいはインセンティヴという言葉を使うことによって、経済学的な根拠のある主張であるという印象を醸しだすことにも成功している。しかし、このアプローチを支持する経済学者は、わたしの知る限り、世界中に一人もいない(一人だけ、投資銀行メリル・リンチの元アナリストだったMBA保持者がいて、仲間内では「経済学のエキスパート」として持てはやされているけど、本物の経済学者には思い切りバカにされている)。
わたしは米国のフェミニズムや性労働者運動において、「需要を減らす」アプローチがいかに無効であり、人身取引の被害者や、やむを得ない理由によって売春に従事している人たちのような、かれらが救おうとしている人たちをさらに苦しめるものであるか、再三主張してきたが、最近になって日本でも(おそらく米国の運動の影響を受けて)同様の主張をする人を見かけるようになったので、「需要をなくす」アプローチがどうして間違っているのか、以下にまとめる。質問や反論があれば、コメント欄にお願いします。
*****
1. 性市場が通常の市場であるならば、需要サイドへの政策的介入によって需要を現状以上に減らすことは、価格の下落を経由してですが、供給の減少を引き起こします。これが、「売買春の需要を減らす」運動の論理です。もちろん、もし需要が完全に消え去れば、供給も途絶えるでしょう(その結果、路頭に迷う人が続出しますが)。しかし現実問題として、たかが取り締まり強化ごときで「需要を減らす」政策がそこまでの成果を挙げると考えている人はほとんどいません。そこで、ここではとりあえず、完全な根絶ではなく、「需要のある程度の減少」がどのような結果をもたらすかについて考えてみます。
2. 通常の市場であるならば、買い手がなんらかの理由で一時的に減少すれば、少なくなった買い手を求めて売り手がより激しく競争する結果、価格が下がります。価格が下がると、これまで価格が高すぎるからと諦めていた人が新たに買い手として参入したり、これまで売り手だった人が価格が安すぎるからと商売を変えたりして、逆に価格を元の水準に引き戻そうとする力が働き、需要と供給のバランスがふたたび回復します。それが市場です。言い換えると、市場というのは、価格の変動を通して、需要と供給をマッチさせる仕組みです。
3. 「需要を減らす」アプローチの場合、継続的に需要を減らすような政策介入を行うという設定ですので、買い手の新規参入は敷居が高いと考えられます。つまり、多少価格が下がったくらいでは、本来ならば参入するはずだった新たな買い手が参入しないため、価格上昇圧力が働かず、結果としてさらなる価格下落を引き起こします。
4. また売り手側に注目した場合、性労働に従事している人の多くは、ほかに性労働と同等の収入を得られる経済的なオプションをあまり持たないことが考えられます。つまり、多少価格が下がったくらいでは、転職することは困難です。しかし、これまでと同じだけの性労働に従事していては、これまでとは同じ収入が得られないので、より長時間働いたり、より悪い条件でも断らずに数をこなすなどすることで、収入の下落を防ごうとするでしょう。
5. しかし、自分だけでなく多くの性労働者が同じように考えた場合、かりに性労働に従事している人数が同じでも、それぞれの性労働者がより多くの性的サービスを市場に売りに出すことになるので、供給が減るどころか、かえって増えることになります。それは、さらなる価格の下落と、バーゲニングパワー(交渉力)の低下を引き起こします。バーゲニングパワーが低下すると、足元を見られて、より不利な取り引きに合意せざるを得ない状況に追い込まれます。
6. 2で述べたとおり、市場というのは、価格の変動を通して需要と供給をマッチさせる仕組みなので、需要が変わらないまま、ただ価格だけが下がり続けたり、供給が増え続けたりということはありません。3〜5までの結果として起こりうる結論は、つぎの二つのうちどちらかしかありません。それは、「需要を減らそうとする政策にも関わらず、価格がかなり下がった時点で、供給と釣り合うだけの需要がふたたび生み出される」か、「性労働に従事しても生活の足しにもならないくらいにまで性的サービスの価格が減少する」(市場が崩壊する)か、そのどちらかです。
7. しかし1において、市場が成り立たないほどの需要の完全な根絶は起こり得ないという仮定を立てています。この前提が正しいならば、どれだけ「需要を減らす」政策が実施されていても、あるレベルにまで価格が下がった場合には、供給とマッチするだけの需要は生み出される、ということが帰結されます。
8. 買い手側の行動を考えると、買い手は性的サービスに潜在的にある一定の価値を認めていて、それに見合うコストを払っても良いと思っていると考えられます。しかしかれらが支払うコストは、売り手に支払う現金だけではありません。警察に捕まるリスクや、売り手を市場で見つけ交渉するだけのコストも含めた、あらゆるコストの総額が「性的サービスの価値」に見合うかどうかで、性的サービスを買うかどうかを決めています。
9. 「需要を減らす」政策介入は、逮捕によるリスクや社会的制裁のリスクを高め、また売買春がよりアンダーグラウンド化することにより、相手との交渉のコストも高めます。もし性的サービスの価値が一定であるなら、それら間接的なコストの上昇に見合う分だけ、売り手に直接支払う性的サービスの価格が下がらない限り、買い手の側は実質的な値上げがあったと感じることになります。すなわち、供給にマッチするだけの需要を生むためには、より価格が下がる必要があることがここからも分かります。
10. 結果として、「需要を減らす」政策が仮に有効だったとしても、需要の減少はごく一時的なものに限られます。供給側に「収入が減るくらいなら、より稼げる仕事に転職する」というオプションがない限りにおいて、政策的介入の影響は、売り手が「より低い価格で」「より悪い条件で」「より多くの客を相手に」性的サービスを売る、というかたちで辻褄をつけさせられることになります。
11. それだけではありません。8〜9では、買い手の側からものごとを見た場合、かれらが性的サービスを購入するかどうか決める際に、性的サービスそのものの価格だけではなく、さまざまな法的・社会的リスクなども「性的サービスを購入する際のコスト」として計上されると説明しました。が、法的・社会的リスクをどれだけのコストと感じるかには、個人差があります。
12. すなわち、取り締まり強化や厳罰化が実施されたとして、それをどれだけ脅威に感じるかには、個人差があります。目の前の享楽に目を奪われ後のリスクをものともしない人や、そもそも失うものをあまり持たない人は、リスクが上昇しても大して気にしないのに対し、冷静にリスクを吟味する性格の人や、家族や社会的地位など失うものを多く持つ人は、少しのリスクの上昇にも敏感に反応するでしょう。「需要を減らす」政策介入によってリスクが上昇し、その分価格が下落すると、前者(リスクを軽視する人たち)の客が増え、後者(リスクを重視する人たち)の客が減ります。
13. さて、このことを売り手側から見ると、かれらにとって厄介なのは、圧倒的に「リスクを軽視する客」です。「リスクを軽視する客」こそが、たとえばコンドームを使わずに性的サービスを受けようとしたり、脅したり暴力をふるっても大丈夫じゃないかと思ったりする確率が高い人たちだからです。「リスクを重視する客」は、性感染症や、売り手(および斡旋者)とのトラブルになることを恐れる度合いが高いため、前者にくらべるとより安全です。したがって、「需要を減らす」政策は、ただ売り手のバーゲニングパワーと収入を壊滅的に減少させるだけでなく、より危険な買い手を増やすことにもなります。
14. 最後に、これまで売り手が売春者本人であり、自分の意思で売春するかどうかを決定していることを前提として議論を進めてきましたが、人身取引の被害者についても考えてみます。その場合、市場価格に応じて行動を決定しているのは、売春者本人ではなく、人身取引の加害者ですが、基本的に上記の説明はそのまま当てはまります。人身取引の加害者だって、商売として売春を管理しているのですから、売春者本人による売春と同じく、市場メカニズムに沿った行動を取ります。
15. 違いがあるとすれば、売春者当人にとって不利な変化に対する反応が鈍ることでしょう。たとえば、売春者当人が行為決定者である場合、なんらかのほかの仕事が選択肢として存在し、価格や条件やリスクが悪化したならば、自らの意思でほかの仕事に転職することが考えられますが、人身取引加害者が行為を決定している場合は、管理売春をやめるのは「ほかの強制労働をやらせるのに比べて(あるいは自分自身が別の仕事をするのに比べて)、儲からなくなった場合」だけです。
16. しかし、管理売春が経済的にペイしないほどまでに価格が下落することは現実的に考えにくく、多少儲けが減ったとしても、暴力を含む強制や脅迫を用い、より長時間被害者を働かせたり、食費をはじめとする維持コストを削減することによって、収入を維持しようとするでしょう。したがって、「需要を減らす」政策介入は、売春に従事するすべての人にとって有害ですが、その中でもとくに人身取引の被害によって売春に従事させられている人にとって被害が大きいと考えられます。

24 Responses - “「性産業の需要を減らす」アプローチが、性労働に従事している人にとって有害でしかない理由”

  1. sakaeru Says:

    「貧困で性産業に従事せざるを得ない人達の立場がある」という主張は売買春を規制されたくない者達の建前だと思っています
    貧富の差があるとはいえ先進国で経済大国で福祉もある米国で体を売らないと生きていけない人などいないでしょう
    私は売買春は悪だと思っています
    どうしても必要な性風俗など障害者への手コキのサポートくらいでしょう
    AVも売買春です(ソープが誤魔化されている事より酷い)
    とはいえ私も性欲を持った人間です
    本番なしで行政が厳しく介入する条件でなら認められてもいいかもしれません
    いま、AVにしても風俗にしてもやりたい放題ですよ(米国の事情は知りませんが日本では)

  2. LDK Says:

    ”米国で体を売らないと生きていけない人などいない”
    あまりにも現実を知らなさすぎます。
    短いホームステイの間でさえ、貧困にあえいで通常では考えられない犯罪行為に走る人を多く見ました。
    売春で生計を立てられる人はまだマシと言える部類でしたよ。

  3. しゅう Says:

    >「貧困で性産業に従事せざるを得ない人達の立場がある」という主張は売買春を規制されたくない者達の建前だと思っています
    「売買春を規制されたくない者達」って誰のこと言ってるの?
    売買春がノールール化することで,暴力や,望まない妊娠や性病の危険に晒されることを危惧しているというのがこのエントリーの主題でしょう。
    >貧富の差があるとはいえ先進国で経済大国で福祉もある米国で体を売らないと生きていけない人などいないでしょう
    本当にそんなことが”断言”できるの?根拠は?
    >私は売買春は悪だと思っています
    あなたの主観は問題ではありません。反論するのであれば,売春に従事している女性(その女性は養わなければならない子どもも多数抱えているかもしれない。)があなたなりのまともな道で生きていける方策を示すべきでしょう。
    >どうしても必要な性風俗など障害者への手コキのサポートくらいでしょう
     あなたの言う必要以外の需要を完全に消滅させることはできないという話をしています。
    >本番なしで行政が厳しく介入する条件でなら認められてもいいかもしれません
    行政が性風俗全般をたたきつぶせば表向きは,健全な世界ということになるかもしれません。
    しかし,そうしてしまうと風俗産業は闇に潜ります。
    闇に潜ると,これまでは最低限保証されていた性病対策や暴力対策すら失ってしまうことになります。
    >本番なしで行政が厳しく介入する条件でなら認められてもいいかもしれません
    あなたの個人的な希望を言ったってしょうがないでしょう。本番なしでも性病はうつるし,需要がある限り性行為が行われることは防げない。
    結論から言えば,エントリーの内容と,あなたのコメントは全くかみ合ってないということです。

  4. angelsladder Says:

    宮台真司が下記に非常に詳しくまとめているよ。個人的にはオランダのように売買春やマリフャナはある程度認めてあげた方が社会秩序はうまく保たれると思う。:売買春に関わる社会秩序維持には三つ選択肢があります。第一が〈管理売春合法化〉。第二が〈売春禁止とヤクザ温存〉。第三が〈ガチンコ化によるヤクザのマフィア化〉。 http://t.co/u1tIFlXW (宮台真司)

  5. しゅう Says:

    売春は悪といっているのに,売春認めろってちょっと意味わからないんですが。
    エントリーの内容と,あなたのこれまでの主張と,宮台の主張はすべて一致しませんし,宮台もどれが一番の策かだなんてこのエントリーでは言ってないでしょう。

  6. macska Says:

    sakaeruさん、

    「貧困で性産業に従事せざるを得ない人達の立場がある」という主張は売買春を規制されたくない者達の建前だと思っています

    建前でそういう主張をする人もいるでしょう。でもこの記事で取り上げているのは、主張する人の真意や目的とは関係なく、「こういう政策を実施すれば、こういう結果が引き起こされる」という論理ですから、わたしの意図とはべつに、それ自体が正しいかどうか議論できると思います。

    貧富の差があるとはいえ先進国で経済大国で福祉もある米国で体を売らないと生きていけない人などいないでしょう

    生活のためでないとすれば、じゃあ、なんのために売春してると思っているんですか?

    私は売買春は悪だと思っています

    フェミニスト倫理学者のDebra Satzは、Why Some Things Should Not Be for Sale: The moral Limits of Markets(なぜあるものは売買されるべきではないのか/市場の倫理的限界)という本で、売買春は女性差別に根ざしており、また差別を温存させている、「社会悪」である、という立場を表明しています。そのうえで、次のように主張します。

    It is important to distinguish between prostitution’s wrongness and the legal response that we a re entitled to make to that wrongness. Even if prostitution is wrong, we may not be justified in prohibiting it if that prohibition makes the facts in virtue of which it is wrong worse, or if it has too great a cost for other important values.
    […]
    Suppose that we accept that gender equality is a legitimate goal of social policy. The question is whether the current legal prohibition on prostitution in the United States promotes gender equality. The answer, I think, is that it does not. The current legal policies in the United States arguably exacerbate the factors in virtue of which prostitution is wrong.

    Satzによれば、売買春は女性差別であり「社会悪」です。が、しかし現行の、売買春を違法行為として取り締まる政策が、男女平等を推進しているかというと、そうなってはいない、と指摘しています。むしろ逆に、現行制度は、売買春が「社会悪である」要因を、さらに深刻にしてしまっている。悪だから禁止する、取り締まる、という考え方では、その悪をさらに悪化させることになりかねないわけです。

  7. しゅう Says:

    あ、angelsladderさん失礼しました。最初にコメントした人と勘違いしてました。

  8. まん Says:

    女性の権利だとか女性差別だとかは中身空っぽのお題目、机上の空論。
    現状以上の給与で他の雇用市場に雇用需要がないのであれば、性産業に従事する女性は動かない。

  9. macska Says:

    まんさん、
    その「机上の空論」よりさらに何倍も無意味な意見ですね。
    端的に邪魔ですので、また同じような無意味な発言があれば、削除します。

  10. 匿名 Says:

    ああああ 釣られたクマー状態 これは良い記事だ

  11. しばけん Says:

    性産業の収益が悪くなれば、単なる小遣い欲しさにそういった
    仕事を選ぶ人は減るでしょうね。
    (人身売買やその他深刻な状況の人はわかりません。)
    知らない人間とむやみに性交渉を重ねてしまう可能性が減るという
    意味では良いのかもしれません。
    自分の娘や姪っ子も、将来100%関係ないとは言い切れないので。

  12. sakaeru Says:

    煩雑になるので要点を絞りますが
    先進国においては売春をしないと生きていけない人はいないでしょう、彼女らに必用なのはカウンセリングであり解決すべきは人間関係の貧困ではないでしょうか
    >あまりにも現実を知らなさすぎます。
    >本当にそんなことが”断言”できるの?根拠は?
    >売春に従事している女性(その女性は養わなければならない子どもも多数抱えているかもしれない。)があなたなりのまともな道で生きていける方策を示すべきでしょう。
    逆に聞きたいのですがあなたが「生きていけない」と規定する人は売春をしないとどうなるのか具体的に説明してもらえますか?食事が出来ないのですか?家賃が払えない?最低賃金が7~8ドルとかで日本とそんなに変わらないようですが具体的に売春に従事する人達はどの様な生活をしていて売春以外ではどの程度の収入が見込めるのですか?同じレベルの貧困層にいながらも売春にかかわらないで生きている人もいるでしょうがその違いは?子供を抱えているならそれ相応の福祉が受けられると思うのですが?
    >行政が性風俗全般をたたきつぶせば表向きは,健全な世界ということになるかもしれません。
    しかし,そうしてしまうと風俗産業は闇に潜ります。
    闇に潜ると,これまでは最低限保証されていた性病対策や暴力対策すら失ってしまうことになります。
    現状でもより過激なサービスを求めて闇に潜っている部分はありますが行政が介入してルール作りをすることでセックスワーカーの労働環境は担保されます、まずカウンセリング。これは必須です、売春がどういうことなのか、その後の人生への影響などをよく理解していなかったりする場合も多いです、また性労働から精神を病んでしまう人も少なくないでしょう、避妊や性病の検査の徹底だけでなくそういった労働環境の整備も必要です、業者を審査、指導して優良な性風俗を目指すべきです、その程度の努力(普通の業者が当たり前に求められる程度の労働環境の整備)が気に入らないで闇に潜るのであれば賃金につられてしまうセックスワーカー共に徹底的に取り締まってよいです、性風俗が無くせ無いほど必要ならばその程度の努力や枷は厭わないでしょうし、利益率が高いのであればやる人は出てきます、雇用先が縮小するということはないでしょう

  13. macska Says:

    先進国においては売春をしないと生きていけない人はいないでしょう

    あなたの言う「生きていく」というのが、今日明日のすぐには死なない、という意味なら、たしかにその通りです。売春によって生きている人が売春をやめただけで飢え死にすることも、なかなかないでしょう(世の中には飢え死にする人はいますが、それは高齢であったり障害があったりしたうえでネグレクトの被害にあい、助けを求めることもできない状態におかれた人がほとんどです)。
    しかし「生きさせろ」という要求は、そんな「とりあえず今時点での物理的な生存」だけを意味しているわけではないでしょう? お腹を空かせて我慢したくない、雨や寒さに凍えずに眠りたい、理不尽な暴力に怯えたくない、病気にならないような清潔な生活をしたい、病気になったら医療を受けたい、子どもに満足な食事を与えたり教育を受けさせたりしたい、社会的な繋がりを持ちたい、そしてそれらのことを、「今日は食事をすべきか、それとも子どもの鉛筆とノートを買うべきか」のように日々迷いたくない。そういうことをひっくるめて、「生きていくことが困難である」と言っているんですよ。そうした権利を奪われた人なんて、先進国にだっていくらでもいます。知識も想像力もなさすぎです。
    そういった、知識も想像力もない人が、得意がって「性産業はこうあるべきだ」と主張しても、なんの説得力も持ちませんし、興味すら抱きません。議論以前の問題です。

  14. sakaeru Says:

    あなたは分が悪いと見ると言い訳をして議論を放棄する癖があるようですね
    >お腹を空かせて我慢したくない、雨や寒さに凍えずに眠りたい、理不尽な暴力に怯えたくない、病気にならないような清潔な生活をしたい、病気になったら医療を受けたい、子どもに満足な食事を与えたり教育を受けさせたりしたい、社会的な繋がりを持ちたい、そしてそれらのことを、「今日は食事をすべきか、それとも子どもの鉛筆とノートを買うべきか」
    ですから性産業に従事しなければ上記の様な事が満たされないということが本当にあるのですか?
    私は不況の中でフリーターを経験していますが家賃や食費、光熱費くらい捻出できました、娯楽を制限されたくらいです
    日給6000円でも週に5日働けば12万になります、家賃が3万だとして9万円もあれば十分生活できます、先進国ですからきれいな水が飲めて清潔な食事が出来ます、住まいもぼろアパートですが健康を害すほど酷くはありません、福祉もありますし。
    米国の医療制度は日本ほど優れてはいないようですがアメリカにもMedicaidという低所得者救済の制度があるのですよね
    理不尽な暴力にいたっては犯罪ですので無理やりやらされているのであれば「従事せざるを得ない」と規定するのは大間違いですよ

  15. macska Says:

    ですから性産業に従事しなければ上記の様な事が満たされないということが本当にあるのですか?

    あるからこそ、わたしだけでなくて、何人もの人が、そう言っているんですけど。いや、コメント欄に書き込んでいる人だけでなくて、ツイッターやはてなブックマークでは、「一つめのコメントがアホすぎて、釣りにしか見えない笑」「理路整然と。それに比べてコメントのアホさ加減ときたら」「なるほどと思わせるシミュレーション。それに比べコメント欄のレベルの低さに眩暈がした」と、あなたが無知であると大勢の人が思っています。

    私は不況の中でフリーターを経験していますが家賃や食費、光熱費くらい捻出できました、娯楽を制限されたくらいです

    自分はできたから、他人もできるはずだ、というのは、妄想です。そんなに世の中は公平にはできていません。

    米国の医療制度は日本ほど優れてはいないようですがアメリカにもMedicaidという低所得者救済の制度があるのですよね

    それを受給するための要件を、あなたはご存知なのですか?あるいは知ったうえで、医療費を出せない人は全員救済されるとでもお考えですか?バカバカしくて話にもなりません。

    理不尽な暴力にいたっては犯罪ですので無理やりやらされているのであれば「従事せざるを得ない」と規定するのは大間違いですよ

    無理やり売春をやらされていることを言っているのではなく、住む家がなかったり、生活のために他人に依存しなければいけなかったら、理不尽な暴力を受ける危険が高まる、ということを言っているのです。そこに考えが及ばず、強制売春のことだと勘違いするあたりが、あなたの知識と想像力の欠如です。

  16. sakaeru Says:

    >「一つめのコメントがアホすぎて、釣りにしか見えない笑」
    世の中、馬鹿の方が多いので当てになりませんよ、売買春を規制されたくない者も多いのでしょうし、私も欲望では規制されたくありませんが倫理的立場に立てない愚者には困ったものです、文句があるなら議論に参加すればいいのですよ
    >自分はできたから、他人もできるはずだ、というのは、妄想です。そんなに世の中は公平にはできていません。
    >それを受給するための要件を、あなたはご存知なのですか?あるいは知ったうえで、医療費を出せない人は全員救済されるとでもお考えですか?バカバカしくて話にもなりません。
    野次と同じで抽象的ですね、どのような理由で無理なのですか、具体的に説明してください
    >無理やり売春をやらされていることを言っているのではなく、住む家がなかったり、生活のために他人に依存しなければいけなかったら、理不尽な暴力を受ける危険が高まる、ということを言っているのです。そこに考えが及ばず、強制売春のことだと勘違いするあたりが、あなたの知識と想像力の欠如です。
    役所に住む家が無いと申し出てなぜ救済されないのですか?

  17. macska Says:

    どのような理由で無理なのですか、具体的に説明してください
    役所に住む家が無いと申し出てなぜ救済されないのですか?

    あのですね、どうしてあなたは自分でものごとを調べる、ということができないのですか?米国における貧困や社会問題についての本くらい、日本にもあるでしょ?
    もし、いくつか例をあげればそれで済むというなら、今回だけ、授業料も取らずに、ちょー親切に教えてあげても構わないですよ。でも、どーせそれじゃ終わらないでしょ?なんでわたしが、知識も想像力も理解力もないあなたに、一方的に、そして半永久的に、ものごとを教えてあげなくちゃいけないんでしょうか。
    バカの相手も、もういい加減飽きました。次のコメントが、あなたの最後のコメントになるので、悔いがないように言いたいことを全部ぶちこんでください。
    (でも気分によってはサクっと削除しちゃうかもね!それがイヤなら、何も書かなくても結構ですよ!てかむしろ書かないほうがいいよバカ。)

  18. Sig. Says:

    野次と同じで抽象的ですね、どのような理由で無理なのですか、具体的に説明してください

    日本は識字率が高いので想像しにくいかもですが、移民の多いアメリカの場合、英語に限ると50%しかないとも言われています。会話が難しい人も多いでしょう。簡単な計算すら苦手な人は義務教育のある日本でも多く存在しますね。人種的な問題があると接客の仕事は難しいことも想像できます。
    過酷な肉体労働は女性には難しいでしょう。一般的な仕事は受け答えに問題の無いコミュニケーション能力や清潔感を求められます。それらは今現在、人間的な生活ができる余裕があってこそ得られるものですね。対話も学も必要せずに暮らしていけるだけの仕事には旨味があり、競争率も高いでしょう。

    役所に住む家が無いと申し出てなぜ救済されないのですか?

    その制度が本来利用されるべき人に利用されない、ということはどうしても起こりうる問題です。日本でも生活保護の不正受給など問題になっていますね。
    また、制度を利用する為には「救済制度がある」ということを知っていなければならず、文字が読めない、調べる時間が無い、周囲に助言者がいない、そもそも受給資格を満たしていない(国民でないなど)、などといった障害もありえます。行政機関への信頼や、参加を妨害する存在の有無なども重要。
    また、当然ながら予算・立地などの許容量もあり、上記の問題を全てクリアしていたとしても物理的な限界というものは存在します。

  19. macska Says:

    すげー親切な人がいた!!
    これで少しでも理解してもらえたらいいのですが…

  20. ts Says:

    いちいち理解力がないとか、想像力がないとか、みんなもお前のこと馬鹿だと思ってるよとか言わない方がいいと思いました。
    人格を否定せずに議論できるといいですね。

  21. macska Says:

    いや、わたしがどう工夫したところで、議論が成り立つ相手じゃないでしょうあれは。あそこまでのバカを、まるでまともな議論相手であるかのようにわたしが演技して対応するのは、バカをつけあがらせるだけです。
    とはいえ、バカにたいして「あなたはバカですよ」と言うのは、たしかに親切心が過ぎたと思います。自分はバカだと気づいて何かを学べるような人でもないですし。何も言わずに削除したほうが良かったですね。

  22. 匿名 Says:

    従軍慰安婦問題は軍による韓国人女性の強制連行を裏付ける証拠が皆無の為、慰安所の設置自体が問題であると論点がすりかわってきましたが、貧困問題をかかえる女性達には大いなる貢献をしたわけですね。
    慰安所の目的には強姦、私生児、性病等の問題を抑止する事もあったのであり、戦後、米軍専用の慰安所をマッカーサーが廃止した為、米兵による強姦、多数の私生児を生んだ事実が逆に慰安所の存在意義を示している訳ですね、、
    私生児の中には、米兵の性欲処理の為だけではなく日本人女性との恋愛関係の結果、生まれたものもあったであろうとは思います。
    日本軍が慰安所の設置を望んだのも強姦や私生児の性病等の問題の発生を抑制する為であったことが解りますね。又それにより

  23. 匿名 Says:

    >匿名 Says:
    >2013/07/27 – 07:49:00 -、
    匿名と表示されていますが名前欄に入力できませんでした。
    失礼します。

  24. macska Says:

    > 匿名と表示されていますが名前欄に入力できませんでした。
    コメント欄をクリックした時点で、メールアドレスや名前を入力する欄が表示され、入力できるはずですが、もしかしたら一部の古いブラウザでは利用できないのかもしれません。名前を教えていただければ、こちらで編集します。
    さて、
    > 貧困問題をかかえる女性達には大いなる貢献をしたわけですね。
    それは、このエントリから導き出せません。てか、全然関係ない。ここで書いているのは、「買春側だけ取り締まれば売春者には害がない」という考え方への反論であり、日本軍慰安婦制度という特定の制度の是非をどうこう言えるような内容ではありません。自分が言いたいことのために、おかしな解釈をするのはやめてください。
    とりあえず、「慰安婦制度が貧困に苦しむ女性を救った」という議論が成り立つには、彼女たちが(たとえ貧困を理由としたものであったとしても)慰安所における労働条件などを正確に把握し、他の取りうる選択肢と比べたうえ、自発的に慰安婦として就職したことが前提となります。
    資料によれば、慰安婦の募集においては、当人たちに正確な情報を伝えないまま、騙して連れていき、帰りたくても帰れない状態に置かれる(つまり、ほかの選択肢を選べない)ことが常態化していたようです。これは日本政府の公式見解でもありますし、「軍や政府に直接の責任はない」と主張する一部の論者も否定してはいないようです。
    わたしは、売買春の取り締まりによるさまざまな弊害を指摘していますが、売買春が貧しい女性を救うとは言っていません。現にそこにあるものとして、それにどのようなアプローチを取ればどういう結果がもたらされるのか、説明しているのです。

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